Wednesday 3 December 2008

ロシア最高


暇つぶしに立ち寄ったCD屋でいつものMP3コレクションを眺めながら、寒くなって来た事だし何かのバンドを著作権無視して低価格で購入してやろうかと思っているとなんと、大好きなソニックユースを発見。早速購入。スタジオアルバムは大体持っているので意味のないように思えるのですが、結構レアなSYRシリーズが1〜5までコンプリートしてある点、シングル関係も充実している点、企画盤や良く知らないフランス映画のサウンドトラック(なんと全曲ソニックユース)のサントラが収録されているなど、驚きの内容だったので即買いです。
全部で30枚のアルバムが収録されて、CD3枚組。値段は450ルーブルなので約1800円でした。

450ルーブルで何が買えるかを考えてみます(ペトロ価格)。

・ビール1.5リットル 100ルーブル
・パン1斤 50ルーブル
・キュウリ1本 50ルーブル
・キャベツ半玉 50ルーブル
・トマト4つ 80ルーブル
・牛乳1リットル 50ルーブル
・タマゴ10個 80ルーブル

以上で460ルーブル。日本でこの食品に相当する金額で、ソニックユースをコンプリートなどまず無理です。
因に先日大きな世界地図を壁に貼る為に買いに行ったら、1200ルーブルもしました。地図は高いけど音楽は安い。

著作権の崩壊は文化レベルを落とすのでしょうか。

Monday 24 November 2008

ルチ


今期のロシアンプレミアはルビンが制覇しました。圧倒的な強さでの優勝です。今シーズンはモスクワ勢もゼニトも優勝を逃しました。

ルビンのホーム、カザンはタタールスタン共和国の首都で、ロシア連邦に属しているものの自治権が与えられている国です。モスクワから800KM程離れた工業地帯で、人口も100万人を越える大都市です。しかもタタールスタンはイスラム教国で、何かとロシア人のバッシングを浴びますがロシア政府との関係は良好のようです。ロシアの内陸部に位置しているため、強い主張をしようものならプーティン様が黙っていないのでしょう。

このルビンというチームには胸スポンサーがありません。どういう事かと調べたら、これはタタールスタン共和国営のチームだそうです。勿論細かいスポンサーはあるのですが、ゼニトのように大きく「ガスプロム!」とは書いてない訳です。
選手は全員国家公務員という事なのでしょうか。しかしそう考えると、ソビエト時代は全選手が国家公務員だったという事になります。

そんなロシアンフットボールですがなんと!ルチ・エネルギアが16位(最下位!)に終わり、1部リーグへと降格してしまいました。
これはちょっと残念でなりません。日本にも上がっては落ちてを繰り返すチームがありますが、正にルチ・エネルギアはそのポジションなのでしょう。UEFA CL に出場権のあるロシアリーグを制覇し、CLも制する日がルチにくるのでしょうか。スポンサーがДЭКという極東のエネルギー会社なので、今後のプーティン様の頑張りようによってはその日が来るかもしれません。
アブラモビッチさんも外国のチームを強くしてる場合ではありません。

因にチェチェンのグロズヌイにホームを置くテレクは9勝13敗8分の10位と、これはなかなかの成績だったと思います。もっとチームが成長して、スパルターク・モスクワ対テレクの試合がバルセロナ対Rマドリッドのように盛り上がる日が来るかもしれません。

もう一つフットボールの話題では、モスクワのディナモスタジアムが今シーズン限りで解体。新しいスタジアムを現在建設中で、3ヶ月後には稼働するという事です。
そのため、昨日のホーム最終戦では子供からお婆さんまで花を持ってスタジアムにやって来て、まるで亡くなった人の献花台のような所に花を置いていました。TVでもディナモスタジアムで行われたこれまでの歴史的な試合を特集するなど、改めてロシア国内でのフットボールの人気の根強さを感じました。

まあカムチャツカには全く関係の無い話ですけど。
カムチャツカのスタジアムはそろそろ氷が張ってスケート場になります。。。

Sunday 16 November 2008

ビデオカムチャツカ

動画が見れる皆様へ。

Tuesday 4 November 2008


大好きなペトロパブロフスク。この町はスーパーマーケットが少なく、小さな店が多いです。
駅のキオスク程の小さな店が沢山あります。または日本のコンビニエンスストアくらいの店もあります。
そんなお店では買い物をしても袋をくれません。
マイバッグを推奨している訳ではない事は確かです。
もし沢山の品物を買った際には、袋をくださいと言って5ルーブルほど払って売ってもらいます。

先日、いつも行くお店で袋を売ってもらったら、最高にかっこいい袋をくれました(写真1)。

今まではいつも黒くて何も書いていない袋をくれていたのですが、最近この袋に変わったようです。
どうしてこの袋になったのか気になるところです。
袋に書かれている文字も、主婦のようなおばさんの絵も、その店とは何の関係もありません。

ОНО! 「それだ!」みたいな意味です。

ロシア最高。

Saturday 18 October 2008

感情なし


大好きなペトロパブロフスク。狭い町でもミュージシャンが結構多く、ギター背負って歩いてる人をよく見かけます。人口20万人という事を考えると、音楽家率が高いと思います。
しかもこの町では特段やる事がないので、みな練習に打ち込める環境が整っています。なので皆、巧い。楽器が巧いなんて、最高にかっこいい。つまり、最高にかっこいい人達が多い町なのです。

そして狭い町なのでミュージシャン同士は全員友達。僕も一人偶然知り合ったら、あとは一気に知り合いになり、ペトロックシーンに入り込んで楽しい毎日ですが、そんな音楽仲間のベズエモッツィというバンドが初のソロライブを開催。

カリフォルニア最高!と今にも言い出しそうなファンパンクなので、ちょっと僕が好きなタイプの音楽ではないのですが、クオリティも高く技術もあるし、聴いていて爽快感のある音楽なのでライブはとても楽しみでした。1年も住んでいるので薄々感づいてはいたのですが、どうもこのバンドはペトロパブロフスクではかなりの人気のようで、500人は収容できるであろう会場は満杯。チケットは200ルーブル(1000円弱)なので、売り上げ的にも凄いものです。地元のお店や会社にスポンサードされての開催なので、かなり質の良いライブでした。
しかしそれにしてもちょっと異常なまでの人気で、あまりにも皆このバンドが好きなので自分の音楽センスがどうかしているのだと説明を付けてきました。

ベズエモッツィというバンド名は、直訳すると「感情なし」。非常に格好悪くなっています。
しかしこんなにも真剣に音楽に取り組み、素直に成功を目指しているグループには巧くいって欲しいものです。そんな彼らの姿勢が町の人達に伝わり、町の人達にとっても誇りなのでしょう。

Friday 17 October 2008

クラブイベント


大好きなペトロパブロフスク。狭い町でもクラブの数は結構なもので、大小合わせて20件はあると思います。正確には知らないですが。なかなかかっこいいクラブもあり、他に行く場所もないので週末でも平日でもクラブは繁盛しています。日本人が居酒屋に行く感覚でしょうか。週末にはイベントが開催され、テクノ系イベントを開催する団体や、ドラムンベース系、エレクトロ系など、各団体が色々なクラブでイベントを開催し、DJがモテモテという世界各国の都市と変わらない状況です。
しかし音楽のセンスがあまり自分好みではなく、行っても全然面白くないと思っていました。ドラムンベースが最も人気があるようで、こんなにもドラムンベースばかり聴かされるとちょっと頭にきます。ドラムンベースがこんなに人気がある町って他にあるのでしょうか。ドラムンベースファンに会った事もそんなに無かったです。「ドラムンベース最高!」という言葉を聞いたのも初めてだと思います。意外なところで初体験です。あまりにも皆ドラムンベースが好きなので、自分の音楽センスがどうかしているのだろうと説明をつけてきました。

しかしロックファンが多いのも確かで、所謂クラブ系ロックというと説明しやすい、最近のインディーロックのような音楽を中心にしたイベントを新たに開催しようという事で、音楽情報の乏しいこの町で地味に収集している友人達が今までとは違うイベントを開催。ニューオーダーのブルーマンデーで始まりラモーンズの電撃バップで終わるような僕にとってはどう考えてもドラムンベースの数百倍かっこいいセットリストでやってくれました。これがどういう訳か大盛況で、やはり自分の音楽センスがどうかしている訳ではなかったのだと分かりました。あと、ハイブスがもの凄くクラブ受けするという事も分かりました。やはりロックは、かっこいいリフとキャッチーなメロディです。

明らかにインディーロックなど聴かなそうな人達も大盛り上がりで、やはりクラブという非日常的な空間は音楽の持つ力を最大限に発揮させる事ができる場所なのでしょう。

しかしミュージシャンはそう簡単にモテないのに、DJはモテモテでちょっとどうかと思います。モテるためにDJになりましたなどと簡単に言い切ってしまう人がいる理由も分かります。

Sunday 12 October 2008

最下位脱出


6試合を消化して最下位に低迷している関口が所属するルチ・エネルギア。最近ではサポーターの間で関口不要論さえ囁かれはじめていた。というのも、これはフロントの判断であったものの、昨年までのキャプテン、アジンジャールをクリリヤソビエトフへ放出。その穴埋めに関口を加入させ、昨年よりも結果がでていないからだ。昨年までのルチは、時差を武器にホームゲームは快勝するケースが多かったものの、関口加入後は選手の連動性にバラつきが生まれてしまい、選手同士がお互いの良い部分を消し合ってしまう状況になってしまっていた。

そんな中、ブリッチ監督はこの状況をみてフォーメーションをワイドに開いた4−5−1のサイド攻撃重視型から、3-5-2でコンパクトな展開をする方向へ転換。移籍したアジンジャールの双子の弟に右サイドを担当させる。関口はポジションを奪われた形になったものの、紅白戦で意外にもトップ下として機能し、クバンとの試合にトップ下として初先発。憧れのロブソン・ポンテ選手と同じポジションだ。この試合、関口は司令塔的な役割でルチの2トップに絶妙なパスを何本か出す。そして迎えた後半23分、カウンターアタックからFwオスペンスキーがエリア内に切り込みキーパーをポスト際まで詰めさせて、トップ下から走り込んだ関口にパス。ボールはそのままゴールに突き刺さり、関口はプレミアリーグ初のゴールを決めた。
しかしこの試合、終了間際に相手FWカニエンダに決められ、惜しくも1−1のドロー。初ゴールは嬉しいものの、チームが勝利できなかった事は単純に悔しい。なので喜べはしない。

第8節はアムカル・ペルミとの試合。94年設立の若いチームで、プレミアリーグにも04年に昇格したばかりだ。工業都市のペルミは、人口も100万人近くあり、ペルミ州の州都で、シベ鉄も通っている。モスクワからは1400KMも離れているが、大都市だ。
この試合でブリッチ采配は的中する。7試合でノーゴール師匠のスタメン、ティホノベツキーに代わり、紅白戦で結果を出しているストヤノビッチを先発起用。開始13分でオスペンスキー得意のエリア内での切り込みから前節同様横に流すと、並走していたストヤノビッチが落ち着いて決めて早くも先制。この後すぐに追いつかれるものの、エリア内で関口がPKを獲得。兄に代わってキャプテンを勤めるアジンジャールが決めて2−1。その後またも追いつかれる。しかし初スタメンのストヤノビッチはここから連続2発でハットトリック。アムカルを切り離す。その後1点を返されるものの、守備重視の「まずは目の前の1勝」というブリッチ監督は4−3になった時点で守備重視に切り替え、そのまま守りきり、ついに今期初勝利を上げた。

この勝利は選手、監督は勿論の事、負け続ける試合に毎回足を運んでくれているサポーターのお陰だ。

この勝利で最下位を脱出。チームの方向性も見えて来た。

Thursday 9 October 2008

名前

ブログの名前をダサくしてみました。

射殺


10月7日は世界各地で未だにフォロワーが後を絶たないジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤ女氏の命日です。
ロシアの全国ネットのニュース番組では、献花台に集まる人達の様子を伝えていました。何者かによって暗殺されたノーバヤガゼータのジャーナリスト、ポリトコフスカヤの命日に、沢山の人が集まりました。という形で報道されていました。

911テロに関しての映画を鑑賞する機会が先日あり、それに関しては他の国同様関心が高く、GWブッシュは悪いだとか、これは仕組まれていた話だとか、まあ日本などの先進国の若者と同じような意見を聞きました。
ロシアは実際にテロが発生している国なので、テロ/政治について考える若者が多いのは事実です。その考えには賛成できない事が多いのですが、一人一人の意識が日本の若者と比べたら高いと思います。
20歳前後の若者がビールを飲みながら政治の話をするなんていう光景、日本でも勿論見かけますが、やはり少ないと思います。東京で政治の話などを飲み会の席で始めると、「そんな難しい事わかんない」などと秒殺されてしまう事が多いのではないでしょうか。
ロシアのようにこれだけよく政治や社会の話をするという事は、それだけ自分の知識に自身があるという事だと思います。
しかしその意見が多岐にわたっていないという印象も強く受けます。

チェチェンとロシアは大統領が握手してから武器を捨て、グロズヌイにはロシアの資本が入り平和と同時に再開発が始まり、人々は新しいロシアの政治と新しいチェチェンの政治のお陰で昔のような幸せを取り戻した。という内容の報道が最近ありましたが、おそらくこれはそのまま国民の考えになるでしょう。

