Saturday 24 January 2009

wikipediaで食文化を調べる


この町での生活はもう1年半になるというのに、ロシア料理の方法を何一つ覚えていません。何故かと言うとあまり魅力的ではないからです。日本に留学中の学生からのメールに、「ロシア料理が恋しい」と書いてあったのですが、では一体何を食べたいのかと訪ねてみるとやはり”ボルシチ等に代表されるスープ類”との事でした。
食文化とは何かと、先進国の若者のようにwikipediaでチェックしてみたところ下記のようにまとまっていました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/食文化

僕は外部からの訪問者という域を出る事がありませんが、そんな立場で見ていてロシアの料理はバリエーションが少ないと感じます。

周囲の人間に「ロシア料理とは何か?」と哲学的な質問をしてみる事は多々あるのですが、彼らが得意げに答える料理は決まってボルシチ等に代表されるスープ類です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ボルシチ

そのボルシチさえ実はウクライナ料理との事で始めは驚きました。ウクライナとロシアは何かと仲が悪いですが、ボルシチに関しても誰のものだと揉めている様子です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ロシア・ウクライナガス紛争

どうでも良い事のようにしか思えませんが、食文化に関する上記wikipediaの説明文を読むと軽視できないのもわかります。確かに「テグタンは日本料理です!」という風に世界中にテグタンが紹介されたら韓国政府は怒って日本政府に講義をするかもしれません。そこから領土問題に話が発展し、ついに紛争勃発という事も考えられるでしょう。

ロシア料理とは何か。日本人に訪ねるとボルシチ、ピロシキの2代巨頭で終了すると思います。ロシア人に訪ねてもやはりこの2つで、それに加えてブレニー、ピルメニ、サラダ類などが挙げられ、誇らしげに語ってくれます。これらは日本では有名ではないと思います。ロシア人にとっては世界に誇る自分たちのオリジナル料理のような位置づけになっているようですが、なぜ国外(日本)で有名ではないかというと有名になる要素がなかったからではないかと思います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ロシア料理

まずブレニー。これはパンケーキに似た生地をクレープのように薄く焼き、そこにクレープのように様々なトッピングを施して食べます。クレープ同様、時には甘いジャムやフルーツ、時には肉類や魚介類などでメインディッシュの代わりに。といった具合の食べ物で、つまりクレープです。しかもクレープ同様、ロシアでは昔、王族の食べ物であったとの事です。

ピルメニは中国の水餃子同様小麦粉で作った生地に肉類を包み、それを茹で上げるというものです。アジア料理と違う点はサイズが若干小さいというところでしょうか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ペリメニ

サラダ類は充実しているように感じます。どれもおいしいと思うのですがサラダなだけに本格的な料理という存在感には欠けます。パーティの時などは必ず数種類のサラダがテーブルに並ぶ事になります。ウォッカやコニャック等、強力な酒を飲みながらサラダを食べて中和させるそうです(写真1)。
このサラダを始め、ボルシチでも使われるスビョークラという野菜はとてもおいしく、日本ではあまり見つける事ができないと思います。

その他数種類の料理があるのですが、アジアにおける料理の発見のような目新しいものに欠ける食文化だと思います。美味しいには美味しいのですが、「どう?」と聞かれて充実したコメントは残せません。

実際僕の発見としては、美味しいビールや魚介類主体のつまみ関係です。むしろこれさえあれば僕は満足できる訳なので全然文句はありません。
つまみ関係で大人気なのが、カレイの薫製です。魚の薫製類はロシア全土でつまみとして食べられているそうで、安くはないのですが値段に見合った感動を味わえます。

写真2は近所の友人が得意げに作ってくれた自分のオリジナル料理だそうで、じゃがいもと瓶詰めの茸をかき混ぜながら焼いたものです。。。想像力が完全に崩壊しているように感じてしまいましたが、美味しかったです。

Wednesday 14 January 2009

メディアよ叫べ

1月13日はロシア報道の日だそうです。そしてその日と旧新年が重なりました。旧新年というのは宗教上の関係で昔は1月中旬に新年を祝っていた事を忘れない為に世間で騒がれるお祝いらしいのですが、国民の休日には指定されていません。
報道の日という事ですが、TVのプログラムでは12月31日の夜に放送されていたもののリプレイが多く見られました。その31日に放送されていた番組というのが日本の大晦日番組に近いものがあります。たくさんの芸能人が出て来て食事をしながら歌を歌ったりしています。
中でも今年活躍した有名人の物まねをしながら歌を歌うなど、笑って良いとも!年忘れ特大号のようなものがあって、タモリファンとしては非常に興奮しました。しかも物まねをしている最中に本物が登場して会場も物まねをしている本人もびっくりという演出もあり、なんとも複雑な心境です。更に複雑だったのがそのモノマネ歌合戦にウラジミール・ジリノフスキー(自由民主党党首)が参加していた事です。
報道の日に何か面白い番組があるだろうかと思いTVをつけるとジリノフスキーが歌を歌っていた訳であります。

