Monday 6 October 2008

登山


カムチャツカの売りは、手つかずの大自然です。それ以外にはビールがおいしいくらいしか売りはないのですが、僕のような生活をしていると手つかずの自然に近づく機会など殆どありません。今年ももう10月に入り、町から見える山の頂上は雪に覆われ始めています。つまり、登山シーズンはもう終わりを迎えようとしている訳で、ああ、今年も山には近づかなかったなあとここ数日考えていたところを友人に誘われて初登山に行ってきました。
しかし山頂が雪に覆われている山が殆どのはずなので、注意事項を確認したところ、

1:寒くはない
2:雪もない
3:標高も低い
4:1時間弱
5:山頂にはカルデラ湖
6:何も問題ない

という内容だったので、これは行かない手はないですと叫んで行ってきました。

1:山はかなり寒く、麓につく頃には雪がちらつき、気温はマイナスでした。
2:雪が降っているので当然雪が積もっていて、上り続けるとその積雪量は増すばかり。一歩ごとに足首がそのままハマってしまう程の積雪で、その雪は道などない岩の急斜面に積もっている為にたちが悪く、最終的には斜面がかなりキツく、表面が凍結している上に粉雪が積もるものだから滑ってしまってしかたがありませんでした。そこに来て猛吹雪のため、突風が定期的に訪れて山から引きずり落とそうとします。
3:標高は確かに低かったです。
4:雪の影響で2時間以上かかりました。
5:吹雪の為に半径10メートル程度しか視界がなく、写真で見る奇麗な山頂の湖、カルデラ湖は何も見えませんでした。
6:もの凄く危険な登山でした

というのは飽くまで僕の感想なのですが、やはりこの地で育って来た若者にとっては何も問題はない事だったようで、僕には視界もなく、ただ吹雪の中、急斜面を苦労して上がっているだけにしか思えなかったのですが、カムチャツカの人にとってはこれが「楽しい」事だそうです。楽しい楽しい言いながら皆登っていました。
「これこそエクストリームだ」との事です。

山頂に到達しても何も見えないので達成感も何もなかったのですが(写真1)、育った環境によって楽しみ方も違うものだなあと、新たなサブカルチャーを発見できた事が僕に取っては一番の収穫でした。

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