これだけ大きな国で、国民の政治に対する関心が高いのだから、意見の広がるような報道/政治を目指してほしいものです。

もう2年も経っているので当然かもしれませんが、ポリトコフスカヤさんに関する報道は、「一応やりました」というふうに僕には写りました。
TVや写真でみる献花台の前に集まった人達の数をみると、この問題にk対する意識の高い人が多いのも事実です。
ここから話を広げて行かなければ、意見を失ってしまった他の先進国と同様になってしまいます。
彼女の死は、ロシアの社会にとってそれだけ大きな意味を持っていたはずです。

Monday 6 October 2008

登山


カムチャツカの売りは、手つかずの大自然です。それ以外にはビールがおいしいくらいしか売りはないのですが、僕のような生活をしていると手つかずの自然に近づく機会など殆どありません。今年ももう10月に入り、町から見える山の頂上は雪に覆われ始めています。つまり、登山シーズンはもう終わりを迎えようとしている訳で、ああ、今年も山には近づかなかったなあとここ数日考えていたところを友人に誘われて初登山に行ってきました。
しかし山頂が雪に覆われている山が殆どのはずなので、注意事項を確認したところ、

1:寒くはない
2:雪もない
3:標高も低い
4:1時間弱
5:山頂にはカルデラ湖
6:何も問題ない

という内容だったので、これは行かない手はないですと叫んで行ってきました。

1:山はかなり寒く、麓につく頃には雪がちらつき、気温はマイナスでした。
2:雪が降っているので当然雪が積もっていて、上り続けるとその積雪量は増すばかり。一歩ごとに足首がそのままハマってしまう程の積雪で、その雪は道などない岩の急斜面に積もっている為にたちが悪く、最終的には斜面がかなりキツく、表面が凍結している上に粉雪が積もるものだから滑ってしまってしかたがありませんでした。そこに来て猛吹雪のため、突風が定期的に訪れて山から引きずり落とそうとします。
3:標高は確かに低かったです。
4:雪の影響で2時間以上かかりました。
5:吹雪の為に半径10メートル程度しか視界がなく、写真で見る奇麗な山頂の湖、カルデラ湖は何も見えませんでした。
6:もの凄く危険な登山でした

というのは飽くまで僕の感想なのですが、やはりこの地で育って来た若者にとっては何も問題はない事だったようで、僕には視界もなく、ただ吹雪の中、急斜面を苦労して上がっているだけにしか思えなかったのですが、カムチャツカの人にとってはこれが「楽しい」事だそうです。楽しい楽しい言いながら皆登っていました。
「これこそエクストリームだ」との事です。

山頂に到達しても何も見えないので達成感も何もなかったのですが(写真1)、育った環境によって楽しみ方も違うものだなあと、新たなサブカルチャーを発見できた事が僕に取っては一番の収穫でした。

Tuesday 23 September 2008

ルチ・エネルギアに加入


windowsの醍醐味はゲームだと考え、早速FIFA08というフットボールゲームを入手。まともにゲームを手にするのは初めてのため、嬉しくてしかたがありません。
そもそもヴィデオゲームというものはあまり好きではなく、我々の年代の男子の間では30歳を過ぎようがゲームが好きな人が多く、そんな人をちょっと軽蔑するくらいにあまり好きではありませんでした。が、始めてしまうとこれがとても面白くて困ります。
相変わらずの海賊版CDで、中身は全てロシア語の為に辞書などを利用し、苦戦しながらも選手エディットで49番右サイドの関口を作成。憧れのアフロヘア(写真1)。ペトロパブロフスクと同じ管轄区という理由から、ウラジオストックに本拠地を置く「ルチ・エネルギア」に加入。クリリヤ・ソビエトフに移籍していったキャプテン、アジンジャールの代わりに、今シーズンの右サイドを任される事となりました。

ロシアンプレミアリーグは、ソ連邦崩壊後にソビエトリーグを再編成してできたもので、それ自体の歴史はJリーグと変わらないものの、ソ連リーグを合わせればその歴史は他の欧州リーグ同様に長く、有名なチェスカモスクワ、スパルタークモスクワに加え、リーグ再編で他のリーグに移行したディナモキエフなどが参加し、かつては欧州を代表するリーグでした。
期間はJリーグのように3月に始まり、11月に終わるシステムです。他のリーグ同様、ブラジル人がやはり多く、その他は東ヨーロッパの人種が多いように感じます。
選手の年俸なんかをざっと見ていると、かなり平均値が高いようです。ゼニトなど、ガスプロムが抱えているだけにびっくりするくらいの年俸で、レッズの文句を言う人たちにフットボールとはこういうものですよと見せてあげたいくらいです。

そんなプレミアリーグに君も参加できる!という事で楽しくて仕方がないFIFA08ですが、アフロヘアの関口は開幕戦先発出場、ホームでゼニトを迎えました。開幕戦から昨年度王者でUEFAカップまで取っちゃったゼニトと試合とは、あまりいい気分ではありませんが、もう決まっている事なので仕方がなく試合開始。ゼニトが本拠地を置くサンクトペテルブルグからウラジオまで、時差が9時間もあるので時差ぼけの選手を狙うわけですが、ゲームではそこまでシュミレートされていませんでした。しかし前半15分くらいはルチの時間帯が続き、地元のサポーター達は沸き上がります。パワー、テクニック全てにおいて圧倒してくるゼニトに、次第にバックパスが多くなってくるルチですが、前半30分、ルチのMFスミルノフのパスミスを関口がカバーしきれず、そのままゴール前までアルゼンチン人のドミンゲスに運ばれ、ルチのCBが2人揃って釣られている間に裏から飛び出したアルシャビンに流されそのまま鋭いシュートをくらい先制されました。
後半攻め続けるもこの1点に泣き、関口のプレミアデビューは黒星で始まりました。シーズンはまだ長いので、優勝目指して頑張ろうと、新たな目標ができました。

Saturday 20 September 2008

近所の牛

天気が悪いと10度以下になり、夜は5度くらいまでに冷え込む最近ですが、天気のいい日には20度近くなり、日差しも強いのでとても気持ちがいい。
なのでそんな日は散歩をしてみようと、近所を歩く事に。この町はどこのアパートに住んでいても、ちょっと歩けば必ずビスタポイントを発見できるという特徴があります。
人の家の周囲のポイントは知っているのに、自分の家の近くのポイントを知らなかったために近所で歩いた事の無い道を散策。近くに林があるので、その中に入れば紅天狗茸でも入手できるだろうと林に突入してみました。

家から2分ほどで立派な林が広がり、その中を入ると一面ゴミだらけです。田舎での生活という事で、日本人であれば「アルプスの少女ハイジ」や「北の国から」などのように、動物と人間が共存して、花とはなをかき分けて穴からプレーリードッグとかが出てくる様を想像する人は多いと思いますが、この町はなんだか中途半端に町であるため、表で生活している人たちが裏の林で自然を満喫しながらピクニックをするという楽しみ方が多いようですが、まずいのはその後の処理で、そのゴミをその場に捨てて帰るのです。なので林の中はゴミ集積所を彷彿とさせるありさまです(写真1)。スニフもヘムレンさんもいません。

などと考えながら歩いていると、急に視界が開けてビスタポイント発見。丘の上から海を見下ろし、前方には火山が広がっているというまさにビスタポイント。
家から徒歩10分でこんな景色があるものですかと感動していると、前方に牛。みると10頭はいるであろう牛達が草を食べるもの、散歩をするもの、昼寝をするものに分かれて行動していました(写真2)。

家から徒歩10分。家から徒歩10分で放牧がみられるなんて、やはり自分は田舎に住んでいるのだと再確認する事となりました。

Thursday 18 September 2008

windowsと海賊版ソフト

インテルマックに最近移行したため、ロシアの海賊版CD生活が更に楽しくなりました。インテルマックはウィンドウズにOSを切り替える事もできるため、市場で売られている海賊版のPCCDを購入してインストールできるのです。
早速お店にいき、色々と見ていると本当に格安で色々と入手可能。ざっと見た感じで、
Windows XP :200ルーブル
micro soft office 2008 : 120ルーブル
utility soft for windows XP/Vista :150ルーブル
なんとも素晴らしい海賊版の世界です。2000円かからずにまっさらのコンピュータが使える状態になります。

そしてもう一つ楽しみにしていたのがゲームで、今までヴィデオゲームというものを持った事がなかったので親にプレイステーションを買ってもらった小学生のように喜んでいます。ゲーム関係も海賊版のCDが沢山販売されています。
因にロシアの若者の間でもゲームは人気ですが、ここの人たちにはプレイステーションなどの所謂TVゲームはあまり流行っていない様子で、皆コンピュータで遊んでいます。何故か。理由は簡単で、本体/ソフト共にかなり高額に設定されているからでしょう。ソフトに関しても、PCCDが150ルーブルで買えるのに対して、プレイステーション用のものは2000〜5000ルーブルで販売されていました。そして本体に至っては35000ルーブルなどと書いてあります。日本でいくらかは知らないですが、いずれにせよ平均月収に比してとても購入できる額ではないでしょう。

ロシアで昨年はマックのみで対応してきましたが、仕事上どうしてもウィンドウズが必要となりました。これも日本ではあまり経験しなかった事の一つで非常にストレスフルでした。例えば、マック専用のタイプソフトで編集した文書を、PDFなどに変換して職場でプリントアウトを試みると、このコンピュータにはアクロバットリーダーは入っていないと言われ、隣の建物まで行ってプリントアウトし、コピーのおばさんにその紙を渡してようやく書類が完成するなど、かなりの手間がかかっていました。またロシア全土で言える事らしいのですが、マッキントッシュの普及が極めて少ないようです。なので様々な面で苦労します。インターネットのプロバイダが故障して動かなくなっても、
「マックではインターネットはできません」
などと訳のわからない説明を受けたり、ちょっとしたパーツを買うのにもモスクワから取り寄せて倍以上の金額を請求されたりと、かなりのストレスがあったわけですが、これでついにこのストレスから解放されました。

マックとウィンドウズの両方使えるインテルマック。これでまたロシアライフが一層楽しくなりました。

Thursday 11 September 2008

文化を伝えるアニメ


どこの国でもサブカルが入り込んでいて裕福な国では若者の間で日本のアニメが人気です。宮崎アニメはもちろんですが、意外にも日本では子供向け(?)と扱われているようなものが人気です。NARUTOとかone piece とか。見た事ないのでわからないのですが。ロシアでは、というかこの辺では大学生や社会人なんかもNARUTOが好きですとか、日本から来たとか言うと「NARUTO、NARUTO」とか適当な事いわれます。当然のように日本のイメージはアニメと自動車で、そのどちらにも興味のない僕はがっかりされます。
授業なんかでもアニメの話ばかりしたがる学生も多数います。皆僕の知らないアニメの話ばかりするので、一度それではと「ど根性ガエル」が好きなものはいるかい?と訪ねた事がありましたが、「ど根性ガエル」の海外進出はされていなかったようです。あれこそ日本文化を語る上では重要なアニメだと思うのですが。

そんな中、学生が「センセイ、ゼッタイ コレ スキッスヨ。マジ サイコウッスヨ コレ ヤバイッスヨ コレ」といいながらBECKというアニメを渡してきました。このベックという漫画、これが以前から僕は大嫌いでした。一回も見た事ないのですが。なぜなら、主人公のギターがフェンダーテレキャスターであり、僕のギターもテレキャスター。そのため周囲から「ベックの真似をしている」などと揶揄される事が多々あったからです。まったく漫画と一緒にされては困るものです。こっちは本気でやってんのに。
だいたいロシアにいるのに日本のアニメなど見てたまるか。こんなにも気色の悪いものはさっさとゴミ箱に移動してしまおうと考えてしかし気にはなるのでちょっとだけ見てみる事にしました。

そして全26話一気にみてしまいました。感動しました。もう、最後の3回くらいは涙流しながら見ました。
本当に、主人公と同じテレキャスを持っていて嬉しかったです。今後だれかにベックの話をされたら、「あ、僕同じギター持ってるよ」と言う事に決めました。
こんなにも素直に一生懸命前向きにやってるバンドの漫画を見れるなんて、今の子供たちは幸せだと思いました。キャプテン翼に影響されてサッカーを始めた男子はかなりの数ですが、同じようにこの漫画を見てバンドを始めた少年少女も多い事でしょう。
僕も音楽頑張ろうって思いました。ベックには負けてられない、いつか一緒に何かやりたいなあなどと思いました。

この田舎町にもたくさんのかっこいいバンドがあります。写真はそのかっこいいバンド、Без Эмоцийのギタリストが僕のと同じ色のテレキャスを持ってたのでストラットを真ん中に置いて記念撮影。かっこいい方が僕のテレキャスです。彼らもこのアニメが大好きだそうです。

Saturday 6 September 2008

政治と渋滞


ウラジオストックの空港を降りてMOTOR INN というくそ安いホテルにため、空港からウラジオの町まで車で向かいました。
ウラジオの中心街と空港は結構離れているものの、ロシア人の危険を顧みない運転なら40分もかからないで着く距離です。

