Monday 31 March 2008

3月のネット事情


2月27日〜3月2日にかけての猛吹雪の影響で、1ヶ月以上ネット環境が不安定な状態が続いています。

インターネットの接続が1日のうちに合計3時間程度しかできません。また、このブログや、ウェブメールなどのログインが必要なものは滅多にできない状態です。簡単なページ(例:浦和レッズについて議論する掲示板等)でも開くのに5分以上かかり、凝った作りのページ(例:ヘラルドトリビューン等)に至っては数分かかった挙げ句に表示されません。
しかもここで不愉快なのが、以前にも書きましたがここのDSLのシステムは表示した情報料によって課金されます。前払いで金額を支払い、支払っておいた金額が無くなると同時にネットが使えなくなる訳ですが、リクエストしたページが表示されない場合、「safari can’t find network」、「you are not connect to the internet」などの表示がされてそして、あろう事かそのリクエストに費やした通信料という事で金額は請求されます。なので何もできずにイライラしただけで数百ルーブル請求されるという事態が発生しています。

自分だけではなく、影響を受けている家庭は他にもたくさんあるそうです。
なぜこのような事態になるのか。この町にはプロバイダー会社が1つしかないため、サービスを徹底する必要がないという事です。

折角民主化だの市場開放だのと言っているのに、これでは社会主義の国営システムと何も変わりません。
しかしこれこそが正に民主的な社会主義国家なのかもしれないなどと考えてもみますが、ここまでイライラするだけのシステムでは良い国家システムとは思えないです。

因にネットの料金は、メールのチェックや浦和レッズの情報や各国のニュースチェックという程度ですが、月額2000ルーブル近く請求されます。これは日本円にして約1万円であり、平均月収6万円のこの町においてはかなり高額です。日本の平均月収を20万円とすると、1ヶ月に3万円以上支払っている計算になります。こんなに支払って使い放題ではありません。それでいて転送速度も40kb/sec程度なので、ストレスは溜まります。

自分もネットに依存している人間だったと言う事が良くわかりました。

写真は最近購入したMP3コレクション、the pixiesの3rd。全然関係ないですが。今までpixies好きだとか言っておきながらgiganticという曲くらいしかまともに知らなかったのですが、これでバレないように全ての曲をコンプリートできました。

1万円近く支払ってネット環境は悪くてもpixiesは600円でコンプリートできるという事になります。

Monday 24 March 2008

戦うキャプテン


フットボールを愛する人間がこの町にはあまりいません。理由としていくつか考えられますが、チームが無い事。豪雪地帯である事。そしてテレビ中継が観れない事などが思いつきます。

チームがないというのは、ロシアンプレミアシップリーグに参加しているチームがないという意味です。地元にはバルカンFKというチームがありますが、このチームはプロではなく、年に1回か2回しか公式戦は行われません。なのでファンが付くわけもなありません。
プレミアシップに参加できないのは経済的・地理的に殆ど不可能という事です。モスクワまでの距離と時差を考えると内陸部の数十倍の予算が必要でしょう。2000人収容のスパルタークスタジアムというのも一応ありますが、ここが満員になっても収入などは大した助けにならないでしょうし、大規模なスタジアムを建設したところで損害の方が大きいでしょう。

豪雪地帯という事で、スポーツといえばなんといってもスノーボードが盛んです。町のなかのちょっとした丘でたくさんのボーダーが日々練習に励んでいます。ロシア国内からもたくさんのプロボーダー達が集まって来ています。無料でいつでも好きな時にスノーボードが楽しめる環境というのは、都会ではちょっと考えられない事であり、よくわからないですが雪の質も良いようです。イメージとしては、スケボー感覚でスノーボードをやっているという感じです。そして夏にはスケートボーダーがかなり多く、しかも皆、巧い。驚く程に。小学生くらいの子供でもかなりのレベルで、今までスケートカルチャーの根付く町に何度か滞在した経験から見てもレベルは高いと思います。なのでフットボールに興味がいくという感覚ではないのでしょう。

テレビ中継が観られないというのは、正確には観られるのですが、何しろ時差が中心部より9時間もあるので、日曜午後のリーグ戦の試合は夜中の1時から始まるという具合です。広い国土なのでその辺を考慮して土曜日を中心に試合を行うなどしてくれればまだ良いのですが、基本的には日曜の16時周辺のキックオフであるためにこの時間帯になってしまいます。なので好きになるチームが自然とできない仕組みです。ケーブルTVに加入して近所のルチ・エネルギア/ウラジオストックの試合を観戦するという事さえできません。これができれば時差は僅かに2時間なので何とか楽しめるのですが。

