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Thursday, 17 September 2009

映画祭



僕が音楽を担当している福島拓哉監督の最新作、「our brief eternity」 が東京国際映画祭、「ある視点部門」にて上映されます。
是非皆さん見に来てください。
↓公式サイト
http://www.p-kraft.com/obe/

日本からのブログアップは初体験ですが、画像のアップロードの早さにはビックリです。

Saturday, 10 January 2009

映画と著作権


最近日本のメディアでもウクライナのティモシェンコ首相の話が出ていると思いますが、ロシアでは当然のように毎日トップニュースです。
彼女の経歴のスタートはなんと海賊版ビデオの販売だったそうで、著作権を無視していた首相という事になります。
その海賊版ビデオですが、現在は勿論海賊版DVDという事になっています。カムチャツカでは路上で販売されています。
道にテーブルを設置し、その上に写真1のようなDVDを広げています。
これが凄い。1枚のDVDの中に8〜12作品程度のものが収録されています。どういう仕組みなのかはわかりませんが、家庭用DVDプレイヤーでも再生可能なDVDフォーマットです。
これだけの分量で、1枚150ルーブルです。円高を考えると600円弱という事になります。映画の系列でそろえる事や、監督、役者名などからコンプリートする事も可能です。
例えば、ファンタジー特集というディスクを買うと、ハリーポッターさんやロードオブザリングが1枚のディスクにコンプリートされていたり、スピルバーグと言ったら彼の作品がコンプリートされていたり、ジャッキーチェンというディスクでは彼の作品がコンプリートされているという具合です。
とても便利なので助かっているのですが、見つかる作品はハリウッド映画ばかりで残念です。しかしロシア映画は深い所まで販売されているので、暗くて長いロシアの映画の世界を堪能している毎日です。
そんな中なんと、地元の州立図書館で先月、ポニョが上映されていました(写真2)。オフィシャルのDVDは当然未発売なのですが、大学内の掲示板やバス停などに告知が貼られていたので足を運んでみました。
流されていたのはやはり海賊版のDVDでした。
州立図書館で上映されていたという事は、州公認で著作権を無視しているという事で、これは非常に興味深いと思います。
著作権が守られていないお陰で作品を鑑賞する機会が日本よりも確実に増えている事を考えると、州公認で文化の推進を図っているという考え方もできます。

Friday, 6 June 2008

映画館と文化

シネキタ閉館のお知らせが東京の映画界で話題になっています。
下北沢のスズナリ横町というところにある映画館で、周りの雰囲気もよく、本当に素敵な独立系映画館です。詳しくはシネキタのHP、及び存続活動を開始している監督のブログを参考にしてください。
http://www.cinekita.co.jp/index.html
http://blog.goo.ne.jp/baohr/e/d22a6616c10d212445eb1b8787e73683

海外の人に東京という町の特徴を尋ねられたときに、僕は必ずそのサブカル度の高さを説明します。その際に必ず言うのが、こういった所謂ミニシアターが多いと言う事。ハリウッドメジャーが好きな人たちにとっては日本は映画の公開が遅いという事で不評なようですが、このような映画館が世界でもトップクラスに多いというのは充分に誇れる事だと思います。
カムチャツカにはミニシアターなんて単語さえ存在しないのですから。

ミニシアターが無いという事の悲しさは、無い町に住んでみないとわかりません。逆にミニシアターのある喜びも、ある町に住んでみないとわかりません。大きいもののみが残り、小さいものが消えていく構図というのが東京文化の特徴の一つを奪おうとしている気がします。

ここカムチャツカには映画館が2つあります。日本と同じ国土の半島で、町や村も半島全体に点在しているものの、映画館はたったの2つです。ハリウッド系を上映するシネマコンプレックスです(現在もう一件建設中ですが、もうすでに2年工事やってて未だに骨組みが完成した程度です)。
そう考えても映画館のある生活というのはこういう場所に住んでるものにとっては憧れなのです。ましてや独立系映画館なんて最高です。

個人的にもこの映画館は僕の音楽を初めて流してくれたところなので思い入れもあります。
ただ東京では、閉館しても根強いファンからの復活の要望があり、何とかしてまた開館したミニシアターがいくつか存在していますので、シネキタも復活すると信じてもいいのではないかと思います。

Tuesday, 1 April 2008

コーカサス誘拐事件


ソ連映画の傑作を日本語で紹介します。傑作といってもタルコフスキーや初期のソクーロフのような本当の傑作ではなく、あまり海外流出してない大衆映画を対象とします。

кавкаская пленницаという映画、英語でのタイトルはkidnapping caucassian styleとなっています。海外セールスはアメリカでのビデオセールスのみのようです。
67年モスフィルムの制作で、監督はイワンワシリビッチと同様、レオニードガイダイという人です。