しかしこの日は空港から町をつなぐ一本道を5分も進まないうちに大渋滞が発生していました。全く車が動かない上に道も1本しかないため渋滞を耐えるしかなく、2時間以上かかってやっと町に到着しました。
渋滞の原因はプーチン様という事でした。プーチン様がウラジオを訪れていたため、交通規制があり、そのための大渋滞だったようです。
話によると、プーチン様がお通りになる道をそのまま封鎖するため、周りに影響が出て、道の数が少ないウラジオの市民は大変な目にあっていました。
こんなところがロシアっぽく、ロシアに帰ってきたと実感します。
運転手に、「日本でも首相が町に来たらこのように大渋滞がおこるかい?」などと聞かれて答えに困りました。

次の日はカムチャツカに帰るため、再び空港へと向かったのですがまだ渋滞は続いていました。
しかもロシアンプレミアリーグ1部、ルチエネルギアの選手バスも渋滞にはまっていました。
やっとの事で空港に着いて一息ついていると、程なくしてルチエネルギアのバスも到着。中からは選手たちがノーガードで降りてきました。
しかし周りの一般人たちは全く気にも止めない様子で、写真を撮ってくれという人もサインをくれという人もいませんでした。
しまいには搭乗手続きのカウンターで順番抜かされていたりもしました。

町が変われば、サッカー選手の扱いも変わるものです。

Friday 6 June 2008

映画館と文化

シネキタ閉館のお知らせが東京の映画界で話題になっています。
下北沢のスズナリ横町というところにある映画館で、周りの雰囲気もよく、本当に素敵な独立系映画館です。詳しくはシネキタのHP、及び存続活動を開始している監督のブログを参考にしてください。
http://www.cinekita.co.jp/index.html
http://blog.goo.ne.jp/baohr/e/d22a6616c10d212445eb1b8787e73683

海外の人に東京という町の特徴を尋ねられたときに、僕は必ずそのサブカル度の高さを説明します。その際に必ず言うのが、こういった所謂ミニシアターが多いと言う事。ハリウッドメジャーが好きな人たちにとっては日本は映画の公開が遅いという事で不評なようですが、このような映画館が世界でもトップクラスに多いというのは充分に誇れる事だと思います。
カムチャツカにはミニシアターなんて単語さえ存在しないのですから。

ミニシアターが無いという事の悲しさは、無い町に住んでみないとわかりません。逆にミニシアターのある喜びも、ある町に住んでみないとわかりません。大きいもののみが残り、小さいものが消えていく構図というのが東京文化の特徴の一つを奪おうとしている気がします。

ここカムチャツカには映画館が2つあります。日本と同じ国土の半島で、町や村も半島全体に点在しているものの、映画館はたったの2つです。ハリウッド系を上映するシネマコンプレックスです(現在もう一件建設中ですが、もうすでに2年工事やってて未だに骨組みが完成した程度です)。
そう考えても映画館のある生活というのはこういう場所に住んでるものにとっては憧れなのです。ましてや独立系映画館なんて最高です。

個人的にもこの映画館は僕の音楽を初めて流してくれたところなので思い入れもあります。
ただ東京では、閉館しても根強いファンからの復活の要望があり、何とかしてまた開館したミニシアターがいくつか存在していますので、シネキタも復活すると信じてもいいのではないかと思います。

Wednesday 28 May 2008

CDと文化


ロシアでは1つのバンドの全てのアルバムを1枚のCDにMP3形式で纏めたものが公然と売られています。僕も日頃から、著作権なんてくそ食らえだと思いながら数々のバンドの音源をコンプリートしています。しかしこの形式で買えるのは大体がレッドツェッペリンやビートルズ、マイケルジャクソンなどの所謂大堂アーティストです。なのでクラシックロックや今まで聴き逃していたもの、又はレコードでしか持っていなくてデジタル化についていけなかったもの、特段興味のないものを中心に買っています。
今日もお気に入りのCD屋さんに、著作権なんて無視して何かコンプリートしてやろうと思って出かけると、どういう訳かportisheadの新作が売られていました。帰国した際に買おうと思っていたので即買でした。

英語圏のバンドの最新の音源をオーディオCDで入手し、帰宅後それをitunesにダウンロードするなんて、自分はなんて文化的な生活を送っているのだろうかと嬉しくなってしまいました。
英語圏からの最新の音楽=文化と考える僕の思考回路が間違っているという事はわかっているのですが、何とも嬉しい気分です。
因にradioheadのin rainbowもオーディオCDで売られていました。

オーディオCDの値段は最新のもので300ルーブル(1300円程度)です。日本とあまり変わらない上に平均月収に比してかなり高いですが他に金を使う場所もないので迷わず買います。
購入したものはロシア正規盤だそうです。日本にも国内盤、輸入盤とありますが、同様にロシア語で何か書いてある帯が付いていて、ジャケット表面にも品質証明のシールが貼ってあります。

ラベルにはuniversal music russia と記載されて、universalレーベルのマークもあります。と言う事は、ロシアの会社とuniversal musicが何らかの契約をしているはずで、つまりは著作権も保護されていると言う事になります。
日本でもレンタルを公認している時点で著作権など無いような物になっていますが、それと同じと考えれば問題はないのかもしれません。

写真は帯。「トリップホップの帝王、10年振り3枚目のニューアルバム!」と書いてあります。

Thursday 22 May 2008

ガスプロムの世界制覇を目指して


先週はゼニトが2−0でレンジャーズに勝利し、UEFA杯制覇。レーニングラードは夜通し大盛り上がりだったようです。ニュースでは前後3日間ほどこの話題に多くの時間を割いていました。1週間経たずしてロシアのホッケーナショナルチームがカナダを4−3で下し、こちらも世界制覇。UEFA杯優勝/ホッケーW杯優勝と立て続けにきて、国民は大盛り上がりです。これに対して大統領及び首相もコメントを大々的に発表しています。
ゼニトに関しては彼等がオーナーのようなもので、2人ともレーニングラード出身。しかも大統領はゼニトのサポーターとして有名です。日本でもレッズがACL制覇の後に何か内閣府から賞を貰って内閣総理大臣に、あろうことかFUKUDAとプリントされたユニフォームをプレゼントして内閣総理大臣はにやにやしていましたがそれとは訳が違います。我が国の総理大臣ももしかしたら公言できないだけでレッズサポーターかもしれませんが。

ホッケーの世界制覇に関しては、メンバーをクレムリンに招いて何か儀式をしていました。
そして昨日はUEFAチャンピオンズリーグ決勝がモスクワで行われ、マンチェスターUが優勝、ロシア全土でも前代未聞の盛り上がりをみせたらしいです。モスクワからどのヨーロッパ諸国よりも遠いこの町でも何故か大盛り上がりでした。ゼニトのUEFA杯制覇によってフットボールファンが急増している印象を受けます。そしてこのマンチェスターUはリーグ王者として、カップ王者のゼニトと戦うために更に世間は盛り上がってます。

チャンピオンズリーグ決勝に関して補足すると、もう1つのファイナリスト、チェルシーのオーナーは有名なオリガルヒ、ロマン・アブラモビッチである事は誰もが知っていると思いますが、そんな彼はモスクワやレーニングラードではなく、チュクチという自治管区の知事です。チュコチはカムチャツカ州の隣で、首都のアナルディは実はここペトロパブロフスクよりもかなり緯度が高く、経度もここより若干東よりです。時間はカムチャツカと同じ時間帯を採用しているのでこことの時差はありません。大富豪だと知事になれるという素晴らしいシステムです。しかし大富豪であるが故に地元では支持率が高いと聞きます。チェルシーを金満クラブにしとのと同様、金満自治管区を実現しはじめているそうで、インフラの整備や経済基盤の整備、更には地元の子供達をチャーター便でチェルシーのホームゲームに招待など、金こそが全て、市場原理主義万歳と思わせてくれる活躍を見せているため、実際になんの整備もされないペトロパブロフスクなんかよりはよっぽど住みやすいだろうと思うし、そんな金持ちが知事で、知事が自腹で町の整備をするなんて、それは人気が出る事でしょう。
という事でここペトロパブロフスクの住民は、アブラモビッチを嫌っています。チャンピオンズリーグ決勝も、皆マンチェスターを応援していました。大宮サポーターが浦和を羨ましがって嫌うようなものでしょうか。決勝はモスクワで行われたため、時差9時間でこちらでは朝からのスタートでしたが、スポーツバーにはフットボールファン(殆どが流行りに乗ってるだけ)が集まり、朝からビアを呑みながらの観戦となりました。

同様にTVニュースによると、アナルディでも地元のパブにチェルシーファンが集結し、声援を送っていたようです。アナルディの住民にとっては、チェルシーは自分達のクラブであるという認識があるようでした。TVの街頭インタビューでも、真面目そうなオジさんや伯母さんまでも、今日はチェルシーが勝ちますなどと答えていて、その人気の浸透振りが伝わって来ました。

マンチェスターが優勝というのはロシア人にとってはある意味良かったと僕は感じています。なぜなら、今月はじめの大統領交代式からのロシア国民の民族意識の高まりには、少し恐怖感を抱いていたからです。簡単な流れを整理すると、

大統領交代式→戦勝記念パレード→UEFA優勝→ホッケーW杯優勝。

これだけのイベントが間隔を空けずに起ったわけで、国民の意識統一、大ロシア復活を意識づける結果となってしまっています。国民としては真っ当な反応なのでしょうけど、部外者としてはちょっと怖いです。

UEFA杯優勝が凄い事なのはわかるのですが、そうは言っても所詮はカップなわけで、あまりにもTVなどでワールドチャンピオンなどと連呼し、ここの住民達もそう思っているものだから会話の流れで口を滑らせてそんなに凄い事ではないのでは?ACL優勝の方が難しいのでは?などと言ってしまい、大変な目に遭いました。カップと言っても取ろうと思って取れるものではないというのは浦和サポーターとしては良く知っていますので、これ以上は何も言わないようにしようと決めました。
因にカップを制した昨年リーグ王者のゼニトですが、今期リーグ戦前半終わって16チーム中14位と低迷しています。この低迷っぷりはかなりのもので、こういう点からみても浦和が如何に凄いかと考えてしまいます。

話を戻すと、もし昨日チェルシーが勝っていたら。
世界王者のゼニトと、チェルシー。ゼニトもチェルシーもロシアのチーム。という具合に、更に民族意識が高まってしまう方向に行っていただろうと思うので、マンチェスターが勝ってよかったなあと思います。
大統領/首相 VS アブラモビッチ
という事になっていたわけで、そう考えると怖くて泣いちゃいそうです。国内一の企業を抱える国家元首 VS 一連の騒動の中逮捕されなかったオリガルヒ。
今後ゼニト(ガスプロム)が本当に力をつけて、チャンピオンズリーグ決勝を戦う日が来て、その相手がチェルシー。そうなったときに、ゼニトに勝ってしまったアブラモビッチは次の日に脱税容疑で財産没収なんて話はあるわけないので想像しないで下さい。
その後CWCで、強すぎるが為に間違ってゼニトに勝ってしまったレッズにはいったいどういう制裁がくだされるのでしょうか。
市場原理とフットボールはリンクします。フットボールは誰も死なない戦争と言いますが、それは結局の所、経済戦争に発展しているだけではないかと思ってしまいます。
しかし昨日のマンチェスターの勝利は、そういう意味でも、フットボールは金や政治力だけのスポーツではないと言う事を再確認させてくれた気もします。

いずれにせよ、大企業がバックにつくというのは妬まれはするものの、スポンサーが離れてしまって2部に降格しちゃうようなチームがいっぱいある中有り難い事なので、我々は政治論抜きにフットボールを楽しみたいものです。

写真はガスプロムの公式ページより、サハリンⅡの開発風景。

Tuesday 13 May 2008

ガスプロムの第1次欧州制覇


メドヴェデェフとGWブッシュが電話会談した後GWブッシュがプーチン様に電話したというニュースはさておき、明日はついにゼニトがUEFAファイナルでレンジャースと戦います。殆ど全部のニュース番組等で散々煽ってますが、これを他チームのサポーターはどうみているのか、これも国家思想統一の煽りではないかとか、色々と考えてしまいますが、ここは思想的な話やガスプロムがどうだとかは置いておいて素直に応援したいと思います。
なぜならば、彼等のプレイがすっかり気に入ってしまったからです。あと、地元にチームがないからです。
マンチェスター19:45分キックオフの試合も、時差の関係で朝の7時45分から。偶然仕事も休みのため、ビールを呑みながらの観戦となります。

今日のテレビニュースが伝えていたところによると、レーニングラードの英国領事館で、英国行きのビザがおりないサポーターが結構いるという事です。
チケットがあって飛行機も予約してあるのにビザがおりないという事で、領事館の前には何人ものゼニトサポーターがゼニトファッションで立ち往生している様子が放送されていました。そこにテレビ局の人がインタビューするわけですが、皆特段深刻な事などは言わずに、「明日はゼニトが3−0で勝つぜ!」などの活気に満ちた応答をしていました。
さすが、ロシア人はこのような状況に慣れているのだなあと思い、尊敬の念さえ抱きました。もし自分が浦和のチャンピオンズリーグ決勝のチケットとも飛行機もある段階でこんな状況だったら落ち込んでしまって泣いちゃうと思います。
しかしいくらノックアウト形式のトーナメントだったとしても、前日にビザを申し込むロシア人も中々強いなあと思います。

