Tuesday 17 November 2009

アルコール


日本の生活では交際費が非常に高く付きますが、カムチャツカではあまり高くありません。第一に第三次産業が殆ど発達していないという点が上げられます。友人と面会しようと言っても、どこかのカフェで会おうにも行きたくなるようなカフェが少なく、行っても大した事が無い訳でしたがって家で飲む場合が多くなります。
その時にビアが安いというのは全く持って心強い限りであり、このドラフトビア量り売りシステムは本当に驚愕のシステムです。
町の至る所にあるキオスクスタイルのビア屋さんでおばさんにペットボトルを渡してそこにビアをサーバーから注いでもらいます。カムチャツカという名前のこのビアの値段は1.5リットルで90ルーブル(約300円)です。新鮮で飲みやすく、ガスも入っていないために非常にまろやかで喉越しもかなり良いです。4%のライトなアルコール度数は、もはやビアでは無く別の新しい種類の飲み物であるかのような錯覚を覚えさせる程の爽やかさです。
カムチャツカでは全ての水道から出る水がそのまま飲めます。水の味もとても美味しいので、ビアが美味しいのも納得できます。
「カムチャツカ」がペトロパブロフスクを代表するビアであるのに対し、隣町エリゾボも半年程前から新しいビアを販売しています。「ババロスコエ」という名前で、バイエルンという意味です。なぜカムチャツカでバイエルンなのかとも思いますが、こちらはピルスナースタイルのやはり飲み口爽やかなビアで、2年間1位の座をキープし続けたカムチャツカの地位を揺るがす存在です。こちらも値段は1.5リットルで90ルーブルです。
1.5リットルで300円という事は1000円もあれば4.5リットルも飲めてしまうという事になります。
しかしここで問題になってくるのが、ビア以外のアルコール飲料です。ビア以外のチョイスとしては、ヴォトカ、ワイン、コニャック、シャンパンが一般的です。
ヴォトカはこれは恐らく全てのアルコール飲料の中でも一番選択肢が広いと思われます。安い物で0.5リットル70ルーブルからあります。これは勿論大変酷い内容のヴォトカで、もはや飲み物ではありません。一般的には0.5瓶を150ルーブル程度で買うとまあ悪いヴォトカではないという認識のようで、勿論高いものになると400ルーブルぐらいのもあります。が、正直違いがあまりわかりませんしそもそもヴォトカは理解不能な飲み物です。ヴォトカの位置づけですがこれはどうも若い人達の間ではそんなに市民権を獲得しているようには見えません。アルコール中毒者や中年以上の男女に親しまれているように見受けます。勿論パーティや何かでヴォトカを飲もうという習慣は若者の間でも浸透していて、これはやはりロシア文化の一つなのであろうと思います。ワインは輸入もの、国産ものが多く存在しています。輸入ものは通常の0.75ボトルで値段に差があるものの、日本で安く販売されているようなスペイン産、チリ産のものなどは500ルーブル以上はします。比して国産ワインというものがあり、これはコーカサス地方で作られているものが多いようです。僕はよくクバンのワインを買いますが、これは1リットルで150ルーブルで、小さなお店でもよく売っている安いワインの代名詞的存在で、日本で言うところの「うれしいワイン」のような位置づけでしょうが味は悪くありません。
コニャックはロシアに来るまでは正直あまり飲んだ事の無い飲み物でした。VSOPなどのブランデー類と同類に日本の市場では扱われているようで、フランス産のものをブランデー、ロシア(関係の国)産のものをコニャックというそうです。このコニャックも40%強のアルコール度数を誇るものの、「味がある」という点においてヴォトカとは大きく異なります。値段もヴォトカの2倍以上はします。このコニャックがかなり浸透している印象で、ヴォトカなどを毛嫌いする人間にも好評で、酒自体あまり好きではない女性でも、コニャックなら飲めるなどと言わせてしまう程に魅力的なようです。
女性にはシャンパンが人気です。日本ではあまり普段からシャンパンを飲むという事は少ないと思いますが、ここでは日本でビアが嫌いな人がカクテルを頼むという程度にシャンパンが飲まれています。安いもので1リットルのボトルが150ルーブルからあり、値段も安いので手を出しやすくなっています。
さてこれらが一般的なアルコールのチョイスであり、つまりカクテルというものがあまり人気がありません。理由は簡単でリキュール関係が恐ろしく高額だからです。これはもはや恐怖です。
まず1リットルのJ・ダニエル。これが2200ルーブル(およそ6600円)もします。日本では1580円程度のものです。またユーティリティ系ジンとして知られるビフィーター、日本のやまやなどでは1280円程度で販売されている1リットル瓶ですが、これも1800ルーブル(5400円)もします。女性に人気のベイリーズも同様、リットル2000ルーブルを超えます。こうも高くなってしまってはこれらの酒類を飲む意味というものが変わって来てしまいます。
このような値段事情が関係してビア・ヴォトカがやはり一番人気な飲み物となっています。高いものに手を出さなくても美味しいものがあるというのであれば、当然そちらに目がいく訳でそうやって行けば交際費も必然的に安く納まっていきます。
時々カクテル関係が飲みたくなるものの、トータル的にはカムチャツカの酒事情はかなり気に入っています。
一番美味しいものが一番安いという環境は非常に魅力的ですね。

写真はパッケージされて売られているカムチャツカ。0.6リットルで100円程度。

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