なのでフットボールファンは頑張って夜中にゼニトの試合をみています。ゼニトは昨年のチャンピオンチームで、皆さん大好きなガスプロムがスポンサーであるためにその金満ぶりを発揮して有名選手を金で集めたり、TVの放送も殆どがこのチーム中心です。まあそれがフットボールなのでそういうクラブがあるのは良い事だと思いますが。因に我々浦和レッズは独立採算制を採用していて、大規模な親会社が資金注入!というスタイルではないです。

昨年よりゼニトに加入しているアナトリー・ティモシュック(写真)は、ドネツクより移籍金23億円で獲得しています。こんなに払うのならもっと良い選手がいるだろうと思いますが、よくわかりません。しかしこのティモシュックはかなりいい選手です。闘志剥き出しでチームの中心部に位置しています。中央から攻めるならばセンターラインから彼を越える事が中々できません。試合中も大声で指示をだしている感じで、理想のキャプテン像です。今のレッズにはこのような選手が必要だなあと観ていて思います。
昨日の試合もFKモスクワ相手に殆どゲームを支配し、2−0の勝利で試合を終えていましたが、チャンピオンチームの戦いを観た気がします。

豊富な資金源を背景に力を付けたチームといえば誰もがイングランドプレミアのチェルシーを連想しますが、資金源のアブラモビッチ先生はカムチャツカにほど近いチュコチ出身。チュコチの小学生をアエロフロートで試合に招待したりして良い顔しているようですが、そんな事しないで極東ロシアに強豪チームを一つ作ってくれればいいのにと思います。
金があってもやらないという事は、メリットが無いということでしょうが。

世界は金であり、フットボールもまたビジネスであります。市場万歳!

この町の発展のために、まずはフットボールチームを。世界中の良い町を一つでも思い浮かべてみてもらうと、必ずそこにはフットボールチームがあるはずです。

Friday 14 March 2008

プレミアリーグ開幕


本日よりプレミアリーグが開幕します。Jリーグと違い、対戦カードは抽選で決められます。
今年もモスクワの4チームとゼニトが優勝を争い、地方のチームにはチャンスがないようですが、今シーズンの開幕カードはソビエトフVSテレクFCという組み合わせです。テレクFCは今シーズンよりプレミアに昇格しました。

このチームの本拠地はグロズヌイ。チェチェン共和国です。

チェチェン共和国についてはロシア以外では多数の情報が入手可能であり、昨年日本で大流行りしたリトビネンコ暗殺事件に直接係って来る内容なので、その辺は大富亮さんの「チェチェン総合情報」というサイトを参照してください。
http://chechennews.org/index.htm

歴史を遡ればきりがないのですが、特にここ20年近くはロシア政府から酷い制裁を受け続けてきたチェチェン共和国の首都グロズヌイに本拠地を置くチームであり、その経済/軍事制裁の内容を考えると「よくプレミアに上がった」と泣きそうになります。
FCバルセロナVSレアルマドリッドはフットボールを越えた民族の誇りを懸けた試合であるというのは有名な話ですが、もしかしたら思いはそれ以上のものかもしれません。

テレクにとっては全試合が敵国との戦いです。交戦中の国のチームと毎週1回サッカーの試合をやるようなものです。
サポーターにとっても、人種差別を受け続けて来た中で初めて平等に戦える場所が整ったという事になります。スタジアムでは思う存分自分達を主張して欲しいと思います。
2万人収容の新スタジアムも建設したそうですが、ユニフォームを見る限り胸スポンサーがありません。

テレクにはチェチェン人だけでなく、ロシア人もプレイヤーとして在籍しています。彼等にもまたサッカー選手としてだけではない任務が課せられていることになってしまいます。逆に言うと、彼等にはチェチェン人に対するこの無条件差別を止めさせる力があるという事です。彼等が良いプレーを全国に向けて見せつける事で、ロシアの人達の考えを変える事ができます。
プレミアリーグ最東端のウラジオストクとの時差は9時間、距離にして9000キロもあり、移動にかかる経費も含めて大変な事になると思いますが、まずはプレミア残留を目指して頑張って欲しいものです。