明日優勝したら、まさにガスプロムが欧州を制する事になります

Sunday 11 May 2008

戦争と平和


パレードに関するレポートが各国で出ています。
今年のパレードはソビエト連邦崩壊後最大級のもので、レーニン先生のお墓の前には8000人の兵隊がブラスバンドと供に行進、100以上の戦車やミサイルも集結し、ロシアの強さをアピールしました。
そして新大統領の演説では、民族や宗教の名の下の暴力、テロリズム等には徹底的に対抗するとの事です。
プーチン様はこのセレモニーに関して、これは他国への威嚇ではなく、ロシアの兵力と冨を国民に見せて、安心させる為だという内容のコメントをしています。また、戦争の悲劇を繰り返してはいけないとも言及しています。

8000人の兵士達は、ソビエト時代のものをモチーフにリニューアルされた制服を着ていたそうです。しかもプーチン様もデザインに参加したそうです。

ここ数年は大きな祝日ではあるものの、ここまで大規模では無かったため、国民が不安になったとプーチン様は感じているのでしょうか。現在のメディア状況を考えれば、この模様が各国に放送されるのは当然で、また、如何に自国の軍備が凄いかを見せるという行為を威嚇と呼ぶのだと思います。ましてやそれが人間を殺すための兵器であれば尚更です。
http://www.rferl.org/featuresarticle/2008/05/c1f70515-9678-4fd6-ae81-1410ec1d94b0.html


ロシアは民主主義国家の振りをし、アメリカやEUは民主主義と認めている振りをしている。今回の式典の前に集会を企画した数十名が逮捕され、その事は報道されない。民主主義を叫ぼうとする民衆が拘留されている間に町を歩いていたのはネオナチを始めとする民族主義を掲げる若者達だった。
大統領選挙からパレードまでの一連の流れに関して、元チェスチャンピオンのカスパロフ氏はこのような内容の記事を書いています。

一部の民衆の意見を国家が抑えつけたところで、その内容に対して国民が疑問を持たなければ民主主義は成立し、現在の国際社会はこれを民主主義と認めるという事です。
http://www.latimes.com/news/opinion/sunday/commentary/la-oe-kasparov10-2008may10,0,7645982.story

戦争の悲劇を繰り返さないために意見をもった民衆を抑圧し、軍事力を誇示する。これが戦争を無くす為の戦争というやつなのでしょうか。
このパレードの後始末だけで、モスクワ市は10億ルーブルの財政負担があったそうです。このお金を我々のような恵まれない町にまわして、道とか作ってくれればいいのにと思いました。でも、パレードで披露していたミサイルはイランに売っているミサイルだそうで、そう考えるとお金の循環ができているからまあ良いのかもしれないですね!

写真は攻めてる表現者を集めるundergrowthのサイトより、peace Tolstoy。

Friday 9 May 2008

戦争に勝つ


戦勝記念日というのはこれは日本にない習慣で、どんなものか興味がありました。
5月9日は第二次大戦でドイツに勝利し、ソビエト連邦にとっての大戦終結を意味するという解釈のようです。日本の終戦記念日に値する祝日です。

大掛かりなパレードがロシア連邦全土で行われました。昨日首相に就任したばかりのプーチン様の演説なども勿論ありました。

ここカムチャツカでも(比較的)大掛かりなイベントが行われ、戦時中の兵器を展示して子供達は大喜びで戦車に登ったり一緒に写真を撮ったりしていました。

天気もとても良かったので、海と戦車を見ながら何組のも団体が外でブロックパーティをしていました。戦争に勝った日なので酒がうまいとの事です。
たしかに、浦和レッズが勝った日の酒はおいしいので同じなのでしょうか。

僕は外国人なので、人々は皆、今日はどんな記念日なのかを丁寧に教えてくれます。皆ロシアという強い国の国民である事を誇りに思っているようでした。

テレビでは多元中継でロシア連邦各地の様子が流れています。コンサートや首相の演説、戦車やミサイルなどの最新兵器を並べたパレード。

テレビ中継の合間には戦争の歴史を挿入するカットもあり、如何に大変な思いをして勝利を勝ち取ったのかを国民は再認識しています。
困難を乗り越えての戦勝というものはその後何十年も語られて然るべきものです。

戦勝記念日の2日前には丁度大統領の交代及び新首相の誕生記念式典がかなり派手に行われていました。大好きなカムチャツカビールを飲みながらテレビ中継で見ていましたが、時差の関係でこちらでは夜の7時からの中継というかなりいい時間帯でした。テレビカメラもかなり凝った撮影で、何台ものカメラを使い、空撮、クレーン、CGなどを利用して何だかハリウッド映画を見ているような気分になりました。

新しい大統領の誕生を国民は祝い、そしてそれ以上に、経済成長など、数多くの功績を残して来たプーチン大統領が退任するものの、首相として影響力を持ち続ける事を国民は祝っていました。

数時間にも及ぶ大規模な就任式の直後の戦勝記念日で、国民は「愛国心」というものを再認識します。ロシア連邦自体の歴史は20年に満たないものの、ソビエト連邦も含むロシア人の歴史は長く、その民族としての誇りは忘れてはならない物です。

その愛国心の下に強敵と戦い、たくさんの犠牲の下に勝利した大切な日なのです。

自分自身がこのような所謂戦勝国の終戦記念日というものを体験する機会がなかったので、他の戦勝国の記念式典がどのようなものかはわかりませんが、少なくとも5月9日にロシア全土で行われた物からは、平和というものを感じませんでした。

終戦記念日は同じ過ちを繰り返さないため、もう一度当時の過ちを振り返るものだと解釈しています。
そこには戦勝国も敗戦国もないはずです。戦争に勝ったか負けたかは無意味な結果であって、内容は殆ど同じはずです。ならば、戦勝国の役割とは何なのでしょうか。

大戦終結から60年以上が経過し、日本も含めた各国は戦争の虚しさや平和の意味を忘れ始めているように見えます。

勇敢に戦って亡くなった兵士の奥さんというお婆さんが英雄としてインタビューされていました。その兵士は何の為に戦い、亡くなったのでしょうか。ロシアの強さを世界に知らしめる為では無いはずです。

大規模なものも小規模なものも、戦争は戦争であり、終戦記念日といってもかなりの数の国で今でも戦争が行われています。

戦争が世界から無くなるという事はやはりないのだろうと思いました。

写真はレーニン先生に向かって叫ぶ女子と抱き合うカップル。ビールを飲むオジさん。

Monday 5 May 2008

Zenit in the UEFA cup final!


UEFA杯を勝ち進んでいるレーニングラードに本拠地を置くゼニトですが、敵地ミュンヘンでの試合を1−1で引き分け、ペトロスキースタジアムにバイエルンを迎えました。第1戦はオウンゴールでのラッキーな引き分けで、ゲーム自体も殆ど支配されていたため、ホームアドバンテージを活かしたところでこの第2戦を勝利できるかはちょっと疑問でした。
しかし序盤にFKを直接決めて先制したのはゼニトでした。ここから怒ったバイエルンが猛攻を開始するわけですが、チャンスをことごとく物にできません。試合自体はバイエルンが圧倒的に支配しているように見えるものの、なかなか決められないでいるうちに追加点。後半もバイエルンは猛攻にでるものの、気が付いたら4失点の4−0でゼニトの勝利。

まさに現代のレーニングラード攻防戦です。バイエルンの選手なんて知ってる人ばっかなのに対して、ゼニトの選手はロシアに来るまで全員聞いた事もなかった人です。そんなメンツでバイエルンを叩くというのはなんとも良い物ですね。
カップ戦だからとか、バイエルンも本気ではなかったみたいな話をする人もいますが、バイエルンは完全に勝ちに来てました。というか、カップ戦を捨てているなら予選突破などしないでしょう。フィオレンティーナもバイエルンも、本気で負けてのです。
レッズと提携しているバイエルンを応援するのは我々の筋ではありますが、会社と会社の話なので関係ありません。
それにしてもゼニトの決定力は高い。試合自体は殆ど支配されていたにも係らず、チャンスを逃さないそのスタイルはレッズも見習ってもらいたいものです。
相手のミスを自分のチャンスに変えたとたんに全員の意思が統一しているようにも見えました。

とはいえここはカムチャツカなわけで、テレビ観戦です。
嬉しかったのは次の日にたくさんのニュース番組で特集を組んで試合結果を伝えていました。中でもVestiでは、レーニングラードの1日をドキュメント形式で流していてとてもよかったです。パブで観戦するサポーター、スタジアムに向かうサポーター、試合後の夜の町。。。
ナビスコ優勝、リーグ制覇、ACL優勝の自分の1日を再び振り返る切っ掛けとなり、色々と考えましたが、いやしかし、勝利ってのは良いものですね。
レーニングラードは朝まで大騒ぎだったようです。

が、決勝進出を決めたのはクラブ史上初の快挙とはいえ、もう1試合残っています。14日の決勝戦はマンチェスターで行われます。フェイエノールトがUEFA杯優勝したとき以外、こんなカップよりも天皇杯の方が興味あった訳ですが、ロシアに住んでるためにゼニトサポーターでない僕もちょっと夢中になっちゃいますね。
レッズがACL決勝に進んだときの特段レッズサポではない人達の気持ってこうだったのかなあと思います。

Wednesday 30 April 2008

雪解け



EU諸国からの観光客と話す機会が先日あり、町の感想などを伺ったところ、「汚い」と言われました。
僕もそう思います。この町で道を歩くのはゴミの上を歩いているようなものです。

最近はようやく雪が溶けて路面が現れたのですが、その路面がもう雪解け水とゴミと泥と糞尿で核戦争後の近未来のようになっています(写真1)。
舗装されている道路も舗装の仕方が不十分のために穴が空いたり壊れたりしています(写真2)。そして排水溝を作っていないために、雪解け水が氾濫するという事態を招いているようです。この水を無くすには、土が水分を吸ってそこを太陽が照らして乾燥させるという段階が必要になって来ます。

ゴミの問題も大変なものです。ゴミ箱が多数設置されていないので、ゴミ箱にゴミを捨てるという感覚があまり普及していないようで、その場に放り投げる事(ポイ捨て!)も特段問題視されていません。
勿論家庭ゴミを捨てるゴミ捨て場はあります。ゴミの日というのは特になく、分別も必要ないのでこちらとしては楽です。分別しないゴミを収集車が集めて、それを40kmほど離れたゴミ集積場へと運ぶそうです(未確認)。その後の処理方法については今後確認しようと思っていますが、焼却技術はかなり低いレベルのものだそうです。

また、排水処理もかなり粗悪なもので、町の中心に位置するアヴァチャ湾へ地下からパイプを流し込み、そこから海へ直接排出するという処理方法です。なので湾内の水質汚染が徐々に深刻化してきています。

このような現状を見て、海外からの観光客は(当然ですが)悪い印象をうけるようです。観光業はこの町のメイン産業の一つなので、統一ロシアさんには町の美化に力を入れて欲しい物です。今回当選した議員の先生たちの公約にも町の美化や道路の整備という公約があったそうで、市民もそれを望んでいるという事なのでしょう。道を平に維持できない国に経済発展はないと言いたいです。
廃棄物処理や道路の舗装を強化する事によって町の美化や雇用の拡大、観光業への影響など良い事ばかりです。統一ロシアさんは軍備やガス網など、無駄なものにお金を費やしていないでこういうレベルの投資をする事が後の経済発展に繋がるという点を理解するべきです。

町を歩いていて上を見上げるとフジ山よりも大きな火山が3つも見えて、どのポイントからも海が見渡せる町の景色は本当に素晴らしいものです。この自然を守っていくのが、ここの住民達とロシア連邦の一つの課題でもあると思います。

Sunday 27 April 2008

Louis Vuitton vs Darfur


Louis Vuitton is suing a charity initiative supporting Darfur!

Louis Vuitton demands $ 24030.76 in daily fines if the Darfur supporting project do not stop the sale of their t-shirts with a poor black boy with baloon stomack and a designers bag and a Paris Hilton dog under his arm.

They claim the drawing is too close to their design, and will thereby shot down this non-profit initiative to support the poor people in Darfur.

What happened to the Freedom of Speach? And what happened to humanity??

The drawing tells everything about how low the world has come... And the act of Louis Vuitton tells everything about Louis Vuitton.

参照サイト↓
http://www.nadiaplesner.com/

デンマーク人アーティストのナディア・プレスナーさんをルイヴィトンが訴えています。
ダルフールへのチャリティとして売り出したTシャツ(写真1)の販売を停止してくださいとの事です。ルイヴィトンのイメージダウンに繋がるという事か著作権を気にしているのか。。。

しかしこの行為によってルイヴィトンは余計にイメージダウンしましたね。
市場原理主義の齎した考え方の一つという事です。

因にカムチャツカでは、ボードショップの宣伝用ステッカーなどでスポンジボブやシンプソンズのキャラクターなどが登場していますが、著作権を無視して制作しているみたいです。
ロシアで僕が大好きなMP3コレクションというCDも著作権は完全に無視していますね。そういう意味では僕も国際的には犯罪者。でもロシアでは大丈夫です。昨日もCREAMの音源をコンプリートしました。

作品の制作と著作権、そこに言論の自由や政治が絡んだら問題は大きくなるばかりですね。これを解決するのがモラルという言葉なのかもしれません。

Wednesday 23 April 2008

N.P.F.O!!


