Thursday 27 December 2007

瓦斯



この街では人よりも車の方が多い印象ですが、今週いきなりガソリンの値段が高騰しました。通常1リットル25〜28ルーブル(約110円前後)のガソリンが、今週は40ルーブル(160円)まで値上がりしました。ガソリンスタンドの前には車の行列で、3時間以上待って品切れなどという状況にもなっていました。カムチャツカでは殆ど初めてに近い状況だったようで、市民も混乱していました。
しかし今時こんなのもちょっと信じられない話です。原因はロシアのエネルギー外交です。ロシアが欧州を相手に原油を次々と売っているために、逆に自国に目が行かなくなっているという事のようです。そこに来てカムチャツカは陸の孤島なのでタンカーで輸送しなければなりません。モスクワからも最も遠いために、街としての重要性も低く見られているという事もあるかもしれませんが。自国を裕福にさせるためのエネルギー外交が逆に原油の値上がりを招くというのも少し問題があります。
また、ロシアの法律で40ルーブルというのは違法だそうですが、そこは大人の話が展開されたそうです。
ロシアが欧州を相手に商売する事により、露、欧州、中東、米のエネルギー関係や価格も徐々に変化してくるそうです。これも政治の多極化につながるのでしょうか。まあ、エネルギー外交こそが政治の中枢ですが。
しかし通常でも1リットル100円以上するなんて、こちらの給料に比してとても高いと思います。何でも運んで来なければならないために高いそうですが、それにしてもという感じはします。因にplay station3 が25000ルーブル(10万円)だそうです。確かめてませんが、良く聞く話です。

Tuesday 25 December 2007

wwwleningradspb.ru


私立図書館の近くの寂れた場所に小さなCD屋があり、以前から気にはしていたのですが中に入ってみるとなかなかの品揃えで驚きました。レコファンまではいかないものの小型デパート内の新星堂や地方のTSUTAYA位の品揃えです。特にSTEREOLABやSNOWPATROLなんかが売ってたのには驚きです。価格は大体正規版(多分)で200か250ルーブル。800〜1000円程度。ロシア国内のアーティストの場合は大体150ルーブルです。そこで今回ペテルブルグ出身のЛенинград(レーニングラード)というバンドの新作(写真1)と、foofightersの新作を購入。2つで400ルーブルと、日本の感覚からするとだいぶ安いです。
レーニングラードはロシアで人気のバンドですが、歌詞の内容が「汚い」為に公の場には現れません。テレビやラジオでも放送してはいけないそうです。10年近いキャリアのバンドで、音楽のスタイルとしては僕がロシアで買ったどのバンドよりもオリジナリティに溢れていて音楽が好きだというのが伝わって来ます。所謂パンクロックな訳ですが、スタイルとしてはロシアの民族性を崩さない感じの音作りで、アイルランドのthe POGUESのロシア版といった感じです。poguesはよく、irish trad punk と言われますが、ленинградはrussian trad punk です。メンバーは10人以上いて、ラッパ関係やパーカス、アコーディオンやバラライカなど、聴いていてロシアを感じさせます。そしてその歌詞の内容は、酒と女が大好きですという事をひたすらに叫んでいるものが多いです。今回の新譜も、1曲目からコーラス部分では「ウォッカ!ビール!コニャック!」の連呼です。ロシア語では良い言葉悪い言葉の分類が他の言語に比べて多いため、その悪い言葉ばかりを使うと世間からは切り離されるという事みたいです。職場でも一度レーニングラードが良いという話をしたら他の教授様達に変な目で見られました。そして「学生の前では絶対に言うな」との指摘も。
まあ綺麗な言葉を使って嘘ばっか言って毎日テレビに出てくるような人間に比べれば、汚い言葉でも嘘をつかない人間の方がよっぽどいいと思いますが。
foofighters の新作もそこそこ良かったですが、いいかげんキャリアも長くなって来て、3rd以降あまりパッとしないなあと言う感じは今作も同様でした。こういうのはアメリカで売れてるバンドに多いですが、キャリアが長くて作品も気が付くと多くなっている。しかしどの作品も大して変わらない。しかもそれが結構いい。でも大騒ぎする程は良くない。個人的な感想ですが。

まあしかし日本ではおそらくfoofightersの新作はレコファンやアマゾンで1600円前後であると思われますが、日本の給料で1600円とロシアの給料で1000円とを比べると断然感覚としては日本の給料で1600円のCDを買う方が安いですね。