グロズヌイのチームがプレミアリーグに残留しつづけるという事には大きな意味があると思います。


そして先程終了した試合結果は3−0でテレクの完敗でしたが、満員となったスタジアムやチケット争奪戦の様子を映像で見ているとその意味を感じます。

Tuesday 11 March 2008

GAZPROM


最近気が付いたのですが、ガスプロムのTVCMが変わりました。というか、元に戻りました。戻ったというのは、選挙期間前に流れていたものに戻ったという事です。

記憶が確かかはわかりませんが、2007年12月までは2種類のTVCMが流れていました。「夢は実現しますよ」みたいなテーマのもので、10歳くらいの男女がテレビでフィギュアスケート・ペアの試合を見ていて、次のカットでは自分達がテレビの中にいるというものが1つ。いま1つも10歳くらいの男女がでてきて、悪い子供に絡まれる男子を守るために女子が柔道を練習して悪い子供を懲らしめるという内容のものです。

そして2008年の1月から極めて民主的な選挙の行われた3月2日まで流れていたTVCMは、ロシアという壮大な国土では様々な人達が幸せに暮らしている。これもガスを始めとしたインフラストラクチャーが充分に整備されているからである。幸せそうな国民の笑顔が映り、最後にはプーチン様が演説しているシーンがコラージュし、ガスプロムのロゴが大きくフェイドインしてくるというものです。

このTVCMを見た時に、これでは政党のCMと何も変わらないなあと思いましたが、選挙終了後に元のCMに戻すなんて、それを証明しているような物ではないですか!と思ってしまいました。

国民にとってガスプロムとはどのような存在なのか気になります。国営と民営の悪い部分を併せ持っている会社のようにも見えます(あまり詳しくないのでわからないですが)。
チャンピオンズリーグやUEFAカップにも出場しているゼニト(サンクトペテルブルグ)のメインスポンサーでもあるのですが、こうなってくるとゼニトを素直に応援できなくなって来てしまいます。

学生にガスプロムについてどう思うかをエッセイに書かせようとしたところ、「カムチャツカにはガスがありません」との事でした。それもビックリですね。

Sunday 9 March 2008

Невероятные Приключения Итальянцев в Росии



ソ連映画の傑作を日本語で紹介します。傑作といってもタルコフスキーや初期のソクーロフのような本当の傑作ではなく、あまり海外流出してない大衆映画を対象とします。

標記の映画、映画でのタイトルは「unbelievable adventure of italians in russia」となっています。
74年、モスフィルムの製作で、監督はエルダー・リャザノフ、フランコ・プロスペリという2人の共同監督です。
ローマの病院で一人の老婆が息を引き取る際、孫娘に「レーニングラードに宝を埋めた」と言い残す。病室にいた全員がその情報を聞き、皆でレーニングラードへと向かう。そこにソ連の警察からの潜入捜査官が宝探しに参戦するというストーリーです。

前半15分程はイタリアでのシーンなのでイタリア人監督も共同しているようですが、何故か出て来るイタリア人が全員流暢なロシア語を話します。公園で寝ているホームレスのおばさんなんかも、ロシア語を話します。
6人のイタリア人とロシア人の潜入捜査官が邪魔をし合いながらお宝を探す訳ですが、そこに本物のライオンまで混ざって来るというサイケな内容です。ロシアンカーLADA2台によるカーチェイスなど見せ場が盛りだくさんですが、中でも最高にサイケなのが、ライオンから逃げるために全員が巨大マトリョーシュカの中に入ってマトリョーシュカがことこと逃げるシーンです。坂道を何体ものマトリョーシュカが転がって行くシーンもあります。どんな状況でもマトリョーシュカは常に笑顔なのが最高です。

70年代レーニングラードの町並みが凄くきれいに映っているのでそれだけでも見る価値があると思います。見ていて都会に憧れました。

Thursday 6 March 2008

Иван Васильевич Меняет Профессию



ソ連映画の傑作を日本語で紹介します。傑作といってもタルコフスキーや初期のソクーロフのような本当の傑作ではなく、あまり海外流出してない大衆映画を対象とします。
標記の映画、「ivan vasiliebich changes his profession」→「イワン・ワシリビッチの転職」