在留邦人の安全をまもるために、世界各国で日本総領事館は安全情報を提供してくれます。この情報は外務省のHPでも閲覧できます。
4月20日及び30日はネオナチの崇拝するアドルフ・ヒトラーの誕生日及び命日であり、この前後は外国人敗訴活動が激化する可能性があるので充分注意してくださいという内容の注意喚起がされました。

ロシアでスキンヘッドが台頭している事は有名ですが、この町にも多数見かけます。アジア人は少ないものの、コーカサス系の移民は多いため、その人達を標的にしているようです。まあスキンヘッドでない人達もこのような人種を平気で差別している感はあるのですが。

この「安全上のお知らせ」の特に留意する点というコーナーで目を惹いたのが2点です。

1:特定サッカーチームのレプリカユニフォーム等の着用は状況により極右団体やフーリガンの注意を惹く場合があります。
2:サッカーチームのサポーターやロックコンサート帰りの若者集団や政治集会の現場には絶対に近づかない事。

1に関しては、どのチームのユニフォームを着用したら極右団体の注意を惹くのか知りたいものですが、浦和レッズのユニフォームだったらどうなのかという点のみ気になります。日本車大好きなロシア国民にはmistubishi motors と書いてあるので喜ばれそうですが。しかし赤いから「このコミュニストめ!」と言われてしまうかもしれません。

2に関しては、サポとロックファンと政治活動家を同列で考えているという点が面白いと思いました。この3種類の人種は民族主義を掲げている例よりもむしろその逆の場合が多いと思いますが、実際はどうなのでしょうか。音楽とスキンヘッドの関係性も様々ですが、特にパンクロックの持つアナーキズムとスキンヘッドの民族主義をよく分析もせずに同類として考えられてしまうのは悲しい限りです。一致する場合も勿論あるのですが、そうでない場合の方が多いです。

しかしやってる側にも問題はあります。例えばバスの中の落書きなどで、punks not dead の隣に、同じ人が書いたであろう文字でwhite power なんて書いてあったりします。よっぽどコアにパンクロックを聴いてないとパンクからはそこの思想には辿り着き難いものなのですが、この町でそこまでコアな音源を入手できるとも思えません。

この注意喚起のとおりにそのような場所には絶対に近づかないようにしようと思います。こうやって民族間の隔たりというのは大きくなっていくものなのだと知りました。

写真はDead Kennedys のNazi Punks Fuck Off!! US版シングル。かっこいいジャケットです。

Monday 14 April 2008

インテルネット復活

インテルネットがついに自由に使えるようになりました。この修理までの過程がとても楽しかったです。

吹雪の後にネット回線が故障し、サーバー会社からは修理をするとの報告を受けていたのですが、当初の1週間以内という約束も先送りにされ続け、6週間が経過しました。これ以上先送りにされては困るのと、自分のロシア語力では埒が明かないためにロシア人に依頼して会社とやり合ってもらう事に。何度も電話をかけたものの、電話の対応も酷いもので、「モデムの使い方を間違えているのでしょう」、「電話線をどこに挿していますか?」、「マックではインテルネットはできません」などの対応を受けて、それはないでしょうとサービスセンターへと出向いて今一度事情を説明。

対応してくれた若い男性は、とても面倒臭そうに話を聞き、「家の電話番号は何番だ」と聞くので伝えると、手元のPCをカタカタと5秒ほどいじり、「もう直った」。

ビックリしました。その後、どういう事だとか色々と聞いても、「もう直ったから早く帰って確かめろ」以外には言わなくなってしまいました。帰宅してチェックするものの当然故障したままでした。すぐに連絡すると、「明日の朝になれば直る」と言われ、当然のようにこれも嘘でした。さらに電話を続けると、「昨日の夜中にあなたのアカウントの料金が無くなりました」。驚きです。使えていないのに料金が無くなるなんて、凄いシステムです。苦情も無視され、サーバーも1社しかないために料金を支払うものの依然として改善されないために更に電話。「回線が壊れているので専門家の派遣が必要です」との説明を受ける。それを最初から言っていたはずなのにと思いながらも早くそれを派遣しろと言い、数日待ってようやくおじさんがうちに「こんにちは」と言ってやって来て、部屋の外にあるアパートの電話回線を修理して完全に修復されました。

これこそが社会主義体制を長年貫いて来た後に急に資本主義へと転向した国の首都から最も遠い町のサービスかと思うと、自分もなかなか良い経験をしているなあと、日々実感しております。

Wednesday 2 April 2008

fitna the movie


最近の報道関係ではNATOサミットと北京オリンピックボイコット関連が大半を占めていますが、各国でもう一つ今大きな話題となっているらしいこのFITNAという映画に関しても報道されていました。
FITNAの詳細に関しては下記の記事等を参照してください。
http://www.varietyjapan.com/news/movie/u3eqp30000038zy2.html

オランダ国内では北京オリンピックボイコット関連と同じくらいの大きさで扱われているそうです。日本のネットメディアでの扱いは若干少ないように感じます。
VESTIというロシアのニュースメディアでも取り上げられていました。しかし扱いはあまり大きくありません。通常のテレビ放送で1度取り上げられていただけでした。
取り上げ方もネットメディア界での話題を提供する3分程度のコーナーで扱われていた感じで、ニュース性をもったものではありませんでした。因にこのコーナーでは以前ネットを通じて革新的な発売方法をとったradioheadの新作なども話題にしていました。

ロシアにおけるイスラム教徒は総人口の2割近くになるそうで、コーカサス地方の民族が中心になっているそうです。
ロシア連邦内で共和国を形成している国が殆どで、ロシアでも大都市の部類に入るカザンもイスラム教を国教とするタタールスタン共和国の首都です。近年のプーチン様のコーカサス政策の一環などもあり、ロシア政府はイスラム勢力に対してかなり警戒しているようです。実際これだけのムスリムがロシア国内に居住しているとなると、ロシアのメディアもこのFITNAに関するニュースをもっと多く配信するべきかとは思いましたし、どこかの町で抗議運動が起ってもおかしくないとは思うのですが、そのようなニュースはここには入って来ていません。

カザンのフットボールチーム、「ルビン」はリーグ発足当時からの古豪だそうで、1stデヴィジョンに落ちた事も殆どないそうです。ロシアンプレミアリーグ16チームの中に、チェチェン共和国のテレクとともにイスラム勢として参戦しています。
ロシア国内では他宗教がうまく共存できていると考えている人が多いのですが、結局独立する事のできない共和国や差別問題、90年代以降の紛争などを見ていると共存とは程遠いものを感じてしまいます。

話を戻してカムチャツカに繋げると、このfitanaという15分の短編映画はコーランを痛烈に批判している内容との事で、3月27日にliveleakというヴィデオニュースサイトに登録され、30日に削除されました。
僕はこの存在を知ってから見たくて見たくて毎日試していたのですが全然繋がらず、気が付いたら削除されていてイライラしましたという話です。一瞬これは政府の陰謀で見せないようにしているのだなどと考えましたが、単純にカムチャツカのサーバーが弱いからです。
しかし15分もの動画を見たとすると、請求される金額は途方もないものになる可能性も高かったので、まあ知らなかった事にすればいいやと思い、こうやって自分も何重かの情報操作の下に生きているのだなあと実感しました。

Tuesday 1 April 2008

コーカサス誘拐事件


ソ連映画の傑作を日本語で紹介します。傑作といってもタルコフスキーや初期のソクーロフのような本当の傑作ではなく、あまり海外流出してない大衆映画を対象とします。

кавкаская пленницаという映画、英語でのタイトルはkidnapping caucassian styleとなっています。海外セールスはアメリカでのビデオセールスのみのようです。
67年モスフィルムの制作で、監督はイワンワシリビッチと同様、レオニードガイダイという人です。

民俗学の調査のためにコーカサス地方を訪れたシュリック(大学院生?)は、綺麗な女子と恋に落ちる。しかしその女子は、彼女の叔父によって地元のギャング組織に身売りされていた。ギャングの手先が女子を捕まえようとするものの何度も失敗するため、困った叔父は女子とデートしているシュリックに近づき、「コーカサス地方の伝統では、自分の好きな女子を誘拐させるものだ」と言い、それを鵜呑みにしたシュリックは誘拐の手助けをする。というアホな内容です。

かなり面白いです。ロシア人の間でも大人気の映画らしいです。コーカサス地方とは、ロシアの西側、黒海とカスピ海の間でイランやトルコと国境を接している地域です。日本人にとってはコーカサス山脈やコーカサスヨーグルトで馴染みがあり、力士の黒海や露鵬もこの地域の出身です。国でいうとグルジアやチェチェン、ダゲスタン、アルメニア、アゼルバイジャンなどの辺りです。なので現在のロシアとは住んでいる人種が全く違い、宗教もイスラム教徒が中心となっています。ソ連時代にはコーカサス地方として一括りに考えられていたようで、同じ国なのに殆どロシア人しかいないここカムチャツカとは住んでいる人種が全然違うというのはちょっと他の国の人間には想像し難い状況かもしれません。また上記の国名を見てもわかる通り、ソ連崩壊後は民族間/対露紛争の絶えない地域でもあります。なので現在ここカムチャツカにおいては多数の人間がこの地域を嫌っている印象を受けます。しかしこの映画を見てもわかるのですが、ソ連時代は比較的普通にロシア人とこの地方の人間が交流していたように思えます。何となくの印象ですが、年配の人達はあまりロシア人以外の人種に対して違和感を感じていない気がします。ソ連時代は巧く共存できていたという事かもしれません。

この映画もその例で、同じ国の中のコーカサス地方の習慣を冗談として扱うと同時に、この地方の美しい部分も表現しています。60年代ソビエトの平和な雰囲気が凄く伝わってくる上質なコメディ映画です。ブレジネフ書記長時代のソ連は、他の国には冷徹な社会主義国家という印象しかなく、丁度それは現在日本人が朝鮮民主主義人民共和国に対して抱いている印象と同じようなものだと思いますが、本当にそのような状況であればこんなに面白い映画はできなかっただろうと思います。作品の検閲は相当に厳しかったと聞きますが、その限られた中での表現が作家の想像力を奪うのではなく逆に大きくしている印象も受けます。

それにしてもこのレオニード・ガイダイという監督はいいです。新しく好きになった監督です。この人の映画にいつもシュリックという名前で主演しているアレクサンドル・デミヤネンコという人も間抜けな感じで良い。ゴダール先生とジャンピエール・レオーのコンビに匹敵するくらい気に入っています。

Monday 31 March 2008

3月のネット事情


2月27日〜3月2日にかけての猛吹雪の影響で、1ヶ月以上ネット環境が不安定な状態が続いています。

インターネットの接続が1日のうちに合計3時間程度しかできません。また、このブログや、ウェブメールなどのログインが必要なものは滅多にできない状態です。簡単なページ(例:浦和レッズについて議論する掲示板等)でも開くのに5分以上かかり、凝った作りのページ(例:ヘラルドトリビューン等)に至っては数分かかった挙げ句に表示されません。
しかもここで不愉快なのが、以前にも書きましたがここのDSLのシステムは表示した情報料によって課金されます。前払いで金額を支払い、支払っておいた金額が無くなると同時にネットが使えなくなる訳ですが、リクエストしたページが表示されない場合、「safari can’t find network」、「you are not connect to the internet」などの表示がされてそして、あろう事かそのリクエストに費やした通信料という事で金額は請求されます。なので何もできずにイライラしただけで数百ルーブル請求されるという事態が発生しています。

自分だけではなく、影響を受けている家庭は他にもたくさんあるそうです。
なぜこのような事態になるのか。この町にはプロバイダー会社が1つしかないため、サービスを徹底する必要がないという事です。

折角民主化だの市場開放だのと言っているのに、これでは社会主義の国営システムと何も変わりません。
しかしこれこそが正に民主的な社会主義国家なのかもしれないなどと考えてもみますが、ここまでイライラするだけのシステムでは良い国家システムとは思えないです。

因にネットの料金は、メールのチェックや浦和レッズの情報や各国のニュースチェックという程度ですが、月額2000ルーブル近く請求されます。これは日本円にして約1万円であり、平均月収6万円のこの町においてはかなり高額です。日本の平均月収を20万円とすると、1ヶ月に3万円以上支払っている計算になります。こんなに支払って使い放題ではありません。それでいて転送速度も40kb/sec程度なので、ストレスは溜まります。

自分もネットに依存している人間だったと言う事が良くわかりました。

写真は最近購入したMP3コレクション、the pixiesの3rd。全然関係ないですが。今までpixies好きだとか言っておきながらgiganticという曲くらいしかまともに知らなかったのですが、これでバレないように全ての曲をコンプリートできました。

1万円近く支払ってネット環境は悪くてもpixiesは600円でコンプリートできるという事になります。

Monday 24 March 2008

戦うキャプテン


フットボールを愛する人間がこの町にはあまりいません。理由としていくつか考えられますが、チームが無い事。豪雪地帯である事。そしてテレビ中継が観れない事などが思いつきます。

