Monday 28 December 2009

年末商戦

ペトロパブロフスク・カムチャツキーでは今年も年末商戦が繰り広げられています。ロシアではクリスマスプレゼントとは言わず、新年のプレゼントと言うように、プレゼント交換は31日の夜。つまり今が1年で最も売り上げを出す時期なのです。町最大のショッピングセンター「シャムサ」も勿論この時期の売り上げを伸ばすために多くの割引や新製品の入荷を行い、多くの客を引き寄せています。
先日シャムサへ日用品を買いに行ったところ、年金生活者の様なおじさんが「この商品は一体何ルーブルなのだろうか」と困惑して店員に質問していました。店員の若い女子はこれ以上迷惑な客は今まで存在しなかったかのように「この棚に書いてある値段を見ろ、159ルーブルだ」と言い放ち去って行きました。その棚一杯に並んでいた159ルーブルの商品は「トリャビャンチック」(写真1)という意味の分からない商品。
トリャビャンチックのそのサイケデリックな姿に衝撃を受けたカスタマー達は次々に購入していました。という事で僕も迷わず購入。本来食料品売り場であった為、その時同時に購入したキャベツや玉葱などと一緒にレジのおばさんがそれを捌きます。キャベツや玉葱と同じ袋に入ったトリャビャンチックを家まで持ち帰ります。シャムサから帰宅する際にバスの中でトリャビャンチックを除いていると、隣に座っていたおばさんから「一体その商品を何処で購入したのか」という質問を受けました。
何とも愛らしいこのトリャビャンチックですが、パッケージ裏面には説明が書かれています(写真2)。1:3−4時間水に浸ける。2:日の当たる場所に置く。3:霧吹きで水をあげ続けるとそのうちに頭から草が生えてくる。4:8−10センチほどに草が伸びてくるので適度に鋏等で草を刈る。
トリャビャンチックはモスクワから輸入されてきた物のようで、パッケージ裏面にはその会社名や住所、ホームページまで記載されていました。
情報が欲しい方にはこのホームページを閲覧する事をお勧めします。
http://www.aveaurica.ru/content/view/20/125/

159ルーブルという金額は500円弱。同じ値段で森永の輸出用豆腐が売られていました。ロシアで豆腐を食べた事が無いので若干迷ったものの豆腐は諦めてトリャビャンチックを購入しました。

Thursday 24 December 2009

避難訓練

1ヶ月近く前にペルミのナイトクラブにて店内で使用した花火による火災が発生、100人以上の若者が死亡するという大惨事がありました。このニュースは連日ニュース番組のトップで、大統領もTVでコメントを発表し、ペルミの官僚と公開会議などを行い、新たに避難経路の確保等に関する規制を作りました。そのニュースはロシア全土に衝撃を与え、そしてその新しい規制は勿論ロシア全土に発令されたようです。。。
そしてその災害から約1ヶ月、僕の勤めるКГТУ(カムチャツカ国立技術大学)でも災害時に備えて避難訓練が行われました。
授業中に学部長が突然教室に入って来て、
「あと20分したら避難訓練が始まるから皆さん授業は中断してコートを着て、警報が鳴ったらすぐに非常口を経由して外へ出てください。」
学生の反応は「ははは」
時間になったら予告通りにもの凄くかっこいい警報が流れ、機械的な声で「火事です、皆さん外へ出てください」をループしていました。その警報機から流れる音は正にダブそのものでした。
学生達は勿論、職員も誰一人として訓練というものを意識せず、みな「ははは」と嬉しそうに話していました。職員室でも状況は同じで、皆全く関係のない話で盛り上がりながら靴を履き替え、マフラー、帽子、コートを着込み、鏡でスタイルをチェックし、鞄を持ってやっと外に出ました。外に出るにあたり、誰一人として非常口を利用する者は無く、通常の出口を利用し出た瞬間に皆タバコを吸うものだから出口周辺は渋滞となっていました。なぜ誰も非常口を利用しなかったかというと、非常口は1階に1つしかないからで、メインの入り口は2階にあります。僕が勤める7号館は5階建ての建物なので、4/5の学生や職員は2階の出入り口を利用した方が便利な構造となっています。しかも1階の非常口は1つしかないうえに非常に小さく、ここに7号館の学生、職員約1000人が集中したら2次災害を引き起こすだけです。
そして外に出た学生及び職員は、タバコを吸いながら新年の計画等に関して話し合っていました。つまり、目的の一つである「外への退避」が完了してしまった以上はやる事が無く、世間話をしていた訳ですが、突然誰かが「ああ、そういえば」といった具合に大学図書館の方向へ歩き出しました。途中に何件かの店があり、丁度お昼時という事もあってお店に入ってしまう学生や職員も多かったものの無事に図書館の前に着くと、そこには既に20人程度の学生及び職員が集まっていて、一人のおじさんを囲むように皆立っています。おじさんは何かを言っているのですが誰も聞いていません。おじさんは防災センターから派遣されて来た役員ぽい感じでしたが、素性は誰も知りません。そのおじさんの台詞は非常に印象的で、「退避にこんなに時間がかかっているようでは手遅れになる。。。」「日頃から避難経路の確認は大切。。。」などと話してくれました。最後におじさんはそこに集まった100人弱の学生及び職員に対して、「何か質問はありますか?」と問いましたが、誰も無反応で、そのうちにおじさんは「さようなら」と言って帰って行きました。
その後も学生及び職員はその場でタバコを吸う、コーヒーを飲むなどして談笑した後にそれぞれの教室へと帰って行きました。職員室に戻ると、職員達は紅茶とお菓子を楽しんでいました。授業開始のベルが鳴りましたが、「外に出たくもないのに出て体が冷えきったから紅茶を飲んでからでないと働けない」と言いながら暫くの間談笑していました。そのうち他の職員が入って来て一人の職員に聞きました。
「火事どうだった?」
「いや、別に」
という会話を最後に、避難訓練に関する話は終わりました。
実はこの大学にも授業中に災害が発生した場合は担当講師が学生の人数を確認、引率して非常口経由で図書館前に集合。学部長に人数を報告。という決まり事が存在しています。でもそんな事は皆忘れてしまっていて、訓練のレベルでもどこに行けば良いのかを分かっていませんでした。
日本での避難訓練も皆へらへらして成り立たないものですが、一応皆避難はすると思います。我が大学での避難訓練は想像を絶していました。違いは明確で、責任者がしっかりしていない事です。責任者とはこの場合大学職員です。自分も含めてですが、責任者がしっかりしない限りは実際に災害が発生した場合に不要な犠牲者を出す事でしょう。
ペルミの火災は実に痛ましい事故ですが、このような失敗から学ばないとまたすぐに同様の災害いが発生するでしょう。