Monday 24 December 2007

レーニン先生の新政策


街の中心を歩くとレーニンが現れます。そのレーニン周辺もニューイヤーバージョンとなっていますが、そんなレーニンをよく見るとだいぶサイケでした。レーニンの足下にはなんと、「統一ロシア」からのメッセージが大きく掲げられていました。ロシア流民主主義を掲げる政党の上に、ソビエト連邦の象徴であるレーニン先生がそびえ立っています。 インターネットの記事などではロシアの報道の自由や民主主義に関する記事をなぜか最近頻繁に目にします。ロシア世論調査の結果分析の記事では、「自由と安定の選択を迫られた際に、ロシア国民は安定を選ぶだろう」という内容のものがありました。安定の上に自由があるという発想からです。この発想は、例えば、バンドを結成してガレージに集合しても、電気が不安定でアンプのスイッチを入れられないならば音はならないという意味です。しかしここで問題にしているのは、国民の目標が安定にあって、その先のものには興味が無い、または知らないということです。ガレージでの目的が電源を入れる事であって、ギターを弾く事ではないということになってしまいます。
でも、ギターを手にしたところで弾き方を知らなければ弾く意味も特段無い訳であり、知っている情報も限られているために弾いたとしても皆同じ曲をプレイしてしまうという感じです。
こういった状況と、メディアコントロールが働いて国民は自由な発想を無くしているという指摘の記事でした。
メディアコントロールに関しては、マスコミを見方に付けているのは統一ロシアのみで、これが危険な統制を生んでしまうという言及もされています。
しかしインターネットではどこの国の情報も集められるし、テレビのニュースにおいては日本よりも情報レベルは上だと思います。なのでよく言われる「ソビエト復活」はあり得ない話であり、統一ロシアも独自の民主主義を目指しています。そのロシア流民主主義というのが安定という事であり、それは所謂先進国の持つ民主主義の定義には当てはまらないみたいです。それが正しいのか正しくないのかは国民の判断する所であり、国民は実際にまだ見ぬ自由よりも日々の生活の安定の方が大事だと判断するのも当然であると思います。
しかしこれだけの大きな国土を見ると、たくさんの可能性が残っているように思え、これらを最大限に活かしてくれればとてもいい社会になると思います。
レーニン先生は統一ロシアの世界をどのように見ているのでしょうか。いずれにしてもこの写真はとても面白いです。
「ロシアを信じよう、自分を信じよう」

Sunday 23 December 2007

演劇



ペトロパブロフスクには2つの映画館と2つの劇場があります。映画館は2スクリーンのものが2つ。劇場も1000人以上収容の立派な物で、同じ形の建物が並ぶなか、歴史を感じさせる形です。
本日は地元の劇団が演じていました。サイケなセットで、30分程の2人芝居を2回繰り返します。1回目と2回目は内容は同じものの出演者の2名が違う人に変わり、セットは同じでも台詞や雰囲気が変わるというなかなかエクスペリメンタルなものでした。演技もセットもハイレベルで楽しめました。お客さんも子供から大人まで様々な層が集まっていていました。エンターテイメントの少ない街なので、何かが開催されると多くの人が集まるという事なのでしょう。
しかし音楽もそうですが、内容はともかく技術のレベルは高いと感じます。雪ばかり降っている事やエンターテイメントの少なさのおかげで、何かを追求するのに適した環境なのだと思います。
様々な情報をもっと増やして、自由な発想を加えたらとてもクリエイティブな街になると思います。