チームがないというのは、ロシアンプレミアシップリーグに参加しているチームがないという意味です。地元にはバルカンFKというチームがありますが、このチームはプロではなく、年に1回か2回しか公式戦は行われません。なのでファンが付くわけもなありません。
プレミアシップに参加できないのは経済的・地理的に殆ど不可能という事です。モスクワまでの距離と時差を考えると内陸部の数十倍の予算が必要でしょう。2000人収容のスパルタークスタジアムというのも一応ありますが、ここが満員になっても収入などは大した助けにならないでしょうし、大規模なスタジアムを建設したところで損害の方が大きいでしょう。

豪雪地帯という事で、スポーツといえばなんといってもスノーボードが盛んです。町のなかのちょっとした丘でたくさんのボーダーが日々練習に励んでいます。ロシア国内からもたくさんのプロボーダー達が集まって来ています。無料でいつでも好きな時にスノーボードが楽しめる環境というのは、都会ではちょっと考えられない事であり、よくわからないですが雪の質も良いようです。イメージとしては、スケボー感覚でスノーボードをやっているという感じです。そして夏にはスケートボーダーがかなり多く、しかも皆、巧い。驚く程に。小学生くらいの子供でもかなりのレベルで、今までスケートカルチャーの根付く町に何度か滞在した経験から見てもレベルは高いと思います。なのでフットボールに興味がいくという感覚ではないのでしょう。

テレビ中継が観られないというのは、正確には観られるのですが、何しろ時差が中心部より9時間もあるので、日曜午後のリーグ戦の試合は夜中の1時から始まるという具合です。広い国土なのでその辺を考慮して土曜日を中心に試合を行うなどしてくれればまだ良いのですが、基本的には日曜の16時周辺のキックオフであるためにこの時間帯になってしまいます。なので好きになるチームが自然とできない仕組みです。ケーブルTVに加入して近所のルチ・エネルギア/ウラジオストックの試合を観戦するという事さえできません。これができれば時差は僅かに2時間なので何とか楽しめるのですが。

なのでフットボールファンは頑張って夜中にゼニトの試合をみています。ゼニトは昨年のチャンピオンチームで、皆さん大好きなガスプロムがスポンサーであるためにその金満ぶりを発揮して有名選手を金で集めたり、TVの放送も殆どがこのチーム中心です。まあそれがフットボールなのでそういうクラブがあるのは良い事だと思いますが。因に我々浦和レッズは独立採算制を採用していて、大規模な親会社が資金注入!というスタイルではないです。

昨年よりゼニトに加入しているアナトリー・ティモシュック(写真)は、ドネツクより移籍金23億円で獲得しています。こんなに払うのならもっと良い選手がいるだろうと思いますが、よくわかりません。しかしこのティモシュックはかなりいい選手です。闘志剥き出しでチームの中心部に位置しています。中央から攻めるならばセンターラインから彼を越える事が中々できません。試合中も大声で指示をだしている感じで、理想のキャプテン像です。今のレッズにはこのような選手が必要だなあと観ていて思います。
昨日の試合もFKモスクワ相手に殆どゲームを支配し、2−0の勝利で試合を終えていましたが、チャンピオンチームの戦いを観た気がします。

豊富な資金源を背景に力を付けたチームといえば誰もがイングランドプレミアのチェルシーを連想しますが、資金源のアブラモビッチ先生はカムチャツカにほど近いチュコチ出身。チュコチの小学生をアエロフロートで試合に招待したりして良い顔しているようですが、そんな事しないで極東ロシアに強豪チームを一つ作ってくれればいいのにと思います。
金があってもやらないという事は、メリットが無いということでしょうが。

世界は金であり、フットボールもまたビジネスであります。市場万歳!

この町の発展のために、まずはフットボールチームを。世界中の良い町を一つでも思い浮かべてみてもらうと、必ずそこにはフットボールチームがあるはずです。

Friday 14 March 2008

プレミアリーグ開幕


本日よりプレミアリーグが開幕します。Jリーグと違い、対戦カードは抽選で決められます。
今年もモスクワの4チームとゼニトが優勝を争い、地方のチームにはチャンスがないようですが、今シーズンの開幕カードはソビエトフVSテレクFCという組み合わせです。テレクFCは今シーズンよりプレミアに昇格しました。

このチームの本拠地はグロズヌイ。チェチェン共和国です。

チェチェン共和国についてはロシア以外では多数の情報が入手可能であり、昨年日本で大流行りしたリトビネンコ暗殺事件に直接係って来る内容なので、その辺は大富亮さんの「チェチェン総合情報」というサイトを参照してください。
http://chechennews.org/index.htm

歴史を遡ればきりがないのですが、特にここ20年近くはロシア政府から酷い制裁を受け続けてきたチェチェン共和国の首都グロズヌイに本拠地を置くチームであり、その経済/軍事制裁の内容を考えると「よくプレミアに上がった」と泣きそうになります。
FCバルセロナVSレアルマドリッドはフットボールを越えた民族の誇りを懸けた試合であるというのは有名な話ですが、もしかしたら思いはそれ以上のものかもしれません。

テレクにとっては全試合が敵国との戦いです。交戦中の国のチームと毎週1回サッカーの試合をやるようなものです。
サポーターにとっても、人種差別を受け続けて来た中で初めて平等に戦える場所が整ったという事になります。スタジアムでは思う存分自分達を主張して欲しいと思います。
2万人収容の新スタジアムも建設したそうですが、ユニフォームを見る限り胸スポンサーがありません。

テレクにはチェチェン人だけでなく、ロシア人もプレイヤーとして在籍しています。彼等にもまたサッカー選手としてだけではない任務が課せられていることになってしまいます。逆に言うと、彼等にはチェチェン人に対するこの無条件差別を止めさせる力があるという事です。彼等が良いプレーを全国に向けて見せつける事で、ロシアの人達の考えを変える事ができます。
プレミアリーグ最東端のウラジオストクとの時差は9時間、距離にして9000キロもあり、移動にかかる経費も含めて大変な事になると思いますが、まずはプレミア残留を目指して頑張って欲しいものです。

グロズヌイのチームがプレミアリーグに残留しつづけるという事には大きな意味があると思います。


そして先程終了した試合結果は3−0でテレクの完敗でしたが、満員となったスタジアムやチケット争奪戦の様子を映像で見ているとその意味を感じます。

Tuesday 11 March 2008

GAZPROM


最近気が付いたのですが、ガスプロムのTVCMが変わりました。というか、元に戻りました。戻ったというのは、選挙期間前に流れていたものに戻ったという事です。

記憶が確かかはわかりませんが、2007年12月までは2種類のTVCMが流れていました。「夢は実現しますよ」みたいなテーマのもので、10歳くらいの男女がテレビでフィギュアスケート・ペアの試合を見ていて、次のカットでは自分達がテレビの中にいるというものが1つ。いま1つも10歳くらいの男女がでてきて、悪い子供に絡まれる男子を守るために女子が柔道を練習して悪い子供を懲らしめるという内容のものです。

そして2008年の1月から極めて民主的な選挙の行われた3月2日まで流れていたTVCMは、ロシアという壮大な国土では様々な人達が幸せに暮らしている。これもガスを始めとしたインフラストラクチャーが充分に整備されているからである。幸せそうな国民の笑顔が映り、最後にはプーチン様が演説しているシーンがコラージュし、ガスプロムのロゴが大きくフェイドインしてくるというものです。

このTVCMを見た時に、これでは政党のCMと何も変わらないなあと思いましたが、選挙終了後に元のCMに戻すなんて、それを証明しているような物ではないですか!と思ってしまいました。

国民にとってガスプロムとはどのような存在なのか気になります。国営と民営の悪い部分を併せ持っている会社のようにも見えます(あまり詳しくないのでわからないですが)。
チャンピオンズリーグやUEFAカップにも出場しているゼニト(サンクトペテルブルグ)のメインスポンサーでもあるのですが、こうなってくるとゼニトを素直に応援できなくなって来てしまいます。

学生にガスプロムについてどう思うかをエッセイに書かせようとしたところ、「カムチャツカにはガスがありません」との事でした。それもビックリですね。

Sunday 9 March 2008

Невероятные Приключения Итальянцев в Росии



ソ連映画の傑作を日本語で紹介します。傑作といってもタルコフスキーや初期のソクーロフのような本当の傑作ではなく、あまり海外流出してない大衆映画を対象とします。

標記の映画、映画でのタイトルは「unbelievable adventure of italians in russia」となっています。
74年、モスフィルムの製作で、監督はエルダー・リャザノフ、フランコ・プロスペリという2人の共同監督です。
ローマの病院で一人の老婆が息を引き取る際、孫娘に「レーニングラードに宝を埋めた」と言い残す。病室にいた全員がその情報を聞き、皆でレーニングラードへと向かう。そこにソ連の警察からの潜入捜査官が宝探しに参戦するというストーリーです。

前半15分程はイタリアでのシーンなのでイタリア人監督も共同しているようですが、何故か出て来るイタリア人が全員流暢なロシア語を話します。公園で寝ているホームレスのおばさんなんかも、ロシア語を話します。
6人のイタリア人とロシア人の潜入捜査官が邪魔をし合いながらお宝を探す訳ですが、そこに本物のライオンまで混ざって来るというサイケな内容です。ロシアンカーLADA2台によるカーチェイスなど見せ場が盛りだくさんですが、中でも最高にサイケなのが、ライオンから逃げるために全員が巨大マトリョーシュカの中に入ってマトリョーシュカがことこと逃げるシーンです。坂道を何体ものマトリョーシュカが転がって行くシーンもあります。どんな状況でもマトリョーシュカは常に笑顔なのが最高です。

70年代レーニングラードの町並みが凄くきれいに映っているのでそれだけでも見る価値があると思います。見ていて都会に憧れました。

Thursday 6 March 2008

Иван Васильевич Меняет Профессию



ソ連映画の傑作を日本語で紹介します。傑作といってもタルコフスキーや初期のソクーロフのような本当の傑作ではなく、あまり海外流出してない大衆映画を対象とします。
標記の映画、「ivan vasiliebich changes his profession」→「イワン・ワシリビッチの転職」

1973年、モスフィルムの制作です。監督はレオニード・ガイダイという人です。
73年、モスクワ。ハカセのシュリックは、アパートの一室でタイムマシーンを開発していた。実験が成功しようかというところに、管理人のイワン・ワシリビッチ、泥棒のミロフスキーが入って来て、アクシデントでこの2人は16世紀へと送られてしまう。かわりに16世紀のモスクワからはもう一人のイワン・ワシリビッチ(雷帝イワン)が送られて来る。ハカセが壊れてしまったタイムマシーンを修復している間、16世紀に送られたイワンはその雷帝としての生活を楽しみ、20世紀にやって来たイワンは近代的な生活を楽しむ。

という内容のコメディですが、最高です。まずオープニングがもう最高級にかっこいいです(以下youtubeリンク)。

http://www.youtube.com/watch?v=d5AOgMfVizQ

このオープニングの興奮で最後まで引っ張ってる感じがしました。サイケでクールとは正にこの事でしょう。クールだからサイケなのかサイケだからクールなのかわかりませんが。とにかくソ連映画に多いこのサイケっぷりはたまりません。黒地に白の大きいフォントをつかてるところもカッコいいです。イワン・ワシリビッチは上記の通り、日本では「雷帝イワン」として中学の世界史でも勉強する有名人です。残忍/凶暴な事から「雷帝」といわれたそうです。登場する2人のイワンは1人2役。これもイカしたコメディの基本要素です。

ところでこの「イワン」という名前は、数年前まではトルストイの名作「イワンの馬鹿」のせいでバカにされる対象だったそうです。つまり、イワンという名前の男子は周りからイワンイワンと揶揄されていたそうです。そして時代は変わり、何があったか現在は「ワシリー」という名前がその代わりを担っているそうです。つまり、イワン/ワシリー供にバカといって虐められる対象の名前と言う事です。

英語版のタイトルはなんと「Back to the Future」だそうです。タイムマシーンものということで英語で考えたらこの名前になるのは当然なのかもしれませんが、もしかしたらマーティ・マクフライ主演のback to the futureも、何かヒントを得ているかもしれないですね。映画の雰囲気もビルとテッドの地獄旅行みたいでかっこいいです。

それにしてもソ連の映画は全てエンドロールが無い。昔の映画のようにスタッフロールがオープニングに来ています。これがトータルデザイン的にもかっこよく、エンドロールが無いので「終わり」の一言でブラックアウトする瞬間的な世界の切り替わりが非常にカッコいいです。何か決まりでもあったのでしょうか。詳しい人いたら教えてください。

Wednesday 5 March 2008

MP3 Collection



ロシアで販売されているCDは殆どが海賊版のCDであり、中でも凄いのがMP3コレクションというCDです。
MP3のデータを1枚のCDに纏めて店頭で堂々と販売しています。オーディオCDではないので1枚のCDの中に大量の情報を入れる事ができます。なので1枚のCDを購入すればそのバンドがコンプリートできるという訳です。
例えばRadioheadのMP3コレクションを購入するとPablo haoneyからhail to the thief まで全ての音源が揃うというシステムです。価格は150ルーブル。日本円にして700円程度です。