1973年、モスフィルムの制作です。監督はレオニード・ガイダイという人です。
73年、モスクワ。ハカセのシュリックは、アパートの一室でタイムマシーンを開発していた。実験が成功しようかというところに、管理人のイワン・ワシリビッチ、泥棒のミロフスキーが入って来て、アクシデントでこの2人は16世紀へと送られてしまう。かわりに16世紀のモスクワからはもう一人のイワン・ワシリビッチ(雷帝イワン)が送られて来る。ハカセが壊れてしまったタイムマシーンを修復している間、16世紀に送られたイワンはその雷帝としての生活を楽しみ、20世紀にやって来たイワンは近代的な生活を楽しむ。

という内容のコメディですが、最高です。まずオープニングがもう最高級にかっこいいです(以下youtubeリンク)。

http://www.youtube.com/watch?v=d5AOgMfVizQ

このオープニングの興奮で最後まで引っ張ってる感じがしました。サイケでクールとは正にこの事でしょう。クールだからサイケなのかサイケだからクールなのかわかりませんが。とにかくソ連映画に多いこのサイケっぷりはたまりません。黒地に白の大きいフォントをつかてるところもカッコいいです。イワン・ワシリビッチは上記の通り、日本では「雷帝イワン」として中学の世界史でも勉強する有名人です。残忍/凶暴な事から「雷帝」といわれたそうです。登場する2人のイワンは1人2役。これもイカしたコメディの基本要素です。

ところでこの「イワン」という名前は、数年前まではトルストイの名作「イワンの馬鹿」のせいでバカにされる対象だったそうです。つまり、イワンという名前の男子は周りからイワンイワンと揶揄されていたそうです。そして時代は変わり、何があったか現在は「ワシリー」という名前がその代わりを担っているそうです。つまり、イワン/ワシリー供にバカといって虐められる対象の名前と言う事です。

英語版のタイトルはなんと「Back to the Future」だそうです。タイムマシーンものということで英語で考えたらこの名前になるのは当然なのかもしれませんが、もしかしたらマーティ・マクフライ主演のback to the futureも、何かヒントを得ているかもしれないですね。映画の雰囲気もビルとテッドの地獄旅行みたいでかっこいいです。

それにしてもソ連の映画は全てエンドロールが無い。昔の映画のようにスタッフロールがオープニングに来ています。これがトータルデザイン的にもかっこよく、エンドロールが無いので「終わり」の一言でブラックアウトする瞬間的な世界の切り替わりが非常にカッコいいです。何か決まりでもあったのでしょうか。詳しい人いたら教えてください。

Wednesday 5 March 2008

MP3 Collection



ロシアで販売されているCDは殆どが海賊版のCDであり、中でも凄いのがMP3コレクションというCDです。
MP3のデータを1枚のCDに纏めて店頭で堂々と販売しています。オーディオCDではないので1枚のCDの中に大量の情報を入れる事ができます。なので1枚のCDを購入すればそのバンドがコンプリートできるという訳です。
例えばRadioheadのMP3コレクションを購入するとPablo haoneyからhail to the thief まで全ての音源が揃うというシステムです。価格は150ルーブル。日本円にして700円程度です。

アップルストア等の市場原理主義戦略に挑戦するかのようなシステムです。

しかし揃えられているバンドはやはりもの凄くメジャーなもののみ。例えばDeep Purple やGuns n Roses などのラインです。なので最新の音楽やセンスの良いものは勿論揃わない訳ですが、日本では中々手を出し難いクラシックロックのコンプリートが気軽にできると判断し、勉強に励む事にしました。この街でもこんなCDが手に入るよ!という紹介も兼ねて購入したものを書いて行きます。

まず最初は、最強のダンスグループ「DSCHINGHIS KHAN」。
日本版の名前は「ジンギスカン」です。収録されているのは79年のデビューアルバムから2000年のリミックスまでです。
このデビュー作はかなりの名盤でしょう。「目指せモスクワ」、「サムライ」、「ジンギスカン」、「ハッチ大作戦」等、殆どの曲が世界的にビッグヒットしています。
「サムライ」なんて、サムライって言ってるのに曲調が中国風なところとか、本当にセンス良いです。
曲の冒頭が”母さんチョップ”と聴こえる事で有名な「ロッキングサン」なんてB面曲らしいけど最高のクオリティです。
ちなみにこの”母さんチョップ”は、ロシア人にとっては”カザチョーク(カフカース人)”だそうで、ロシア人もネタにしているそうです。
そして気になるのは99年に発売されているリミックス盤ですが、曲名に「Moskau99 (Rap ver ft.LTC)」とか書いてあります。激しいラップでジンギスカンについて何か言ってます。

聴くだけで笑顔が自然と湧き出る音楽ですね。

このようにして日本ではコンプリートするのにそれなりの金額を支払わなければならないものが気軽に手に入り、近代音楽史を勉強できるのはとてもいい環境だと思いますが、このようなCDを販売する事が違法では無いなんて驚きです。

やはりもう音楽家の収入はディスクではなくパフォーマンスによるという社会に変化しているという事でしょうか。

Tuesday 4 March 2008

戦う民衆


新大統領が誕生しました。
得票率70%を越えるなんて、異常ですね!