Saturday 21 November 2009

電子レンジ


2年間迷いながらも中々手を出せなかった電子レンジをついに購入。
地元で頑張っているドルージュバ(友情)という大型電気店で2400ルーブルという友情価格で購入しました。今まではあまり欲しいと思った事はなかったのですが、今年はどうもこういう物が欲しいと思い、つい買ってしまいました。自分がこのような行動に走った背景には、先進国への憧れというものが伺えると思います。実際に電子レンジがあるかないかでは、キッチンの存在感が全く違います。そんな電子レンジにはステッカーが貼ってあり、「人生がもっと簡単になる」と書かれていました。
近代化により簡単になったのは人生だったのかと初めて知りながらも、これは以前YAMAHAが発売した世界一軽いギターの、「軽さは可能性を広げる」というキャッチフレーズに似ているなあと思いました。また、ツガン(ジプシー)の人に集られて5ルーブルあげたときに、「あなたの人生は全て上手く行く」と言われた事にも似ていると思いました。5ルーブルや電子レンジさえあれば人生は上手くいくのです。
そんな電子レンジですが、こちらの家電量販店では2400ルーブルが最安値でした。値段の幅はあるものの、通常のもので5000ルーブル程度も出せばいいものが買えます。販売されている会社は日本のものもありますが数で勝っているのは韓国製の商品です。僕が今回購入した商品はROLSENという韓国のメーカーのものです。
ロシア人に見せたら「これはロシアの会社だ」というのでインターネットで調べてみたところ、韓国/ロシア市場を主にターゲットといている会社のようです。韓国の会社でロシア市場をメインターゲットの一つとし、名前がROLSENと北欧っぽくしているところがニクい演出です。僕もSAMSUNGかROLSENかという選択肢を迫られたら北欧っぽいしという所でこのROLSENを選ぶでしょうし実際に北欧の会社だと思って購入しました。
モスクワ方面ではどのような事情かは知りませんが、カムチャツカでは電化製品は韓国のものが多いようです。TV、冷蔵庫、洗濯機に至まで日本でも馴染みの深いSAMSUNGやHYUNDAI、LGなどが多くの市場を獲得しています。値段も日本製のものに比べて格安で品質もデザインも優れているという位置づけなのでしょう。
そんな家電を取り扱う大型量販店「ドルージュバ(友情)」が半年程前にカムチャツカにも1軒できました。ヤマダ電機ぐらい大きく中に入るとこれはもうカムチャツカではないような錯覚に陥るほど立派なもので、こういったお店が一軒一軒できていく事により町は発展していくのでしょう。
大型ショッピングセンターといい家電量販店といい、僕が来た時にはなかった近代的な店が多く作られていく事で消費活動も盛んになっていくようですが、雇用も給料も拡大していって欲しいものです。
もしカムチャツカが自治州や共和国だったら、町はもっと発展する事だろうと思います。
こういう町の場合、市場原理主義に上手く乗っかる事ができればきっとそれは町の発展に繋がるのでしょう。