ロシアの新年は1月1日の午前0時1分前ぐらいからTVで大統領がスピーチをして、そのお言葉を国民は有り難く頂き、0時と同時に乾杯する訳ですが、これがモスクワとカムチャツカでは9時間の時差がある為何度も大統領が出て来て演説する様は少し面白いと思いました。
スピーチでは大ロシアの国民達の健康と平和を祈ってくれましたが、翌日にウクライナへのガス供給を停止しました。

報道の日は自由を叫ぶ日でもありますので、低俗な番組に食われてしまっていては困りますね!

Saturday 10 January 2009

映画と著作権


最近日本のメディアでもウクライナのティモシェンコ首相の話が出ていると思いますが、ロシアでは当然のように毎日トップニュースです。
彼女の経歴のスタートはなんと海賊版ビデオの販売だったそうで、著作権を無視していた首相という事になります。
その海賊版ビデオですが、現在は勿論海賊版DVDという事になっています。カムチャツカでは路上で販売されています。
道にテーブルを設置し、その上に写真1のようなDVDを広げています。
これが凄い。1枚のDVDの中に8〜12作品程度のものが収録されています。どういう仕組みなのかはわかりませんが、家庭用DVDプレイヤーでも再生可能なDVDフォーマットです。
これだけの分量で、1枚150ルーブルです。円高を考えると600円弱という事になります。映画の系列でそろえる事や、監督、役者名などからコンプリートする事も可能です。
例えば、ファンタジー特集というディスクを買うと、ハリーポッターさんやロードオブザリングが1枚のディスクにコンプリートされていたり、スピルバーグと言ったら彼の作品がコンプリートされていたり、ジャッキーチェンというディスクでは彼の作品がコンプリートされているという具合です。
とても便利なので助かっているのですが、見つかる作品はハリウッド映画ばかりで残念です。しかしロシア映画は深い所まで販売されているので、暗くて長いロシアの映画の世界を堪能している毎日です。
そんな中なんと、地元の州立図書館で先月、ポニョが上映されていました(写真2)。オフィシャルのDVDは当然未発売なのですが、大学内の掲示板やバス停などに告知が貼られていたので足を運んでみました。
流されていたのはやはり海賊版のDVDでした。
州立図書館で上映されていたという事は、州公認で著作権を無視しているという事で、これは非常に興味深いと思います。
著作権が守られていないお陰で作品を鑑賞する機会が日本よりも確実に増えている事を考えると、州公認で文化の推進を図っているという考え方もできます。

Saturday 3 January 2009

クリスマスの買い物


アメリカ経済帝国によって活性化されたクリスマスショッピングですが、やはりカムチャツカでも盛り上がっています。
特に最近はこの小さな町にショッピングセンターが乱立し始めています。写真1は最大規模のスーパーマーケットの食料品売り場の様子。
それぞれのお店は31日まで営業、3日から営業開始という具合でした。
31日にはこの食料品売り場がもの凄い行列で、まるでモスクワにオープンしたマクドナルド1号店を彷彿をさせました。どこでも行列をつくるロシアですが、スーパーマーケットが近代化しても行列は無くならないようです。偏に従業員のマンパワーの低さが問題なのでしょう。

写真2は2ヶ月前に開店したデパート。行ってもどうせ大した事ないだろうと近寄らなかったのですが、行ってみるとこれがまるで先進国のような店内。カムチャツカ初のエスカレーターも設置されていて感動しました。近代的なものを見て感じるノスタルジアです。
店内には衣料品、電化製品、本屋、CD屋などが並び、買い物客で混雑していました。

売っているものはやはりどれも高額なものなのですが、それでも商売が成り立つという事は住民の所得が向上しているという事だと思います。

この他、町中に新しいお店が続々とオープンし始めています。第3次産業が発展して行くとサブカルが発展するそうなので、今後面白い町になっていくかもしれません。
そもそもこういった基本的環境がウラジオなどの中堅都市程度に整えば、カムチャツカ半島は世界でも特別な場所なので、もっと注目されて人口も増大していくかもしれないと思います。