Sunday 11 May 2008

戦争と平和


パレードに関するレポートが各国で出ています。
今年のパレードはソビエト連邦崩壊後最大級のもので、レーニン先生のお墓の前には8000人の兵隊がブラスバンドと供に行進、100以上の戦車やミサイルも集結し、ロシアの強さをアピールしました。
そして新大統領の演説では、民族や宗教の名の下の暴力、テロリズム等には徹底的に対抗するとの事です。
プーチン様はこのセレモニーに関して、これは他国への威嚇ではなく、ロシアの兵力と冨を国民に見せて、安心させる為だという内容のコメントをしています。また、戦争の悲劇を繰り返してはいけないとも言及しています。

8000人の兵士達は、ソビエト時代のものをモチーフにリニューアルされた制服を着ていたそうです。しかもプーチン様もデザインに参加したそうです。

ここ数年は大きな祝日ではあるものの、ここまで大規模では無かったため、国民が不安になったとプーチン様は感じているのでしょうか。現在のメディア状況を考えれば、この模様が各国に放送されるのは当然で、また、如何に自国の軍備が凄いかを見せるという行為を威嚇と呼ぶのだと思います。ましてやそれが人間を殺すための兵器であれば尚更です。
http://www.rferl.org/featuresarticle/2008/05/c1f70515-9678-4fd6-ae81-1410ec1d94b0.html


ロシアは民主主義国家の振りをし、アメリカやEUは民主主義と認めている振りをしている。今回の式典の前に集会を企画した数十名が逮捕され、その事は報道されない。民主主義を叫ぼうとする民衆が拘留されている間に町を歩いていたのはネオナチを始めとする民族主義を掲げる若者達だった。
大統領選挙からパレードまでの一連の流れに関して、元チェスチャンピオンのカスパロフ氏はこのような内容の記事を書いています。

一部の民衆の意見を国家が抑えつけたところで、その内容に対して国民が疑問を持たなければ民主主義は成立し、現在の国際社会はこれを民主主義と認めるという事です。
http://www.latimes.com/news/opinion/sunday/commentary/la-oe-kasparov10-2008may10,0,7645982.story

戦争の悲劇を繰り返さないために意見をもった民衆を抑圧し、軍事力を誇示する。これが戦争を無くす為の戦争というやつなのでしょうか。
このパレードの後始末だけで、モスクワ市は10億ルーブルの財政負担があったそうです。このお金を我々のような恵まれない町にまわして、道とか作ってくれればいいのにと思いました。でも、パレードで披露していたミサイルはイランに売っているミサイルだそうで、そう考えるとお金の循環ができているからまあ良いのかもしれないですね!

写真は攻めてる表現者を集めるundergrowthのサイトより、peace Tolstoy。

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