Tuesday 17 November 2009

アルコール


日本の生活では交際費が非常に高く付きますが、カムチャツカではあまり高くありません。第一に第三次産業が殆ど発達していないという点が上げられます。友人と面会しようと言っても、どこかのカフェで会おうにも行きたくなるようなカフェが少なく、行っても大した事が無い訳でしたがって家で飲む場合が多くなります。
その時にビアが安いというのは全く持って心強い限りであり、このドラフトビア量り売りシステムは本当に驚愕のシステムです。
町の至る所にあるキオスクスタイルのビア屋さんでおばさんにペットボトルを渡してそこにビアをサーバーから注いでもらいます。カムチャツカという名前のこのビアの値段は1.5リットルで90ルーブル(約300円)です。新鮮で飲みやすく、ガスも入っていないために非常にまろやかで喉越しもかなり良いです。4%のライトなアルコール度数は、もはやビアでは無く別の新しい種類の飲み物であるかのような錯覚を覚えさせる程の爽やかさです。
カムチャツカでは全ての水道から出る水がそのまま飲めます。水の味もとても美味しいので、ビアが美味しいのも納得できます。
「カムチャツカ」がペトロパブロフスクを代表するビアであるのに対し、隣町エリゾボも半年程前から新しいビアを販売しています。「ババロスコエ」という名前で、バイエルンという意味です。なぜカムチャツカでバイエルンなのかとも思いますが、こちらはピルスナースタイルのやはり飲み口爽やかなビアで、2年間1位の座をキープし続けたカムチャツカの地位を揺るがす存在です。こちらも値段は1.5リットルで90ルーブルです。
1.5リットルで300円という事は1000円もあれば4.5リットルも飲めてしまうという事になります。
しかしここで問題になってくるのが、ビア以外のアルコール飲料です。ビア以外のチョイスとしては、ヴォトカ、ワイン、コニャック、シャンパンが一般的です。
ヴォトカはこれは恐らく全てのアルコール飲料の中でも一番選択肢が広いと思われます。安い物で0.5リットル70ルーブルからあります。これは勿論大変酷い内容のヴォトカで、もはや飲み物ではありません。一般的には0.5瓶を150ルーブル程度で買うとまあ悪いヴォトカではないという認識のようで、勿論高いものになると400ルーブルぐらいのもあります。が、正直違いがあまりわかりませんしそもそもヴォトカは理解不能な飲み物です。ヴォトカの位置づけですがこれはどうも若い人達の間ではそんなに市民権を獲得しているようには見えません。アルコール中毒者や中年以上の男女に親しまれているように見受けます。勿論パーティや何かでヴォトカを飲もうという習慣は若者の間でも浸透していて、これはやはりロシア文化の一つなのであろうと思います。ワインは輸入もの、国産ものが多く存在しています。輸入ものは通常の0.75ボトルで値段に差があるものの、日本で安く販売されているようなスペイン産、チリ産のものなどは500ルーブル以上はします。比して国産ワインというものがあり、これはコーカサス地方で作られているものが多いようです。僕はよくクバンのワインを買いますが、これは1リットルで150ルーブルで、小さなお店でもよく売っている安いワインの代名詞的存在で、日本で言うところの「うれしいワイン」のような位置づけでしょうが味は悪くありません。
コニャックはロシアに来るまでは正直あまり飲んだ事の無い飲み物でした。VSOPなどのブランデー類と同類に日本の市場では扱われているようで、フランス産のものをブランデー、ロシア(関係の国)産のものをコニャックというそうです。このコニャックも40%強のアルコール度数を誇るものの、「味がある」という点においてヴォトカとは大きく異なります。値段もヴォトカの2倍以上はします。このコニャックがかなり浸透している印象で、ヴォトカなどを毛嫌いする人間にも好評で、酒自体あまり好きではない女性でも、コニャックなら飲めるなどと言わせてしまう程に魅力的なようです。
女性にはシャンパンが人気です。日本ではあまり普段からシャンパンを飲むという事は少ないと思いますが、ここでは日本でビアが嫌いな人がカクテルを頼むという程度にシャンパンが飲まれています。安いもので1リットルのボトルが150ルーブルからあり、値段も安いので手を出しやすくなっています。
さてこれらが一般的なアルコールのチョイスであり、つまりカクテルというものがあまり人気がありません。理由は簡単でリキュール関係が恐ろしく高額だからです。これはもはや恐怖です。
まず1リットルのJ・ダニエル。これが2200ルーブル(およそ6600円)もします。日本では1580円程度のものです。またユーティリティ系ジンとして知られるビフィーター、日本のやまやなどでは1280円程度で販売されている1リットル瓶ですが、これも1800ルーブル(5400円)もします。女性に人気のベイリーズも同様、リットル2000ルーブルを超えます。こうも高くなってしまってはこれらの酒類を飲む意味というものが変わって来てしまいます。
このような値段事情が関係してビア・ヴォトカがやはり一番人気な飲み物となっています。高いものに手を出さなくても美味しいものがあるというのであれば、当然そちらに目がいく訳でそうやって行けば交際費も必然的に安く納まっていきます。
時々カクテル関係が飲みたくなるものの、トータル的にはカムチャツカの酒事情はかなり気に入っています。
一番美味しいものが一番安いという環境は非常に魅力的ですね。