民俗学の調査のためにコーカサス地方を訪れたシュリック(大学院生?)は、綺麗な女子と恋に落ちる。しかしその女子は、彼女の叔父によって地元のギャング組織に身売りされていた。ギャングの手先が女子を捕まえようとするものの何度も失敗するため、困った叔父は女子とデートしているシュリックに近づき、「コーカサス地方の伝統では、自分の好きな女子を誘拐させるものだ」と言い、それを鵜呑みにしたシュリックは誘拐の手助けをする。というアホな内容です。

かなり面白いです。ロシア人の間でも大人気の映画らしいです。コーカサス地方とは、ロシアの西側、黒海とカスピ海の間でイランやトルコと国境を接している地域です。日本人にとってはコーカサス山脈やコーカサスヨーグルトで馴染みがあり、力士の黒海や露鵬もこの地域の出身です。国でいうとグルジアやチェチェン、ダゲスタン、アルメニア、アゼルバイジャンなどの辺りです。なので現在のロシアとは住んでいる人種が全く違い、宗教もイスラム教徒が中心となっています。ソ連時代にはコーカサス地方として一括りに考えられていたようで、同じ国なのに殆どロシア人しかいないここカムチャツカとは住んでいる人種が全然違うというのはちょっと他の国の人間には想像し難い状況かもしれません。また上記の国名を見てもわかる通り、ソ連崩壊後は民族間/対露紛争の絶えない地域でもあります。なので現在ここカムチャツカにおいては多数の人間がこの地域を嫌っている印象を受けます。しかしこの映画を見てもわかるのですが、ソ連時代は比較的普通にロシア人とこの地方の人間が交流していたように思えます。何となくの印象ですが、年配の人達はあまりロシア人以外の人種に対して違和感を感じていない気がします。ソ連時代は巧く共存できていたという事かもしれません。

この映画もその例で、同じ国の中のコーカサス地方の習慣を冗談として扱うと同時に、この地方の美しい部分も表現しています。60年代ソビエトの平和な雰囲気が凄く伝わってくる上質なコメディ映画です。ブレジネフ書記長時代のソ連は、他の国には冷徹な社会主義国家という印象しかなく、丁度それは現在日本人が朝鮮民主主義人民共和国に対して抱いている印象と同じようなものだと思いますが、本当にそのような状況であればこんなに面白い映画はできなかっただろうと思います。作品の検閲は相当に厳しかったと聞きますが、その限られた中での表現が作家の想像力を奪うのではなく逆に大きくしている印象も受けます。

それにしてもこのレオニード・ガイダイという監督はいいです。新しく好きになった監督です。この人の映画にいつもシュリックという名前で主演しているアレクサンドル・デミヤネンコという人も間抜けな感じで良い。ゴダール先生とジャンピエール・レオーのコンビに匹敵するくらい気に入っています。

Sunday, 9 March 2008

Невероятные Приключения Итальянцев в Росии



ソ連映画の傑作を日本語で紹介します。傑作といってもタルコフスキーや初期のソクーロフのような本当の傑作ではなく、あまり海外流出してない大衆映画を対象とします。

標記の映画、映画でのタイトルは「unbelievable adventure of italians in russia」となっています。
74年、モスフィルムの製作で、監督はエルダー・リャザノフ、フランコ・プロスペリという2人の共同監督です。
ローマの病院で一人の老婆が息を引き取る際、孫娘に「レーニングラードに宝を埋めた」と言い残す。病室にいた全員がその情報を聞き、皆でレーニングラードへと向かう。そこにソ連の警察からの潜入捜査官が宝探しに参戦するというストーリーです。

前半15分程はイタリアでのシーンなのでイタリア人監督も共同しているようですが、何故か出て来るイタリア人が全員流暢なロシア語を話します。公園で寝ているホームレスのおばさんなんかも、ロシア語を話します。
6人のイタリア人とロシア人の潜入捜査官が邪魔をし合いながらお宝を探す訳ですが、そこに本物のライオンまで混ざって来るというサイケな内容です。ロシアンカーLADA2台によるカーチェイスなど見せ場が盛りだくさんですが、中でも最高にサイケなのが、ライオンから逃げるために全員が巨大マトリョーシュカの中に入ってマトリョーシュカがことこと逃げるシーンです。坂道を何体ものマトリョーシュカが転がって行くシーンもあります。どんな状況でもマトリョーシュカは常に笑顔なのが最高です。

