Friday 27 February 2009

祖国防衛者


2月23日は「祖国防衛者の日」という国民の祝日だそうで、祖国防衛者というのは軍隊の事であり、これはつまり男性のための祝日だそうです。女性達が男性達に会うと、おめでとうございますと言ってくれます。しかし僕は一度も祖国を防衛した事が無いのでおめでとうと言われても素直に喜べません。
いかにも軍国主義の国らしい祝日ですが、町の中心では軍隊のパレードなどが行われていました。僕は寒いので一日中家の中にいたのですが、朝からTVでは軍隊の話ばかりでした。映画も軍隊の映画ばかりが何度も放送されていました。

中でもチェチェン/コーカサス、アフガン系が多く放送されていました。チェチェン/アフガン系の映画は人気があり、僕も調査の為にDVDを買って数本見ました。

偏見に満ちあふれた感想になってしまいますが、沢山ある映画のうち僕のみた中の数本に共通していたのが、
1:イスラム系過激派がいかに残虐かという描写
2:主人公が所属する部隊の隊長は過去にイスラム系テロリストに家族を殺されている

という2点でした。主人公の属する部隊は、イスラム系過激派武装勢力の残虐かつ卑怯な手段の前に多くの仲間達を失いながら何とか援軍を待ち、最終的にロシアが勝利するという流れのものが多いような気がします。

一般的に秀逸とされている戦争の映画は、主人公の人を殺す事への葛藤を通じて戦争の愚かさを訴えるものが多いと思います。
しかしこれらの作品はその部分の描写は薄く、戦場で仲間を守り、失い、という人間の生死による感情を利用したドラマを作っているだけで結局何が言いたいの?という内容のものが多かったです(言いたい事というのは恐らくいかにコーカサス系住民が悪い奴らという事なのでしょうが)。

しかし軍国主義論を普及させるかのような映画が溢れている一方でソクーロフ監督の「アレクサンドラ」は同じ題材にして秀逸。監督がアーティストかどうかという所で映画の内容も変わります。
またソクーロフの映画もロシアではそれなりに人気がある訳で、意見が言えないと言われるロシアにも沢山の反動勢力があるという事は理解しておきたいところです。

添付画像は大人気連続ドラマГрозовые ворота。チェチェン領内の砦を守る若き好青年達の物語です。イスラム系過激派の残虐さとロシア人の国に対する忠誠心や純粋さが存分に描かれています。

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