写真はパッケージされて売られているカムチャツカ。0.6リットルで100円程度。

Monday 16 November 2009

タラバガニ


先日カムチャツカに帰国すると町最大規模の市場が近代的な建物に変化していました。なので早速中を覗いてみると売っている物は以前と変わらない様子でした。
この近代的な建物ですが、僕がここに赴任してきた2年半前の段階で既に建設が開始されていました。建物と言っても2階建ての小規模なものなのですが、工事が一向に進んでいませんでした。しかし工事がストップされていたという訳ではないようで、いつ見ても数人の作業員がタバコを吸っていたりチャイを飲んでいたりしていたので工事自体は進行していたのでしょう。少なくとも2年半の間は膠着状態が続き、この夏に堂々完成したという事です。
その近代化した市場の中を友人1名と一緒に歩いていると、その男が突然「良い事考えた」と言い、何かと思ったら寿司を作ろうという事で、僕にとっては全然良い事では無かったのですが同意すると、具材にという事でその男はタラバガニを購入。1kg購入で1500ルーブルでした。日本円にしておよそ4500円。1kgも入って4500円と考えれば安いのでしょうが、日本の感覚で言ってもあまり安い買い物ではないのにカムチャツカの給料と比してこの値段は少し気が引けます。それにそもそも1kgも同じものを食べたくないです。因に昨年度のカムチャツカの平均月収は15000ルーブルだそうなので、その10分の1を支払わないとタラバガニは食べられないという風にも読み取れます。
タラバガニは正にカムチャツカの名物で、日本に輸入されているものの多くもカムチャツカ産だそうです。ロシア語名はカムチャツキー・クラブだそうで、それが原因で英語でもカムチャツカ・クラブだと信じている人が多いのも事実です。
このタラバガニですが、日本での販売価格に比べると約3分の1程度という事ですが、運送料等を差し引くとこれは対外卸売り価格と殆ど同じだそうで、地元だからと言って安く売るわけにはいかないという状況のようです。
カムチャツカでは漁に関するライセンスが厳しく、自分に与えられたライセンス以外の魚介類を採ってしまうと密漁という事になってしまいます。頻繁におこるケースとして、鮭の漁のみを行って良いライセンスのものが、網の中にタラバガニが掛かってしまった場合にはこのタラバガニを捨てなければいけないという事です。オホーツク海周辺ではこのような事が頻繁に起こるらしく、1トンを超えるタラバガニが間違って引っかかってしまうという事もあるそうです。そしてその際には勿論廃棄をしなければいけないのですが、海の中に捨てにいく事のできる量ではないのでこの1tのタラバガニを浜辺に放置して帰っていく漁者達も少なくはないようです。
実際に写真でその様子を見てみると中々気持ちの良いものではなく、ライセンスという都合でものが無駄になるのという状況に関しては環境活動家もジャーナリストも大して問題視しないという状況も興味深いと思います。
ライセンスがない場合は1tのカニをゴミのように扱い、ライセンスがある場合はこれが大金になるという訳で、これに至ってカニの存在意義が何だか哀れでしかしそれはカニだけの話ではないだろうしそういう風に社会に扱われる人間というのもこれは多いのだろうなあと考えますね!