アップルストア等の市場原理主義戦略に挑戦するかのようなシステムです。

しかし揃えられているバンドはやはりもの凄くメジャーなもののみ。例えばDeep Purple やGuns n Roses などのラインです。なので最新の音楽やセンスの良いものは勿論揃わない訳ですが、日本では中々手を出し難いクラシックロックのコンプリートが気軽にできると判断し、勉強に励む事にしました。この街でもこんなCDが手に入るよ!という紹介も兼ねて購入したものを書いて行きます。

まず最初は、最強のダンスグループ「DSCHINGHIS KHAN」。
日本版の名前は「ジンギスカン」です。収録されているのは79年のデビューアルバムから2000年のリミックスまでです。
このデビュー作はかなりの名盤でしょう。「目指せモスクワ」、「サムライ」、「ジンギスカン」、「ハッチ大作戦」等、殆どの曲が世界的にビッグヒットしています。
「サムライ」なんて、サムライって言ってるのに曲調が中国風なところとか、本当にセンス良いです。
曲の冒頭が”母さんチョップ”と聴こえる事で有名な「ロッキングサン」なんてB面曲らしいけど最高のクオリティです。
ちなみにこの”母さんチョップ”は、ロシア人にとっては”カザチョーク(カフカース人)”だそうで、ロシア人もネタにしているそうです。
そして気になるのは99年に発売されているリミックス盤ですが、曲名に「Moskau99 (Rap ver ft.LTC)」とか書いてあります。激しいラップでジンギスカンについて何か言ってます。

聴くだけで笑顔が自然と湧き出る音楽ですね。

このようにして日本ではコンプリートするのにそれなりの金額を支払わなければならないものが気軽に手に入り、近代音楽史を勉強できるのはとてもいい環境だと思いますが、このようなCDを販売する事が違法では無いなんて驚きです。

やはりもう音楽家の収入はディスクではなくパフォーマンスによるという社会に変化しているという事でしょうか。

Tuesday 4 March 2008

戦う民衆


新大統領が誕生しました。
得票率70%を越えるなんて、異常ですね!

さて、「おかしいのではないですか」という抗議も起っていたようです。さすが、国土が広くその分人間の種類も多いだけの事はあります。国内主要メディアに目を通した感じでは見出し扱いしているところは無かったように思いますが、EURO NEWSという欧州4カ国の合同制作によるニュース番組(ロシアも含む)ではしっかりと報じてくれていました。

モスクワで選挙結果に対する抗議集会が開かれ、300人程の警官を動員してこれを抑えたそうです。
プーチン様によって出馬を取り消された元チェスチャンピオンのカスパロフさんもペテルブルグでの集会に参加。「これは選挙ではない」とのコメントを発表したそうです。「権力に対する疑問はクレムリンの人間によってではなく、民衆によって解決しなければならない」との事です。
その通りです。が、どうでしょうか。都会の人々がどう感じているのかは分りませんが、ここに住んでいると「権力」に対して疑問を持っている民衆がはたしてどのくらいいるのかと感じてしまいます。

選挙に不正など無かったと思います。実際に国民の7割が新大統領に投票したのでしょう。だから昨日の大統領選はしっかりとした選挙です。問題はその選挙を行うまでの様々なシステムです。メディアコントロールを始めとしたシステムを殆ど完璧に構築しているので、昨日のような結果が生まれたという事なのでしょう。選挙は選挙なのだけど、このような状況で行う選挙には意味が無いという事です。

テレビのニュース番組でも、この抗議集会に関しては殆ど触れられていなかったと思います。悪いお手本になってはいけないという事なのでしょう。

選挙の最中には赤の広場で大型ロックコンサートが開催されていたようで、テレビで中継されていました。統一ロシア主催のコンサートです。当然のようにそこにプーチン様と新大統領が登場して演説していましたが、後ろに楽器を構えたバンドが立っていたので、何だかこの2人がバンドのボーカルみたいに見えました。新大統領に至ってはレザーのジャケット着てたので尚更でした。ツインボーカルなのでヘヴィロックバンドだと思います。

Saturday 1 March 2008

平和な日曜の午後


本日は大統領選挙です。

国民投票で、極めて民主主義的に大統領が決められます。
有権者達は自分の意思に基づいて強い国ロシアに相応しい大統領を選び出します。

有権者達はパスポートを持って近くの選挙会場へいきます。
我々の地区は近所の火山研究所です。ソ連を感じさせる建物の中、階段を2階へと上がり、投票室へと繋がる廊下にでると候補者の写真が貼付けてあり、バックには何故か80年代のハードロックが流れていました。
入り口にはポリスが数人います。中に入り担当者にパスポートを見せます。するとそのパスポートの名前を書類の中から見つけ出し、例によって手書きでチェックします。チェックしたら投票用紙を受け取り、更衣室のようなカーテンの中へと入ります。そして候補者の中からドミトリーメドベデェフの欄にチェックをして、その投票用紙を外にある投票箱へと入れるというシステムです。
投票が終わると出口で暖かい紅茶とブレニーが振る舞われます。
そして皆、ブレニーを片手に、明日からの新しいロシアの誕生について喜びながら話します。

先日ちょっとした会話の流れで友人に、「大統領選挙は誰に投票するのかね」と伺ったところ、「勿論プーティン様ですよ」との返答が来ました。面白いと思いました。

風速40メートルとも言われるサイクロン直撃の中行われた選挙は、外の激しい天気とは対照的に、平和の象徴のような雰囲気でした。
同じタイミングで行われているアルメニアの大統領選挙ではその結果に対して激しい抗議が起り非常事態宣言まで出ていますが、ロシアの選挙は平和そのものです。

プーティン様とメドベデェフが並んで、「一緒に勝利を勝ち取ろう!」と書いてあるポスターを見る事ができるのも今日までかと思うと寂しい限りです。

Saturday 23 February 2008

戦う映画監督


コソヴォ独立に関するニュースが連日トップです。ロシア政府は、独立は国際法違反との理由でその不当性を訴えています。それによって我らがプーティン様はセルビアでもヒーローだそうです。

もう一人のヒーロー、戦う映画監督エミール・クストリッツァもベオグラードで演説しました。「コソヴォはセルビアのもの」という集会にアメリカから駆けつけたそうです。
彼の映画はどれも興味深い内容であり、直接的には触れない物の背景には常にバルカンでの紛争が存在します。
ムスリムの家庭で育ったボスニア出身という民族背景があるようで、セルビアの愛国主義者と言う事ですが、最近は名前もemirからよりスラビックなnemanjaに改名もしたそうです。

彼が何の為に音楽を始めたのか、何の為に映画を撮り始めたのか。純粋にロックと映画が好きであった為に他ならないのでしょうが、何故彼の映画が世界中で評価されるのかといったらその制作意識の中にある真実を伝えようとする心なのでしょう。
それを今まで自身の作品で充分に証明してきた人間の演説には、政治家や活動家、学者などには到底辿り着けない次元での説得力を持っていると感じました。
セルビア国内でコソヴォの独立をサポートしようとしている団体などには「裏切り者」という言葉を使い強いテンションで発言したそうです。彼の意見に賛成するかどうかは別として、ここまでの名声を得ている映画監督が映画業界では強い影響力を持っている国々とは反対の意見を公に述べるというのは、彼が何にも迎合せずに本当の意見を述べているという事なので、やはり非常に説得力があります。つまり、一つの意見として自分の中での判断材料になります。
セルビアの愛国主義者といっても彼が戦争を肯定している訳ではないという事は、彼の発表してきた映像で既に証明されているというのも大きいでしょう。
当然ですが、1つの問題に対しては様々な意見が存在する訳で、単純に「賛成」「反対」で片付けてしまうのは正しい方法ではありません。敵対している2つの都市で、それぞれを支持している国々の国旗を持って集会に集まっている様は、何とも奇妙に感じます。

クストリッツァさんの映画はしかし、どれも長過ぎて僕は苦手です。

Saturday 16 February 2008

BLP復活


以前このブログでロシアは比較的報道が自由に感じると書きましたが、その際の僕の意見として、インターネットでも情報が収集できるしテレビでも諸外国のニュースを積極的に報道しているために日本などの執拗にドメスティックな報道に比べたらとても自由だと書きました。
しかし情報収集の可能性と報道の自由とは、90年代までの話ならわかりますが現代においては全く関係が無い気もします。
毎日20分の海外ニュースプログラムがあるわけで、そのプログラムこそが中々いいなあと思う原因ではあったのですが、今更ながら20分の中に毎日の出来事の何を纏められるというのかという話です。とにかく、この程度のプログラムは海外情報誌と大して変わらぬ内容であるためにあまり参考にはならないでしょう。ネットですぐに入手できる情報を軽くテレビで流す事によって受け手がその背景への感心を高め、後にインターネット等で調べるという流れも期待できますが、大部分の場合はそのコンパクトに纏まった内容に満足して終わりでしょう。人生はそんなに暇ではない訳ですから。
それは当然として、最近やはり気になるのが3月2日に設定されている仮想選挙に関する報道です。選挙前には当然選挙報道が加熱するわけですが、ほぼ確定している次期大統領が立候補を表明してからというもの毎日テレビのニュースに彼の顔が出て来ます。どこそこに視察へ行ったとか、そういう類いのニュースです。しかし他の候補者はどうでしょうか。ロシアではこの第一統がメディアも確保しているという話を良く聞きますが、滅多に他の候補者の話は出て来ません。出てはいるのでしょうが、出演時間は平等ではないでしょう。しかも極めつけが、2008年に入ってから放送されている「ガスプロム」のTVCM。株式会社のCMですが、CM全体のヴィジュアルイメージは赤青白で、強い国家、幸せな家族、そしてCMのクライマックスにはプーティン様が登場します。これは全く、政党の宣伝と何ら変わりはないように見えてしまいます。
このような状況で決定した国家元首が今後最良のパートナーである首相とともに国を運営していく事に成る訳で、そこに喰い付こうとする他の政党の精神力というものは相当なものなのかなあと感じると同時に、何のためになどとも思ってしまいます。この状況をあと数年我慢して、いよいよという所で革命でも起こすのでしょうか。こんな時こそ、BLP(Beer Lover’s Party)の復活を期待します。無血革命ではなく、無悩革命を提案したいですね。
写真はテレビで熱弁するジリノフスキー氏

Wednesday 13 February 2008

日本の映画


学生約30名に日本の映画について知っている事を話してもらい、内数名に日本映画の歴史や特徴についてプレゼンテーションをしてもらいました。
歴史や有名な監督などについてはよく調べてくれましたが、日本映画の特徴となるとこれは自分で観ないと判断できないところであり、そのような環境にない彼等には少し難しかったようです。
黒澤監督や溝口監督辺りは西洋でも人気の基本監督とされていますが、やはりそれは映画好きの人達の間での話であり、一般的な大学生ともなると話は別です。この2名の監督など名前も聞いた事が無く、しかし北野武等は皆好んでみているようです。日本映画といえば、タケシの”座頭一”、そしてホラー映画の”リング”だそうです。感覚としては、日本人に「タイの映画といえば?」と質問すると、”オンバーク”や”アタックナンバーハーフ”等を想像してしまい、映画好きの間では有名な若手監督は名前も挙がらないというのと同じだと思います(作品の質では無く知名度という意味)。
西側諸国同様に、リングのヒットを皮切りに日本のホラー映画が流行り始めたそうですが、アメリカのホラーは単調だが日本のものは独特だという意見が多かったです。
リングを見たのが切っ掛けで日本に興味を持ったなどという意見もありました。どうなんでしょうか。

世界中どこでも映画ではやはりインディペンデントの地位は低いものですが、このような街ではメジャー映画以外は観る事ができないと言っても過言ではない状況もあります。それはロシア国内の映画であっても同じです。
しかし東京も含む世界中の一部の大都市ではシネマテークやミニシアターが盛んなものの、それは一部のマニア向けという状況はあると思います。
日本人は溝口監督作品を観ないし、ロシア人はソクーロフの映画は観ないといった感じだと思います。
しかしトランスフォーマーなんかは東京でもカムチャツカでも大ヒットというのも悲しいですね。トランスフォーマー大好きですけど。コンボイ司令官強いし(写真1)。主人公の男子がバンブルとの友情を通して人の為に自分を犠牲にすること学ぶし。
アメリカの大作はやはり偉大ですね!