Friday 21 December 2007

戦うジャーナリスト


サハロフ協会の主催する「for journalism as Action 」という賞に、ウラジオストクのジャーナリストでmorning russia所属の、イフゲニー・ソロカという人が選ばれたそうです。記事の内容は、軍隊でのイジメ、しごきを暴いたものだそうです。極東ロシアからは初の選出という事でニュースになっていました。報道の規制やメディアコントロールは世界中で問題になり得る事ですが、ここロシアでは特別に話題にしなければならないとも感じます。軍隊に関する記事や政治に関する記事、同性愛に関する事項等も規制が厳しいようです。軍事や政治に関してはどこの国も同じような政策をとっているとも思えますが、「同性愛」という問題に関しては他の”経済的に発達している国”とは少し違った感覚です。例えば、(広い意味での)メディアを通じて同性愛を批判する事は概ね肯定されています。しかし同性愛を肯定する、または保護するような情報は、厳しく取り締まられているようです。なので周囲の人間と話していても、同性愛者を批判する事に関しては何の疑問も感じないようです。「同性愛者がいてはロシアが滅んでしまう」というのが国の統一見解のようですが、もう少し現実的な批判事項は無い物かとも思います。同性愛に代表される他者。これを受け入れる余裕は、そのまま文化レベルに繋がって行きます。特にここのような地方都市では、違うものというのが殆ど存在しません。その為に受け入れる必要も無くなっています。他の都市に関してははっきりした事はわかりませんが、同性愛に関する報道規制は勿論ロシア全土での事なので概ね雰囲気は同じかと思われます。しかしそんな中、報道規制やタブーを跳ね返す程の記事を書いて行くという行為は、正に journalism as action な訳であり、報道のあるべき姿です。やりすぎると実際に殺されてしまうこの国ですが、このような人が増えて行く事によって文化的視野も広がり、経済も発達する事でしょう。

Saturday 15 December 2007

Гражданская Оборона




「ジャケ買い」という言葉がありますが、CD屋でジャケットを見てかっこいいと思ったらその音楽の内容のいかんによらず購入するという意味です。そういう展開で最近購入した標記、Гражданская Оборонаというバンドはやはり内容もかっこよかったです。ジャケットの通りにサイケなおじさんバンドです(写真1)。音の内容はしゃがれた声の硬派なパンクロックに浮遊間のあるサイケが絡み、ロシア風メロディでまとめるという感じで新鮮なサウンドです。活動歴20年のベテランで、ロシアのパンクキッズにとっては重要な存在のようです。町中でもよくГражданская Оборонаのパッチを縫い付けたジャケットを来ている若者を見かけます。他のCDのジャケットも結構サイケでかっこいいです。



写真2は、「アルマゲドンポップス」というタイトル。よほどポップスが嫌いなのか、頭を抱えています。この良くわからない機械や荒野は、ロシアを感じさせます。





写真3は、紅天狗茸でも食べたみたいにカラフルな景色に動物がたくさん出て来てしまいました。








足を失った男性が町中で倒れてしまいました。












初期の作品集。

Thursday 13 December 2007

РОК Живая Волна


ロックフェスティバルがあるという事で、早速カメラを持って取材に行って来ました。出演するのは地元の学生バンド数組と、ペトロパブロフスク出身でロシア全土で人気のある「スカスカ」というスカパンクバンドと「ベズエモッティ」という自称エモコアバンド。会場は街の中心にある劇場です。劇場のために座敷も指定で、収容人員は500人くらい。ロックフェスというわりに立って見ることはできません。
ペトロパブロフスクの登竜門的なイベントらしく、街の中でも優秀なバンドが出演していたようです。やはり音楽的に面白いものはありませんでしたが、パワーは感じます。この手のイベントに500人以上が集まるということは東京では殆ど考えられない話であり、その分キッズ達はライブサウンドを求めているという事なのでしょう。来ていたキッズ達のファッションも普通の欧州的なロックファッションであり、陸の孤島を感じさせません。
ライブ終了後に2組のバンドとパンクキッズ数名のインタビューを撮りましたが、皆ペトロパブロフスクの音楽シーンは一つの街の誇りであるという感じの話をしていました。確かに上記のスカスカというバンドも、ロシア全土を廻っている所謂プロのバンドな訳ですが、そんな彼等は何も無いと思われているこの街の誇りなのでしょう。しかもとても気さくに話をしてくれました。
そしてもう一つインタビューしたバンドのヴォーカルは盲目。目が見える僕でも生活が大変なこの環境で、目が見えないのに歌をうたうというこのエネルギーには尊敬の念さえ抱きます。彼はまだまだプロでは無いのですが、こんな人が存在するというこの音楽環境は、とても素敵だと思います。
この街の音楽の視野はやはりロックシーンに於いてもまだまだ発展途上ではありますが(CDさえまともに手に入らない環境)、会場の扉を開けると聞こえてくる爆音の興奮は、どこの国のどこの街のどこの会場でも同じだなあと感じます。