Thursday 17 September 2009

映画祭



僕が音楽を担当している福島拓哉監督の最新作、「our brief eternity」 が東京国際映画祭、「ある視点部門」にて上映されます。
是非皆さん見に来てください。
↓公式サイト
http://www.p-kraft.com/obe/

日本からのブログアップは初体験ですが、画像のアップロードの早さにはビックリです。

Friday 12 June 2009

独立とは


独立記念日

6月12日はロシアの独立記念日だそうです。
みな、独立万歳と言ってカムチャツカを皮切りにロシア各地でセレモニーが行われ、祖国のありがたみを考える日のようでした。

名前からもわかるようにアメリカ独立記念日と同じようなものだそうです。

しかし

一般的に国民が独立を祝うというの大国の支配下にあった国が自らの手で自治権を獲得したなどの場合ではないのかなあと思うので少し面白い感覚です。
ロシアの場合はどちらかというと周辺国をソ連として支配していてましてやそこから独立を宣言した国に経済制裁を加えるなどしていたようなので独立記念日というのは少し無理があるような気もします。

ソ連万歳

Sunday 10 May 2009



5月に入っても雪が続くカムチャツカ地方にもなんと春が来ました。
ペトロパブロフスクでは春が来ると花やプレーリードッグが顔を出すのではなく、雪に埋もれていたベンチが顔を出すようです。
「ベンチか。。。もう春だな」という会話を聞きました。

Saturday 25 April 2009

カムチャツカで録音


現在制作中のサウンドトラック録音の為にスタジオへ。田舎でもスタジオは何件かあります。最近できたばかりのスタジオを無料で使わせてもらう事ができました。

ドラムの録音の為に行ったのですがマイクスタンドが壊れていていいポジショニングができません。
困っているとスタジオの兄ちゃんが「問題ない」といつもの台詞を言い、マイクを手にしたかと思うと天井に一撃を加えできた隙間にマイクを通すという荒業を披露してくれました(写真1)。

スネアもクラッシュもいい音で撮れました。

Tuesday 7 April 2009

週間天気予報


地元紙に掲載されている天気予報

4月1日:晴れ、2日:晴れ、3日:曇り、4日:雪、5日:曇り、6日:曇り、7日:雪

7日の雪を吹雪にすれば当たっています。

脅威の価格崩壊


ショッピングモールで2つの商品を購入

1:U2 / new lines on the horizon
2:消臭力(エステー株式会社)

この2点が250ルーブルで同じ値段でした。
U2のディスクはロシア正規版でこれは海賊版ではありませんというプリントがジャケット全体に施してある為にアーティストの意向が反映されないデザインになっています。
消臭力は日本の消臭剤の輸入品です。

1ルーブル3円として計算すると750円という事になります。
日本でU2のディスクは輸入版で1700円程度、消臭力は400円程度のようです。
先日購入したジョンレノンのアルバムが全て収録されているディスクは150ルーブルだったので彼の全てのアルバムをもってしても消臭力は買えません。

Tuesday 3 March 2009

文化的生活


大発見をしました。

道で映画など文化的なものには全く興味のなさそうなゴプニック(ごろつき)が海賊版DVDを販売している訳ですが、そんな中なんと”キム・キドク(写真1)”、”フランソワ・トリュフォー(写真2)”の作品集DVDを大発見&即購入。
それぞれ彼らの監督作から厳選した12作品を収録。

"Настоящее Кино(本物の映画)"とタイトルされたシリーズもののDVDのようです。他にはアメリカの古い役者特集などつまらない物が多く、ジャームッシュなどもありましたがお金の都合上上記2作品を購入。

キム・キドクに関してはこのようなミニシアターの無い町に住んでいると無駄にアートな映画が見たくなるという理由で購入。トリュフォーに関してはジャンピエール・レオー見たさに購入。

購入時に販売員のゴプニック(ごろつき)に、「お前いいセンスしてるなあ」と言われましたが、絶対に彼はこの映画を見た事がないでしょう。彼はその後、他のお客様にパールハーバーを大推薦していました。

Saturday 28 February 2009

注意書き



雪による道無き道を歩いていて発見した寂しげに埋もれている看板。

「ここで遊んではいけません!」

こんな雪の中では遊びたくても遊べません。

Friday 27 February 2009

祖国防衛者


2月23日は「祖国防衛者の日」という国民の祝日だそうで、祖国防衛者というのは軍隊の事であり、これはつまり男性のための祝日だそうです。女性達が男性達に会うと、おめでとうございますと言ってくれます。しかし僕は一度も祖国を防衛した事が無いのでおめでとうと言われても素直に喜べません。
いかにも軍国主義の国らしい祝日ですが、町の中心では軍隊のパレードなどが行われていました。僕は寒いので一日中家の中にいたのですが、朝からTVでは軍隊の話ばかりでした。映画も軍隊の映画ばかりが何度も放送されていました。