Friday 8 February 2008

動画

動画貼付け方法を覚えたのでやってみました。
田舎に住んでたって、こんなに便利な事もできるっていう意味です。

representation of the intellectuals(2006)-Trailer

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Friday 1 February 2008

суверенная демократия



大統領の選挙も迫って来ていますが、もう誰に聞いても既に大統領という事になっているメドベデェフさんが大統領の課題を発表したそうです。テレビのニュースとインターネットの解説を読みましたが、よく分かりませんでした。
ロシア国家の最優先するものは、「市民の幸福」だそうです。
革命や大きな変革も起こさないそうです。
つまり今までと何も変わらないという事のようです。今のままでもここの市民の大半は、「自分達は幸せだ」と感じているので何もする必要はないです。勿論全員に話を聞いたわけではないのですが、現状に不満があっても、それは仕方が無い事だという意見以外あまり聞いた事がありません。
次期大統領は、大きな変化を起こす事なく、少しずつ国を発展させるそうです。
なんだかはっきりしません。
そこで、現政権のイデオロギー担当が考えたと言われる新しい主義が登場しました。

「主権民主主義」

凄いですよね。新しい主義。元々は暴動を抑える際に現政権が発し、ここ2/3年間よく登場している言葉だそうですが、ロシアのスタイルの民主主義だそうです。主権民主主義。どこに主権があるかによって何主義かは変わると思うのですが。
ロシア語標記で、суверенная демократия, 英語にすると sovereign democracy となります。sovereign とは、辞書によると「君主、統治者、支配者、主権者」と書いてあります。つまり、支配者によって齎される民主主義。英語で書かれた解説によると、
liberal democracy(自由民主主義)ではなく、managed democracy(管理された民主主義)との事です。

管理された民主主義という事なので、色々な事を管理したところで、民主主義である事には変わりがないということです。
しかもそれに対しておそらく多くの民衆は、「おお、これはロシア独自の民主主義で、アメリカに迎合する他の国とは違う!」などと考えているのではないでしょうか。この田舎町に住んでいるとそう感じます。

こうなってくると民主主義という言葉の定義が気になるので、国語辞典で調べてみると、
「人民が権力を所有し行使する政治形態。国民主権・基本的人権・法の支配・権力の分立などが重要とされる」(抜粋)。
国民主権であれば、管理されていても問題はないという事ですね。よかった。

Friday 25 January 2008

情報収集


インターネットは何の為に存在するのか。下記記事のコメントにもあるように、僻地で生活する人間の為にあるというのも一つだと思います。こう書くとこれも世界均一化政策の一つのような感じがして少々感じ悪いですが。しかし情報量が力を握っている以上、インターネットへの依存は不可欠なものになっています。
この町でインターネットは情報量によって課金されるシステムだという事を以前書きましたが、DSL回線(非常に遅い)で250MB550ルーブル(約3000円)。システムとしては、スーパーやコンビニのような小さいお店に設置してある料金支払機のタッチパネルで550ルーブルを支払い、インターネットを利用し、情報量が250MBに達するとその時点で回線が途絶えるというシステムです。
myspace作成&閲覧に約1000ルーブルかかりました。一般的なウェブサイトでも、最近はニュース関連のサイトでも凝ったものが多いため、なかなか自由に見る事ができません。
この前置きでできる事とできない事を考えると
できる事;E-mailの送受信、Skype(音声は難しい)、一般的なサイト閲覧。
できない事;音楽や映像のダウンロード/アップロード、youtubeなどのストリーミング再生、e-mailやデータ配送サービスサイトなどを利用したデータのやり取り、googlemapなどの高度なサイト閲覧。

例えば、ちょっとセンスのいいCDが欲しい場合にはもちろんお店には売られていないので、しかしどうしても欲しい。そこでitunes music storeを利用したとする。その場合はアップル社に支払う金額とダウンロードにかかる金額を支払わなければならなくなり、合計で約3000円はかかるでしょう。
金さえあれば速度を我慢すればいいだけなのでできるのですが、給料に比して非常に高い。

もし先進国の若者のようなネット利用をするのであれば、1ヶ月に10000円以上はかかると思います。こちらの平均月収を40000〜50000円とするなら、実に給料の4分の1にあたるわけで、日本の若者の平均月収を20万円と考えたら5万円をインターネット利用のために支払う感覚です。
プロバイダーが一つという事で価格競争やサービス競争が生まれないのも原因のひとつでしょう。
これによって若者はあまりインターネットを利用しなくなります。となるとやはり情報は限られて来る訳であり、表面的には情報収集の自由があるものの、現実的には自由ではない印象をうけます。インターネットの利用により自分のクオリティを高める事もできる時代なので、ここを改善すると社会が大きく変わるかもしれないです。

写真はプロバイダー会社のキャラクター、お金が大好きなDSL君。

Tuesday 22 January 2008

Курсанты Учатся



myspaceにて自分のバンドのページを設けました。
http://www.myspace.com/kursant

視聴したりダウンロードしたりできるので是非サイトを訪れてみてください。

しかし4メガ程度の曲をアップロードするのに30分以上もかかり、しかも料金も300円以上とられます(時間、価格はいずれも推定)。
アップロードが70%を越えたところで料金がなくなり、吹雪の中料金を支払いにいき、またはじめからアップロードをし直すという作業を繰り返したので是非ダウンロードとかしてください。

Wednesday 16 January 2008

теория запоя



ロシアの習慣の一つに、「ザポイ」というものがあります。酒を飲み、疲れたら数時間寝て、起きたらまた飲み始めて、疲れたら数時間ねて、起きたらまた飲み始めて。。。というのをできる限る続ける習慣です。勿論皆やるわけではないです。
一般的にアルコール依存症の人の数がかなり多い国ですが、北米の依存症問題とは少し枠組みが違うように見えます。

その「ザポイ」を題材にした最強の映画が標記のタイトル。英語で書くなら「the theory of zapoi」、日本語なら「ザポイのセオリー」となるでしょう。タイトル通り、アル中の主人公(30代半ば)が数日間ザポイを続けるというだけの映画です。
奥さんが煩いので外に酒を飲みに行き、行く所も金もないので「哲学酒飲み」の隣人を尋ね、二人で飲んでいるうちに様々な人がザポイに参加して来るという内容です。最高でした。こんなにも飲んでるだけの映画は初めてみました。

2003年の映画で、サウンドトラックはレーニングラード。監督はなんとナターリヤ・パゴ二チェワという名前の女性です。
こういう映画を女性が監督しているというのは中々勇気づけられます。

ロシアでは様々なものが両極端ですが、こういう飲み方をするか殆ど飲まないかのどちらかという印象を受けます。勿論適量を楽しんで飲んでいる人もいますが、酒を飲むというのはこういう飲み方を指すようです。
酒が好きだというと、一般的な人達からはちょっと嫌な目で見られます。ザポイには文化を知る上で何度か挑戦しましたが、全然楽しくないです。飲む酒も良いものであればまだ良いのだけれど、だいたい安いウォッカです。
この国でのアル中問題は深刻だと思います。町中によく血痕を見るのですが、これは酔っぱらって外で喧嘩してできたものです。夜外を歩いてると良く見ます。
そしてよく人の家の窓に何かを投げたり、物を壊したりして楽しんでいます。やられた方は溜まらないでしょう。

酒は楽しんで飲むものであって欲しいですね。

Tuesday 15 January 2008

頭の悪い米国



若者の間で流行っているビデオがあります。以前ロシアのニュース番組で流れたものらしいのですが、酷い内容です。レポーターがカリフォルニア(?)で数名にインタビュー。内容は世界情勢に関して。

1:Uで始まる国名は?
2:イラクはどこですか?(地図を見せて)
3:世界に大陸はいくつ?
4:イスラエルの宗教は?
5:アルカイダとは何?

等の質問を町中で聞いていました。
そして出て来る答えが。

1→ユートピア?
2→(オーストラリアを指して)ここだ。
3→3つ
4→イスラム教?
5→イスラエルの殉教者団

等のおかしな回答がでます。
何のためにこのようなビデオを流しているのか、理解に苦しみます。この映像をみて、皆「アメリカ人はバカだ」といって笑うのですが、仮にこの映像が本当だったとしても数名にしかインタビューしていない訳で、何の意味もないはずです。はっきり言ってこのような映像、どこの町でも作れると思います。東京でも、ロシアでだってもっと凄いのが作れるんじゃないでしょうか。こうやって公に人を小馬鹿にする番組が目立ちますが、あまり気分の良いものではないですね。こういう番組の放送が、国民の意識統一に一役買うのでしょうか。

Sunday 13 January 2008

даб конструктор



写真1のものをジャケ買いしました。名前も、dub constructor 。
良くわからない日本画のような世界に未確認飛行物体が降りて来ています。地球を侵略するのでしょうか。タイトルは、fanckadelic。裏ジャケも寂しげな日本の田舎の、大名の屋敷でしょうか(写真2)。
この情報だけで購入に値したので150ルーブルを支払い帰宅。内容もだいぶサイケでした。やはり名前に「ダブ」とつける人達に悪い人達はいません。



早速HPを検索してみると、写真も中々かっこ良かったです。写真3、4はオフィシャルより転載。写真3はだいぶかっこいいですが、これは恐らくコルグのKP3を後ろから撮影したものと思われます。






ロンドンあたりのマニアックなレーベルからリリースしてそうな内容のダブですが、ロシア語の女性Voも絡んだりしています。こういうサウンドを日本に輸入して、タワーレコードとかで「激ヤバ大推薦版」とか書いて視聴コーナーに置いておけば、皆買うだろうなあと思いました。こういうバンドも、探せば探す程出てくるのでしょう。モスクワのバンドらしいですが、ロシアの音楽シーンもいかしてると思います。

Thursday 10 January 2008

首相様


首相になるという事はプーチンにとって格下げなのかどうなのかという事がTV等でよく議論されています。首相と大統領がいるという事は権力を大統領に集中させない半大統領制なわけで、これがロシアでは今まではどう見積もっても大統領に集中していました。しかし今回はどうでしょうか。首相が力を持てるかどうかという事は、大統領が首相より力を出せるかどうかという事にもなって来ます。プーチン様はこの8年間で国民に対しても政界に対しても経済界に対しても絶対的な地位を築きました。そして新しい大統領(候補)は自分で任命しました。こうなると首相になったところで自分が前に出る事ができるので格下げでは決してないという意見が多く聞かれます。

例えば現役引退を控えた小笠原という選手いたとします。彼が2列目からの飛び出しで注目を集めたいものの、前に有能なFWがいると自分が目立てないのでチームの首脳陣に頼んで鈴木という能力の低い選手を獲得してもらうといった感じでしょう。そしてそのチームのサポーター達は無条件でその小笠原という選手を賞賛します。まあ小笠原という選手がサポーターにとっても他のチームにとっても尊敬される存在になるのであれば何の問題もないのですが。

また、大統領はまだ決まった訳ではなく候補者が出揃ったというだけなのですが、ニュース番組等では毎日メドヴェデェフさんに関するニュースばかり流れます。周囲の人間に聞いても、「次の大統領は。。。」ともう大統領は決まった事になっており、選挙は形だけの物となっているという事に国民自身あまり関心がないという雰囲気もあります。
半大統領制というシステムが、半首相制というシステムに変わるという事でしょうか。

Wednesday 9 January 2008

Смокинг по-рязански


毎日のように日本では絶対に観られなさそうなロシア映画を見ていますが、標記の映画は中々面白かったです。というより、興味深かったです。リャザンの田舎町からモデルを目指してモスクワに出て来た女子が、あるデザイナーチームの専属モデルとなりチーム4人で頂点を目指し、失敗を繰り返しながらも結束を強めて行き、同時にデザイナーと主人公の女子の恋も芽生える。やがて主人公の女子は憧れの有名デザイナーに引き抜かれるものの、真実の愛に気が付いて元の事務所に戻るといった、何でも無いハリウッド映画のような内容です。

ロシア映画として海外進出しているものは前衛的なものや文学的なものが多いと思いますが、このようなポップな青春ものもあるというのはあまり知られていないと思います。似たような内容のハリウッド青春ラブコメディなんかも海外進出する数は少ないと聞きます。DVDでは輸出されるけど、劇場公開は少ないそうです。それは文化の違いでギャグが理解し難い等の理由からだそうですが、ここまで工夫が無い内容であればどこの国の映画も同じだなあと思いました。単純に楽しめるという意味で。90分で終わるポップな青春ものでクライマックスのシーンがパーティ会場なら、どこの国の映画でも面白い。

しかし音楽でも同じですが、市場原理主義の影響で消費芸術と言われてしまうものが沢山生まれています。カリフォルニア産のヘヴィロックのようなバンドやギャングスターラッパーはどこの国にも沢山いますが、このようなどこの国でつくっても同じような内容のものを比べると、逆に国の特性が目立つのかもしれなません。この映画の場合は、言語がロシア語でした。

Tuesday 8 January 2008

休暇


機関により様々ですが、こちらで年末年始の休暇というと1月1日から8日だそうです。公的機関は9日から稼働します。
カウントダウンでは激しいサイクロンにも係らず、皆それぞれが用意した小型打ち上げ花火を町中で一斉に上げていました。外に出てどこを見渡しても花火の光がサイケに輝いているのは綺麗ではあるのですが、なかなかこれは危ないです。インターネットを見ていたらやはり記事が出ていました。ハバロフスクに関してですが、1日から4日までで59件の火事が報告されたそうです。これは確実に、連日上がり続ける花火のせいでしょう。危ないなあと思ってみていると、本当に危ない事が起っているケースが目立ちます。
そしてロシアでも(地域によって違う)今年はネズミ年になるそうで、町中でネズミグッズが売られています。売られているものもそれは大胆にサイケなものばかりです。カラフルで安っぽく、お世辞にもかわいいとは言えないぬいぐるみや、もの凄くリアルなネズミ。市場原理主義の第一人者ミッキーマウスを完全に模したものや、ラジコンのネズミなど、かなりのものが目立ちました。
大統領の演説、危険な個人花火、地域によってはパワーダウンする程のサイクロン、そしてどサイケなネズミがミックスされた新年も中々なものです。