Friday 7 December 2007

クラブ文化


ペトロパブロフスクは小さな街ですが、クラブが10件くらいあります。毎月パーティを開催する団体なども存在し、その点は日本や欧米諸国と同じスタイルです。写真1はドラムンベースのイベントで、毎月開催されています。ガンダムのようなデザインが施されています。しかもDJ-iceという名前のDJがいます。街の若者としてはやはり金曜土曜の夜にはクラブに出かけるという習慣が根付いているため、週末はどこのクラブも満員です。本当に街の人が全員来たのではないかと思うくらい満員になります。外国から有名なDJやバンドが来るという事は殆どありませんが、モスクワやペテルブルグからDJを招待するということはあるようです。ジャンルも様々と言いたいですが、僕が知る限りではR&B,hiphop,electronica,techno,drum'bass以外のイベントは見た事がありません。



写真2、3は9月に行われた野外イベント。野外と言っても本当に野外で、道のない険しい山を車で登りつめたところで行われました。その険しさといったらフジロックとは比較出来ないほどです。なんの目印も無く道もないというのに、何故か人が沢山集まっていました。寒いのに。



クラブカルチャーが根付いているのは良い事だと思いますが、もう少し音楽の幅が今後広がって行く事に期待しています。クラブというのはそもそも情報の発信地であるべき場所なので、そこで今までに無い音楽をプレーすることがこの街の音楽の幅を広げて、そして人間の幅も広がるのではないかと思います。
クラブのエントランスは大体300ルーブルなので1200円くらい。中でビアを頼むと400円くらいします。こちらの平均収入に比してもの凄く高いのですが、なぜか皆行きます。しかし裏を返せば、平日は仕事の後に飲みに行くなどの習慣もないので、金を使うのは週末のみという感覚なのでしょう。

Tuesday 4 December 2007

Партия любителей пива


今回の選挙では11の政党が議席を争いましたが、そこには入らなかった伝説の政党を発見しました。以下、人から伝え聞いた情報とインターネット上での情報なので信憑性は100%とは言えませんが、僕がこの政党の存在を知った最初の日の記録として現時点での情報を日本語で記載します。
その政党の名は「Партия любителей пива」英語で「Beer Lovers Party」 ,日本語にしたら「ビール愛好党」とでも言うのでしょう。ロシアでは93年に結成、94年に正式に政党として登録。当時の党員は1700名以上。党首はドミトリーシェスタコフという先生。党の目標は「人種、出身、宗教の分類に捕われる事無く、全てのビール愛好家を守る」というもの。「ライトビール(ラガーやピルスナー等)派、「ダークビール(スタウト、エール等)派」、「クワァス愛好派」と派閥も存在します。いくつかの企業等からサポートを受けて、「良いビールを飲む為の環境保全」をテーマに、95年の選挙に登録。党のスローガンは「安全な社会作り」。ビールのみではなくソーセージや肉など、何かを愛する力を大切にするという主張をしている。ロシア全土に60の支局を持ち、選挙の際には少数ながら支持も集める。ただ政党としての成功とは程遠く、98年にスポンサーが降りたのを切っ掛けに事実上の活動は停止。しかし現在でも組織自体は存続している。ロシアでの結成は93年であるものの、元々はポーランドで90年に結成。Janusz Rewińskiという人が創始者。当初の主張は、「ウォッカなどのハードドリンクよりもビールを推奨。アルコール依存症の根絶」。91年の選挙では約3%の支持を得て16議席を獲得と健闘。しかしその後、党首Janusz Rewiński先生の「ライトであろうがダークであろうがビールは皆美味しい」という発言が原因で派閥間の対立が強まり空中分解。その後ロシアへと活動の場を移して行った。
という事です。
表面的な部分を重視すると名前の時点で人々からは馬鹿にされそうですが、人種差別を無くそう、平和な社会を作ろうと、極めて明確で素晴らしい目標があります。考えの軽い快楽主義だという捉え方をされている70年代のサイケカルチャーのような単純な考え方です。しかし民族主義を煽る最近のロシア社会にあって、この政党の存在は必要なことのようにも思えます。
統一ロシアの問答無用の圧勝は今後、ロシア国民以外にとって危険な方向へと向かう可能性があります。自国の利益のみを視野に入れるというのは個人レベルでは世界観の狭い人間を育てる結果になってしまいます。そこに来てこの政党の復活こそが、今後の世界の政治を良い方向へと転換させる鍵となるでしょう。
今こそ皆、ビールを手に取ろう。Beer Lovers Partyの復活を願って。