中でもチェチェン/コーカサス、アフガン系が多く放送されていました。チェチェン/アフガン系の映画は人気があり、僕も調査の為にDVDを買って数本見ました。

偏見に満ちあふれた感想になってしまいますが、沢山ある映画のうち僕のみた中の数本に共通していたのが、
1:イスラム系過激派がいかに残虐かという描写
2:主人公が所属する部隊の隊長は過去にイスラム系テロリストに家族を殺されている

という2点でした。主人公の属する部隊は、イスラム系過激派武装勢力の残虐かつ卑怯な手段の前に多くの仲間達を失いながら何とか援軍を待ち、最終的にロシアが勝利するという流れのものが多いような気がします。

一般的に秀逸とされている戦争の映画は、主人公の人を殺す事への葛藤を通じて戦争の愚かさを訴えるものが多いと思います。
しかしこれらの作品はその部分の描写は薄く、戦場で仲間を守り、失い、という人間の生死による感情を利用したドラマを作っているだけで結局何が言いたいの?という内容のものが多かったです(言いたい事というのは恐らくいかにコーカサス系住民が悪い奴らという事なのでしょうが)。

しかし軍国主義論を普及させるかのような映画が溢れている一方でソクーロフ監督の「アレクサンドラ」は同じ題材にして秀逸。監督がアーティストかどうかという所で映画の内容も変わります。
またソクーロフの映画もロシアではそれなりに人気がある訳で、意見が言えないと言われるロシアにも沢山の反動勢力があるという事は理解しておきたいところです。

添付画像は大人気連続ドラマГрозовые ворота。チェチェン領内の砦を守る若き好青年達の物語です。イスラム系過激派の残虐さとロシア人の国に対する忠誠心や純粋さが存分に描かれています。

Thursday 26 February 2009

働く車「ブルドーザー」


朝起きて着替えて外に出ようとすると扉が開かないという事がまれにあります。頑張って開けたら目の前は猛吹雪という事です。本日もそのような状況に見舞われました(写真1)。恐ろしい思いをしながら出勤し、「こんな日に仕事なんてある訳ないでしょう」と警備員に言われてまた恐ろしい思いをしながら帰宅し、2時間もすると風が止み雪が止み、最終的には太陽まで出て来て雪もどろどろと溶けました。しかし一瞬の猛吹雪でまた積雪が50センチは追加されたようで、吹雪の後はブルドーザーの登場です。
豪雪地帯ではない日本の町出身の僕としては、ブルドーザーとは土を何とかしたり石を何とかするような土木工事用の働く車という位置づけだったので、雪が降る度に除雪車となっているブルドーザーをこの町でみては、工夫して本来の目的とは違う用途で使うなんて、ロシアの人はたくましいなあと思っていました。きっとこの町の子供達は、働く車の話になると「ブルドーザーが大好きです!雪の後に道を歩けるようにしてくれますから」何て言うんだろうなあとまで考えていました。

しかしこれは果たして僕の勘違いの可能性もあります。ブルドーザーの本来の目的とは何か?

明鏡国語辞典で「ブルドーザー」を調べたところ、「土木機械の一つ。キャタピラ式トラクターの前面に鋼性の排土板をとりつけたもの。土砂の運搬、削土・盛土・土ならし、除雪などに用いる。」と書いてありました。

驚きました。僕は今までブルドーザーという働く車の用途を半分も理解していませんでした。
国土交通省のHPにも除雪の事例として紹介されています。
http://www.mlit.go.jp/tec/kanri/tsuunen/03tech/case/pdf/c3_01.pdf

写真2は吹雪の後の午後。30分くらい働いただけで道が完成しました。働く車はやはり凄い。

Tuesday 17 February 2009

アルフ


全96話中63〜96話を収録したDVD。

200ルーブル。

何とも言えません。

Tuesday 10 February 2009

大好きなスーパーマーケット”スワローグ”


晴れた日は大好きなスーパーマーケットであるスワローグに行きます。品揃えも悪く、値段も高いのですが他に選択肢はありません。袋のデザインもドサイケで、何とも言えません(写真1)。

そのスワローグへ行くには大変な道のりを通らなければなりません。
家から外へ出ると2メートルを越える雪が積もっております。雪かき済みの道(写真2)を探してそこを歩きます。









