Sunday 12 October 2008

最下位脱出


6試合を消化して最下位に低迷している関口が所属するルチ・エネルギア。最近ではサポーターの間で関口不要論さえ囁かれはじめていた。というのも、これはフロントの判断であったものの、昨年までのキャプテン、アジンジャールをクリリヤソビエトフへ放出。その穴埋めに関口を加入させ、昨年よりも結果がでていないからだ。昨年までのルチは、時差を武器にホームゲームは快勝するケースが多かったものの、関口加入後は選手の連動性にバラつきが生まれてしまい、選手同士がお互いの良い部分を消し合ってしまう状況になってしまっていた。

そんな中、ブリッチ監督はこの状況をみてフォーメーションをワイドに開いた4−5−1のサイド攻撃重視型から、3-5-2でコンパクトな展開をする方向へ転換。移籍したアジンジャールの双子の弟に右サイドを担当させる。関口はポジションを奪われた形になったものの、紅白戦で意外にもトップ下として機能し、クバンとの試合にトップ下として初先発。憧れのロブソン・ポンテ選手と同じポジションだ。この試合、関口は司令塔的な役割でルチの2トップに絶妙なパスを何本か出す。そして迎えた後半23分、カウンターアタックからFwオスペンスキーがエリア内に切り込みキーパーをポスト際まで詰めさせて、トップ下から走り込んだ関口にパス。ボールはそのままゴールに突き刺さり、関口はプレミアリーグ初のゴールを決めた。
しかしこの試合、終了間際に相手FWカニエンダに決められ、惜しくも1−1のドロー。初ゴールは嬉しいものの、チームが勝利できなかった事は単純に悔しい。なので喜べはしない。

第8節はアムカル・ペルミとの試合。94年設立の若いチームで、プレミアリーグにも04年に昇格したばかりだ。工業都市のペルミは、人口も100万人近くあり、ペルミ州の州都で、シベ鉄も通っている。モスクワからは1400KMも離れているが、大都市だ。
この試合でブリッチ采配は的中する。7試合でノーゴール師匠のスタメン、ティホノベツキーに代わり、紅白戦で結果を出しているストヤノビッチを先発起用。開始13分でオスペンスキー得意のエリア内での切り込みから前節同様横に流すと、並走していたストヤノビッチが落ち着いて決めて早くも先制。この後すぐに追いつかれるものの、エリア内で関口がPKを獲得。兄に代わってキャプテンを勤めるアジンジャールが決めて2−1。その後またも追いつかれる。しかし初スタメンのストヤノビッチはここから連続2発でハットトリック。アムカルを切り離す。その後1点を返されるものの、守備重視の「まずは目の前の1勝」というブリッチ監督は4−3になった時点で守備重視に切り替え、そのまま守りきり、ついに今期初勝利を上げた。

この勝利は選手、監督は勿論の事、負け続ける試合に毎回足を運んでくれているサポーターのお陰だ。

この勝利で最下位を脱出。チームの方向性も見えて来た。

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