Monday 3 December 2007

政党のロゴ

テレビでニュース等を見ていると、選挙速報が画面の端に表示されます。その表示方法はサッカーの順位表にも見えて来ました。各政党のロゴマークがそれぞれ縦に表示され、ロゴの隣に現時点での成績が表示されるからです。そしてそれを見ていておもったのですが、ロゴがかなりかっこいいです。

写真1は統一ロシア。熊ちゃんが「統一ロシア」ってしゃべっているような仕上がりです。ロシア人は熊はロシアの代表的な動物であると捉えているようです。「中国のパンダと同じだ」と以前友人に自慢されました。



写真2は自由民主党。未来警察っぽいデザインになっています。ジーンシモンズとか出て来そうです。



写真3は共産党。やはりロシアデザインの真髄ですね。鎌と槌です。












写真4はunion of right force。スタートレックかエウーゴみたいでかっこいいです。



写真5はpeople's union。2色の旗のみでしかも柏レイソルみたいですが、ロシア語が書いてあるとそれもかっこよくなります。



写真6はCivilian Power。一番かっこいいです。これこそサイケの極みです。



狙った訳ではなくサイケなものが自然発生するこの環境は、奥が深いです。

Sunday 2 December 2007

民主的選挙


2003年の同選挙に比べて投票率を15%ほど引き延ばした今回の選挙は10月時点での浦和レッズのように統一ロシアがダントツです。
日本や米などの「民主主義」国では全体で平均50%前後の投票率だそうで、今回ロシアでも50〜60%だそうです。地域別の最高投票率は70%代で、モスクワでは40%代だそうです。一方、民主主義国でも棄権者に罰金を課すオーストラリアやシンガポールは90%以上だそうで、このような点から50%前後の投票率というのは棄権も認めていて極めて民主的な一例のようにも伺えます。
また、各紙、報道番組では中央選挙管理局のコメントを発表しています。その内容の一つに、「国際監視団からは何も指摘はされなかった」というものがあります。OSCE(欧州安保機構)もタス通信の記事には国際視察団の代表者として名前が掲載されています。それにしてもOSCEにビザを発給しないという問題はロシアではあまり報道されていませんでした。されていても、ごく少ない情報でした。そこに来てこのような記事が掲載されると、やはり裏で何が起っていたかなどはもはや国民の感心から外れてしまいます。ただ僕の印象としては、メディアコントロールを抜かせば(というか投票自体は)公平に行われているようにも見えたので、もう少し国際社会に公開しても悪い事など何もなかったのではないかと思います。ここまで「我々は民主的です」というアピールをなぜする必要があるのか、疑問に思う点はどうしても残ってしまいます。

Saturday 1 December 2007

商品化しているプーチン


今日は下院選挙です。投票率が高いようで、選挙会場は列ができる程になっています。極東のここカムチャツカから始まって西のカリーニングラードで終わります。前述したように、国民の多数は与党統一ロシアを支持しています。支持率が7割を越えると言われている大統領自らが与党の比例代表者名簿に名を連ねた事により、その高い支持率を下院選挙の結果に反映させようとしています。大統領としての地位を利用した凄いやり方です。3日前には全てのニュース番組でプーチンの演説だけを特別に放送。僕の所には着ませんでしたが、有権者の携帯電話にメッセージで投票も呼びかけたそうです。これはなかなかのメディアコントロールです。さらにプーチンはOSCE(欧州安保協力機構)による選挙監視団へビザを発給しませんでした。「外国の干渉を受けない」とのことです。内政干渉はするものであってされるものではないようです。しかしこれに対する有権者の反応を数人にインタビューしましたが、「プーチン様の言う通りだ」と言います。プーチンの魅力は何だ?という問いには、「ロシアのために色々な事をやってくれている」という意見が多かったです。確かに色々やってますが。「かっこいい」などの意見も多いです。モスクワではプーチンの写真展なども開催され、盛況だったそうです。TVCMなどでもなんだかアイドル的な写し方をしたプーチンが出て来たり、何だか去年亡くなった某国大統領とあまり変わらないような気がします。もうこの際、プーチンブランドでも作ってプーチン歯磨きとかプーチンシャンプーとか売ればいいのにと思います。プーチンランドとかもいいかもしれません。
そんな凄いやり方をしている統一ロシアのポスターに記載されている言葉。
「ロシアの為に、プーチンの為に、カムチャツカの為に」

凄いです。