雪かき済みの道もそうは長く続かず、積もった雪の上を歩く事になります(写真3)。










途中埋もれている車等を横に見ながら歩きます(写真4)。











頭上には巨大な氷柱が待ち構えています(写真5)。










吹雪の中暮らす野良猫達も現れ、緊張をほぐしてくれます(写真6)。











暫く歩くとついに行き止まりかと思わせるように4メートル近い雪が積もっています(写真7)。










よく見ると階段になっており、ここを登って先へ行くようです(写真8)。








多くの難関を乗り越え、スワローグにたどり着きました(写真10)。

Saturday 24 January 2009

wikipediaで食文化を調べる


この町での生活はもう1年半になるというのに、ロシア料理の方法を何一つ覚えていません。何故かと言うとあまり魅力的ではないからです。日本に留学中の学生からのメールに、「ロシア料理が恋しい」と書いてあったのですが、では一体何を食べたいのかと訪ねてみるとやはり”ボルシチ等に代表されるスープ類”との事でした。
食文化とは何かと、先進国の若者のようにwikipediaでチェックしてみたところ下記のようにまとまっていました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/食文化

僕は外部からの訪問者という域を出る事がありませんが、そんな立場で見ていてロシアの料理はバリエーションが少ないと感じます。

周囲の人間に「ロシア料理とは何か?」と哲学的な質問をしてみる事は多々あるのですが、彼らが得意げに答える料理は決まってボルシチ等に代表されるスープ類です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ボルシチ

そのボルシチさえ実はウクライナ料理との事で始めは驚きました。ウクライナとロシアは何かと仲が悪いですが、ボルシチに関しても誰のものだと揉めている様子です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ロシア・ウクライナガス紛争

どうでも良い事のようにしか思えませんが、食文化に関する上記wikipediaの説明文を読むと軽視できないのもわかります。確かに「テグタンは日本料理です!」という風に世界中にテグタンが紹介されたら韓国政府は怒って日本政府に講義をするかもしれません。そこから領土問題に話が発展し、ついに紛争勃発という事も考えられるでしょう。

ロシア料理とは何か。日本人に訪ねるとボルシチ、ピロシキの2代巨頭で終了すると思います。ロシア人に訪ねてもやはりこの2つで、それに加えてブレニー、ピルメニ、サラダ類などが挙げられ、誇らしげに語ってくれます。これらは日本では有名ではないと思います。ロシア人にとっては世界に誇る自分たちのオリジナル料理のような位置づけになっているようですが、なぜ国外(日本)で有名ではないかというと有名になる要素がなかったからではないかと思います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ロシア料理

まずブレニー。これはパンケーキに似た生地をクレープのように薄く焼き、そこにクレープのように様々なトッピングを施して食べます。クレープ同様、時には甘いジャムやフルーツ、時には肉類や魚介類などでメインディッシュの代わりに。といった具合の食べ物で、つまりクレープです。しかもクレープ同様、ロシアでは昔、王族の食べ物であったとの事です。

ピルメニは中国の水餃子同様小麦粉で作った生地に肉類を包み、それを茹で上げるというものです。アジア料理と違う点はサイズが若干小さいというところでしょうか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ペリメニ

サラダ類は充実しているように感じます。どれもおいしいと思うのですがサラダなだけに本格的な料理という存在感には欠けます。パーティの時などは必ず数種類のサラダがテーブルに並ぶ事になります。ウォッカやコニャック等、強力な酒を飲みながらサラダを食べて中和させるそうです(写真1)。
このサラダを始め、ボルシチでも使われるスビョークラという野菜はとてもおいしく、日本ではあまり見つける事ができないと思います。

その他数種類の料理があるのですが、アジアにおける料理の発見のような目新しいものに欠ける食文化だと思います。美味しいには美味しいのですが、「どう?」と聞かれて充実したコメントは残せません。

実際僕の発見としては、美味しいビールや魚介類主体のつまみ関係です。むしろこれさえあれば僕は満足できる訳なので全然文句はありません。
つまみ関係で大人気なのが、カレイの薫製です。魚の薫製類はロシア全土でつまみとして食べられているそうで、安くはないのですが値段に見合った感動を味わえます。

写真2は近所の友人が得意げに作ってくれた自分のオリジナル料理だそうで、じゃがいもと瓶詰めの茸をかき混ぜながら焼いたものです。。。想像力が完全に崩壊しているように感じてしまいましたが、美味しかったです。