さて、「おかしいのではないですか」という抗議も起っていたようです。さすが、国土が広くその分人間の種類も多いだけの事はあります。国内主要メディアに目を通した感じでは見出し扱いしているところは無かったように思いますが、EURO NEWSという欧州4カ国の合同制作によるニュース番組(ロシアも含む)ではしっかりと報じてくれていました。

モスクワで選挙結果に対する抗議集会が開かれ、300人程の警官を動員してこれを抑えたそうです。
プーチン様によって出馬を取り消された元チェスチャンピオンのカスパロフさんもペテルブルグでの集会に参加。「これは選挙ではない」とのコメントを発表したそうです。「権力に対する疑問はクレムリンの人間によってではなく、民衆によって解決しなければならない」との事です。
その通りです。が、どうでしょうか。都会の人々がどう感じているのかは分りませんが、ここに住んでいると「権力」に対して疑問を持っている民衆がはたしてどのくらいいるのかと感じてしまいます。

選挙に不正など無かったと思います。実際に国民の7割が新大統領に投票したのでしょう。だから昨日の大統領選はしっかりとした選挙です。問題はその選挙を行うまでの様々なシステムです。メディアコントロールを始めとしたシステムを殆ど完璧に構築しているので、昨日のような結果が生まれたという事なのでしょう。選挙は選挙なのだけど、このような状況で行う選挙には意味が無いという事です。

テレビのニュース番組でも、この抗議集会に関しては殆ど触れられていなかったと思います。悪いお手本になってはいけないという事なのでしょう。

選挙の最中には赤の広場で大型ロックコンサートが開催されていたようで、テレビで中継されていました。統一ロシア主催のコンサートです。当然のようにそこにプーチン様と新大統領が登場して演説していましたが、後ろに楽器を構えたバンドが立っていたので、何だかこの2人がバンドのボーカルみたいに見えました。新大統領に至ってはレザーのジャケット着てたので尚更でした。ツインボーカルなのでヘヴィロックバンドだと思います。

Saturday 1 March 2008

平和な日曜の午後


本日は大統領選挙です。

国民投票で、極めて民主主義的に大統領が決められます。
有権者達は自分の意思に基づいて強い国ロシアに相応しい大統領を選び出します。

有権者達はパスポートを持って近くの選挙会場へいきます。
我々の地区は近所の火山研究所です。ソ連を感じさせる建物の中、階段を2階へと上がり、投票室へと繋がる廊下にでると候補者の写真が貼付けてあり、バックには何故か80年代のハードロックが流れていました。
入り口にはポリスが数人います。中に入り担当者にパスポートを見せます。するとそのパスポートの名前を書類の中から見つけ出し、例によって手書きでチェックします。チェックしたら投票用紙を受け取り、更衣室のようなカーテンの中へと入ります。そして候補者の中からドミトリーメドベデェフの欄にチェックをして、その投票用紙を外にある投票箱へと入れるというシステムです。
投票が終わると出口で暖かい紅茶とブレニーが振る舞われます。
そして皆、ブレニーを片手に、明日からの新しいロシアの誕生について喜びながら話します。

先日ちょっとした会話の流れで友人に、「大統領選挙は誰に投票するのかね」と伺ったところ、「勿論プーティン様ですよ」との返答が来ました。面白いと思いました。

風速40メートルとも言われるサイクロン直撃の中行われた選挙は、外の激しい天気とは対照的に、平和の象徴のような雰囲気でした。
同じタイミングで行われているアルメニアの大統領選挙ではその結果に対して激しい抗議が起り非常事態宣言まで出ていますが、ロシアの選挙は平和そのものです。

プーティン様とメドベデェフが並んで、「一緒に勝利を勝ち取ろう!」と書いてあるポスターを見る事ができるのも今日までかと思うと寂しい限りです。