70年代レーニングラードの町並みが凄くきれいに映っているのでそれだけでも見る価値があると思います。見ていて都会に憧れました。

Thursday, 6 March 2008

Иван Васильевич Меняет Профессию



ソ連映画の傑作を日本語で紹介します。傑作といってもタルコフスキーや初期のソクーロフのような本当の傑作ではなく、あまり海外流出してない大衆映画を対象とします。
標記の映画、「ivan vasiliebich changes his profession」→「イワン・ワシリビッチの転職」

1973年、モスフィルムの制作です。監督はレオニード・ガイダイという人です。
73年、モスクワ。ハカセのシュリックは、アパートの一室でタイムマシーンを開発していた。実験が成功しようかというところに、管理人のイワン・ワシリビッチ、泥棒のミロフスキーが入って来て、アクシデントでこの2人は16世紀へと送られてしまう。かわりに16世紀のモスクワからはもう一人のイワン・ワシリビッチ(雷帝イワン)が送られて来る。ハカセが壊れてしまったタイムマシーンを修復している間、16世紀に送られたイワンはその雷帝としての生活を楽しみ、20世紀にやって来たイワンは近代的な生活を楽しむ。

という内容のコメディですが、最高です。まずオープニングがもう最高級にかっこいいです(以下youtubeリンク)。

http://www.youtube.com/watch?v=d5AOgMfVizQ

このオープニングの興奮で最後まで引っ張ってる感じがしました。サイケでクールとは正にこの事でしょう。クールだからサイケなのかサイケだからクールなのかわかりませんが。とにかくソ連映画に多いこのサイケっぷりはたまりません。黒地に白の大きいフォントをつかてるところもカッコいいです。イワン・ワシリビッチは上記の通り、日本では「雷帝イワン」として中学の世界史でも勉強する有名人です。残忍/凶暴な事から「雷帝」といわれたそうです。登場する2人のイワンは1人2役。これもイカしたコメディの基本要素です。

ところでこの「イワン」という名前は、数年前まではトルストイの名作「イワンの馬鹿」のせいでバカにされる対象だったそうです。つまり、イワンという名前の男子は周りからイワンイワンと揶揄されていたそうです。そして時代は変わり、何があったか現在は「ワシリー」という名前がその代わりを担っているそうです。つまり、イワン/ワシリー供にバカといって虐められる対象の名前と言う事です。

英語版のタイトルはなんと「Back to the Future」だそうです。タイムマシーンものということで英語で考えたらこの名前になるのは当然なのかもしれませんが、もしかしたらマーティ・マクフライ主演のback to the futureも、何かヒントを得ているかもしれないですね。映画の雰囲気もビルとテッドの地獄旅行みたいでかっこいいです。

それにしてもソ連の映画は全てエンドロールが無い。昔の映画のようにスタッフロールがオープニングに来ています。これがトータルデザイン的にもかっこよく、エンドロールが無いので「終わり」の一言でブラックアウトする瞬間的な世界の切り替わりが非常にカッコいいです。何か決まりでもあったのでしょうか。詳しい人いたら教えてください。

Wednesday, 13 February 2008

日本の映画


学生約30名に日本の映画について知っている事を話してもらい、内数名に日本映画の歴史や特徴についてプレゼンテーションをしてもらいました。
歴史や有名な監督などについてはよく調べてくれましたが、日本映画の特徴となるとこれは自分で観ないと判断できないところであり、そのような環境にない彼等には少し難しかったようです。
黒澤監督や溝口監督辺りは西洋でも人気の基本監督とされていますが、やはりそれは映画好きの人達の間での話であり、一般的な大学生ともなると話は別です。この2名の監督など名前も聞いた事が無く、しかし北野武等は皆好んでみているようです。日本映画といえば、タケシの”座頭一”、そしてホラー映画の”リング”だそうです。感覚としては、日本人に「タイの映画といえば?」と質問すると、”オンバーク”や”アタックナンバーハーフ”等を想像してしまい、映画好きの間では有名な若手監督は名前も挙がらないというのと同じだと思います(作品の質では無く知名度という意味)。
西側諸国同様に、リングのヒットを皮切りに日本のホラー映画が流行り始めたそうですが、アメリカのホラーは単調だが日本のものは独特だという意見が多かったです。
リングを見たのが切っ掛けで日本に興味を持ったなどという意見もありました。どうなんでしょうか。