Wednesday 14 January 2009

メディアよ叫べ

1月13日はロシア報道の日だそうです。そしてその日と旧新年が重なりました。旧新年というのは宗教上の関係で昔は1月中旬に新年を祝っていた事を忘れない為に世間で騒がれるお祝いらしいのですが、国民の休日には指定されていません。
報道の日という事ですが、TVのプログラムでは12月31日の夜に放送されていたもののリプレイが多く見られました。その31日に放送されていた番組というのが日本の大晦日番組に近いものがあります。たくさんの芸能人が出て来て食事をしながら歌を歌ったりしています。
中でも今年活躍した有名人の物まねをしながら歌を歌うなど、笑って良いとも!年忘れ特大号のようなものがあって、タモリファンとしては非常に興奮しました。しかも物まねをしている最中に本物が登場して会場も物まねをしている本人もびっくりという演出もあり、なんとも複雑な心境です。更に複雑だったのがそのモノマネ歌合戦にウラジミール・ジリノフスキー(自由民主党党首)が参加していた事です。
報道の日に何か面白い番組があるだろうかと思いTVをつけるとジリノフスキーが歌を歌っていた訳であります。

ロシアの新年は1月1日の午前0時1分前ぐらいからTVで大統領がスピーチをして、そのお言葉を国民は有り難く頂き、0時と同時に乾杯する訳ですが、これがモスクワとカムチャツカでは9時間の時差がある為何度も大統領が出て来て演説する様は少し面白いと思いました。
スピーチでは大ロシアの国民達の健康と平和を祈ってくれましたが、翌日にウクライナへのガス供給を停止しました。

報道の日は自由を叫ぶ日でもありますので、低俗な番組に食われてしまっていては困りますね!

Saturday 10 January 2009

映画と著作権


最近日本のメディアでもウクライナのティモシェンコ首相の話が出ていると思いますが、ロシアでは当然のように毎日トップニュースです。
彼女の経歴のスタートはなんと海賊版ビデオの販売だったそうで、著作権を無視していた首相という事になります。
その海賊版ビデオですが、現在は勿論海賊版DVDという事になっています。カムチャツカでは路上で販売されています。
道にテーブルを設置し、その上に写真1のようなDVDを広げています。
これが凄い。1枚のDVDの中に8〜12作品程度のものが収録されています。どういう仕組みなのかはわかりませんが、家庭用DVDプレイヤーでも再生可能なDVDフォーマットです。
これだけの分量で、1枚150ルーブルです。円高を考えると600円弱という事になります。映画の系列でそろえる事や、監督、役者名などからコンプリートする事も可能です。
例えば、ファンタジー特集というディスクを買うと、ハリーポッターさんやロードオブザリングが1枚のディスクにコンプリートされていたり、スピルバーグと言ったら彼の作品がコンプリートされていたり、ジャッキーチェンというディスクでは彼の作品がコンプリートされているという具合です。
とても便利なので助かっているのですが、見つかる作品はハリウッド映画ばかりで残念です。しかしロシア映画は深い所まで販売されているので、暗くて長いロシアの映画の世界を堪能している毎日です。
そんな中なんと、地元の州立図書館で先月、ポニョが上映されていました(写真2)。オフィシャルのDVDは当然未発売なのですが、大学内の掲示板やバス停などに告知が貼られていたので足を運んでみました。
流されていたのはやはり海賊版のDVDでした。
州立図書館で上映されていたという事は、州公認で著作権を無視しているという事で、これは非常に興味深いと思います。
著作権が守られていないお陰で作品を鑑賞する機会が日本よりも確実に増えている事を考えると、州公認で文化の推進を図っているという考え方もできます。

Saturday 3 January 2009

クリスマスの買い物


アメリカ経済帝国によって活性化されたクリスマスショッピングですが、やはりカムチャツカでも盛り上がっています。
特に最近はこの小さな町にショッピングセンターが乱立し始めています。写真1は最大規模のスーパーマーケットの食料品売り場の様子。
それぞれのお店は31日まで営業、3日から営業開始という具合でした。
31日にはこの食料品売り場がもの凄い行列で、まるでモスクワにオープンしたマクドナルド1号店を彷彿をさせました。どこでも行列をつくるロシアですが、スーパーマーケットが近代化しても行列は無くならないようです。偏に従業員のマンパワーの低さが問題なのでしょう。

写真2は2ヶ月前に開店したデパート。行ってもどうせ大した事ないだろうと近寄らなかったのですが、行ってみるとこれがまるで先進国のような店内。カムチャツカ初のエスカレーターも設置されていて感動しました。近代的なものを見て感じるノスタルジアです。
店内には衣料品、電化製品、本屋、CD屋などが並び、買い物客で混雑していました。

売っているものはやはりどれも高額なものなのですが、それでも商売が成り立つという事は住民の所得が向上しているという事だと思います。

この他、町中に新しいお店が続々とオープンし始めています。第3次産業が発展して行くとサブカルが発展するそうなので、今後面白い町になっていくかもしれません。
そもそもこういった基本的環境がウラジオなどの中堅都市程度に整えば、カムチャツカ半島は世界でも特別な場所なので、もっと注目されて人口も増大していくかもしれないと思います。