世界中どこでも映画ではやはりインディペンデントの地位は低いものですが、このような街ではメジャー映画以外は観る事ができないと言っても過言ではない状況もあります。それはロシア国内の映画であっても同じです。
しかし東京も含む世界中の一部の大都市ではシネマテークやミニシアターが盛んなものの、それは一部のマニア向けという状況はあると思います。
日本人は溝口監督作品を観ないし、ロシア人はソクーロフの映画は観ないといった感じだと思います。
しかしトランスフォーマーなんかは東京でもカムチャツカでも大ヒットというのも悲しいですね。トランスフォーマー大好きですけど。コンボイ司令官強いし(写真1)。主人公の男子がバンブルとの友情を通して人の為に自分を犠牲にすること学ぶし。
アメリカの大作はやはり偉大ですね!

Wednesday, 16 January 2008

теория запоя



ロシアの習慣の一つに、「ザポイ」というものがあります。酒を飲み、疲れたら数時間寝て、起きたらまた飲み始めて、疲れたら数時間ねて、起きたらまた飲み始めて。。。というのをできる限る続ける習慣です。勿論皆やるわけではないです。
一般的にアルコール依存症の人の数がかなり多い国ですが、北米の依存症問題とは少し枠組みが違うように見えます。

その「ザポイ」を題材にした最強の映画が標記のタイトル。英語で書くなら「the theory of zapoi」、日本語なら「ザポイのセオリー」となるでしょう。タイトル通り、アル中の主人公(30代半ば)が数日間ザポイを続けるというだけの映画です。
奥さんが煩いので外に酒を飲みに行き、行く所も金もないので「哲学酒飲み」の隣人を尋ね、二人で飲んでいるうちに様々な人がザポイに参加して来るという内容です。最高でした。こんなにも飲んでるだけの映画は初めてみました。

2003年の映画で、サウンドトラックはレーニングラード。監督はなんとナターリヤ・パゴ二チェワという名前の女性です。
こういう映画を女性が監督しているというのは中々勇気づけられます。

ロシアでは様々なものが両極端ですが、こういう飲み方をするか殆ど飲まないかのどちらかという印象を受けます。勿論適量を楽しんで飲んでいる人もいますが、酒を飲むというのはこういう飲み方を指すようです。
酒が好きだというと、一般的な人達からはちょっと嫌な目で見られます。ザポイには文化を知る上で何度か挑戦しましたが、全然楽しくないです。飲む酒も良いものであればまだ良いのだけれど、だいたい安いウォッカです。
この国でのアル中問題は深刻だと思います。町中によく血痕を見るのですが、これは酔っぱらって外で喧嘩してできたものです。夜外を歩いてると良く見ます。
そしてよく人の家の窓に何かを投げたり、物を壊したりして楽しんでいます。やられた方は溜まらないでしょう。

酒は楽しんで飲むものであって欲しいですね。

Wednesday, 9 January 2008

Смокинг по-рязански


毎日のように日本では絶対に観られなさそうなロシア映画を見ていますが、標記の映画は中々面白かったです。というより、興味深かったです。リャザンの田舎町からモデルを目指してモスクワに出て来た女子が、あるデザイナーチームの専属モデルとなりチーム4人で頂点を目指し、失敗を繰り返しながらも結束を強めて行き、同時にデザイナーと主人公の女子の恋も芽生える。やがて主人公の女子は憧れの有名デザイナーに引き抜かれるものの、真実の愛に気が付いて元の事務所に戻るといった、何でも無いハリウッド映画のような内容です。

ロシア映画として海外進出しているものは前衛的なものや文学的なものが多いと思いますが、このようなポップな青春ものもあるというのはあまり知られていないと思います。似たような内容のハリウッド青春ラブコメディなんかも海外進出する数は少ないと聞きます。DVDでは輸出されるけど、劇場公開は少ないそうです。それは文化の違いでギャグが理解し難い等の理由からだそうですが、ここまで工夫が無い内容であればどこの国の映画も同じだなあと思いました。単純に楽しめるという意味で。90分で終わるポップな青春ものでクライマックスのシーンがパーティ会場なら、どこの国の映画でも面白い。

しかし音楽でも同じですが、市場原理主義の影響で消費芸術と言われてしまうものが沢山生まれています。カリフォルニア産のヘヴィロックのようなバンドやギャングスターラッパーはどこの国にも沢山いますが、このようなどこの国でつくっても同じような内容のものを比べると、逆に国の特性が目立つのかもしれなません。この映画の場合は、言語がロシア語でした。